名門音大に入学したドラマーの青年と、鬼教師が繰り広げる狂気のレッスン......。ジャズを題材にこれまでの音楽映画の概念を完全に覆し、サンダンス映画祭で絶賛を浴びたのは撮影当時弱冠28歳だったデイミアン・チャゼル。まったくの新人で無名、さらに低予算と負の要素ばかりを抱えた監督が、どのようにして怪作を生みだし、アカデミー賞の作品賞にノミネートされるまでに至ったのか? 躍動感あふれる映像と音楽、そして予想もつかない展開は、まるで総合格闘技を観ているような興奮に襲われる。そんなほかに類をみない物語を生みだした若き才能を直撃した。