ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカル カンパニーが、全国の20~79歳の男女15,000人を対象に「健康診断・人間ドック、がん検診等、医療受診に関する意識・実態調査」(生活者調査)を、がんの診断・治療を行う全国の医師300人を対象に医師調査を実施。

両調査で見えてきた昨今のがんの診断の実態をご紹介します。

コロナ流行状況の変化に伴う健康診断・がん検診に対する考え方の変化

画像: コロナ流行状況の変化に伴う健康診断・がん検診に対する考え方の変化

今回の生活者調査で、今年度の「健康診断」および「がん検診」の受診意向を時期別に聞き、2020年の調査結果と比較。その結果、2021年の調査で診断や検診を「控えたい(控えたかった)」+「やや控えたい(控えたかった)」と回答した割合は、2020年調査よりも減少傾向にありました。

2020年調査で「控えたい(控えたかった)」と回答した人が最も多かったのは、緊急事態宣言発令後の 2020年4月から解除翌月に当たる6月までの期間で、「健康診断」が 53.6%、「がん検診」が 56.9%でした。2021年は、コロナの感染拡大を受け「第4波(緊急事態宣言発令:2021年4月23日~)」「第5波(緊急事態宣言発令:2021年7月8日~)」と続きましたが、2021年4月~6月、7月~9月とも「控えたい(控えたかった)」とした人は、「健康診断」「がん検診」ともに3割台となり、2020年同時期と比べると減少しています。

ただし、2021年調査で「来年度(2022年4月~2023年3月)控えたい」とする人は、昨年の調査結果(約3 割)から減少したものの、「健康診断」(19.6%)、「がん検診」(23.6%)ともに約2割いました。さらに、がん検診については、コロナ感染拡大前(2017年から2019年)に、胃がん・肺がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がんのいずれかのがん検診を受けたことのある 40歳以上の男女(n=4,850)に限っても「来年度控えたい」と回答した人は 15.1%になっています(昨年の調査結果では 26.7%。いずれも図表データ記載なし)。

コロナ流行状況により、未だ「できるだけ病院に行くのを控えたい」と考える人は一定数いるようです。

がん検診の受診率は微増するも、約6割が「受ける予定はない」「わからない」と回答

画像: がん検診の受診率は微増するも、約6割が「受ける予定はない」「わからない」と回答

実際の2021年度の診断・検診受診率を、2020 年度の受診率と比較したところ、「健康診断」を、「受診済み」および「今年度(2021年)中に受診予定」の人は、2020年調査で 57.7%であったのに対し、2021年調査では61.2%とやや増加。がん種別の検診も同様に、やや増加しています。

一方、「受診予定はない」あるいは「わからない」と回答している人も一定数いるという結果に。がん検診では、その割合はいずれのがん種の検診も2020年調査とほとんど変わらず、約6割となっています。

「1年くらい受けなくても・・」でがんが進行した状態で見つかることに

画像: 「1年くらい受けなくても・・」でがんが進行した状態で見つかることに

コロナ感染拡大前の3年間(2017年~2019年)に胃がん・肺がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がんのいずれかのがん検診を受けた人に限って、胃がん検診を受診していない理由を見たところ、「今年度受診年だが、来年度に回す予定」とした人で最も多かった回答は、2020年調査では「新型コロナウイルス感染のリスクがあるから」(2020年:39.7%、2021年:16.3%)、2021年調査では「1年くらい受けなくてもいいと思うから」(2020年:18.9%、2021年:19.4%)となっていました(図表データ記載なし)。

公益財団法人がん研究会 有明病院 病院長 佐野 武先生は、「1年ぐらい受けなくても大丈夫だと思うから」と回答した人が少なくない点を懸念しており、「コロナ禍も相まって『今年はスキップしてもいいか』と思われている方は、どうか検診受診を再検討してください。」と警鐘を鳴らします。

がんの多くは着実に進行し、がん検診が半年、あるいは1年遅れることで、より進んだ状態で見つかることになります。実際に、毎年受けていた検診をコロナの感染を恐れて受けないでいたところ、症状が出現して進行したがんが見つかった人や、手術ができない状態まで進行してしまった人もいたことも。1年くらい、と思わず定期的な受診を強くおすすめされています。

新型コロナウイルス感染拡大が、がんの早期発見・がん治療に影響していると考える医師は9割以上

画像: 新型コロナウイルス感染拡大が、がんの早期発見・がん治療に影響していると考える医師は9割以上

医師調査の結果からは、「コロナ感染拡大への不安を理由に健康診断やがん検診などが控えられること」、「がんが進行した段階で病院に来る患者が増えること」を危惧している医師が多いことがわかりました。
6割以上(62.0%)の医師が「がんの早期発見の遅れを感じている(もっと早くに来てくれれば...と思うことが増えた)」と回答したほか、約4割(40.7%)の医師が、「患者の受診が遅れ、治療の選択肢が狭まっていると思うことがある」と回答しており、新型コロナウイルス感染拡大により、がんの早期発見・がん治療に影響していると考える医師が9割以上となりました。
実際に、なんらかの症状があった際の受診率を症状別に見ると、約2~3割の人が心疾患・脳梗塞や脳出血、がんが疑われる症状があってもコロナの影響で受診を控えていたこともわかりました。
 
調査の総括として公益財団法人がん研究会 有明病院病院長佐野 武先生も「早期発見が治療の選択肢を広げることを忘れないで」とコメントしており、なかなか病院に行きづらい時期があることは事実ですが、それでも定期的な検査を受けることが非常に重要だといえそうです。

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