スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での講演。勘違いした人がよく、有名な「stay hungry, stay foolish」という言葉ばかり強調しますけど、あのスピーチ、他の部分もきちんと聞いてください。
ジョブズはもともと里子でした。里子に出される条件として、「この子は絶対に大学に行かせる」というのがあって、里親はあまりお金を持ってないのに彼を大学に入れてくれたんです。
ところが大学でドロップアウトして、その後、友達から「パソコンをやりたいから、わかっているお前と一緒にやりたい」と言われ、ガレージでパソコン事業を始めた。やがてビジネスが大きくなって、彼はいいアイデアも出したんだけど、マネジメントにはそれほど興味がなくて、マイクロソフトにどんどん抜かれてしまう。やがて、「ジョブズは経営者としてはダメだ」という話になって、社長を追われてしまいました。
ところが、やがて彼が力をためてアップルに戻ってきたとき、会社にはすごくいいマネジメントの仕組みができていた。だから、アイデアフルなジョブズがそこに乗ったら、ビジネスはドンと伸びた。そういう人生なんです。
で、ジョブズが言っているのは何かというと、「目の前にある仕事をやり続ければいいんだ」ということ。その代わり、絶対やっちゃいけないのは、10年後にこうなるだろうという予想から逆算して、今、こうしておこうという行動。そんなことをやっても意味がないんだというのが、ジョブズのメッセージなんです。