ひとり暮らし、料理初心者でもカンタン
今年に入り、テレビ、ネットなどで話題の「冷凍たまご」。調理法は、ただ冷凍庫に入れるだけ。その調理法の簡単さ、手頃さがウケ、大人気ですね。『冷凍たまごのこくまろレシピ』は、揚げたまご、スコッチエッグに、話題のエッグスラットやハムエッグ、ふわふわ卵白スイーツまでレシピが満載。たまご料理のレパートリーがさらに広がりますよ。
「冷凍たまご」は新しい料理方法です
これまで一般に、「たまごは冷凍に向かない」、「冷凍すると味が落ちる」というのが定説でした。向かないという理由は、解凍したときに、もとの状態に戻らないということのようです。実際に冷凍したたまごを解凍してみると、卵白は、ほぼもとの状態に戻りますが、卵黄は球状に固まったままです。箸などで卵黄を割ってみると、ヨウカンのようにねっとりとしています。そのまま口に含んで味わうと、こっくり、まろやか、新しい食感、新しいおいしさです。マイナス18度で冷凍しておけば、鮮度も落ちず、栄養成分もほぼ変わらず、良質なタンパク質も摂取できます。「完全栄養食」といわれるたまごを毎日摂取するならば、「冷凍たまご」でレシピのバリエーションが増えます。
「冷凍たまご」のスゴイところ
① 卵黄がモッチリ、味がこく、まろやかになる
卵黄は冷凍して解凍することで、水分が抜けてタンパク質同士が結びつき、かたくなります。これがモッチリ食感を生み出すもとに。卵黄が口のなかで溶けきらず舌に長く残る感覚が、うま味が増したように感じられるのです。
② 凍ったまま使って新・たまご料理にトライ
カチカチに凍っているので、粉をつけて揚げたり、肉で包んで焼いたり、蒸したり、新しいたまご料理の可能性が広がります。
③ 卵黄は味が染みやすくなる
たとえば、生の卵黄のしょうゆ漬けを作るには、1晩かかりますが、冷凍した卵黄を解凍したものなら、20分ほどで味が染み通ります。これは冷凍・解凍のプロセスで卵黄膜が破れ、隙間ができるから。
④ たまごの栄養をキープしながら鮮度を失わず、保存期間がのびる
マイナス18度で保存をしておけば、鮮度も落ちず、栄養成分もほぼ変わりません。保存の目安は1ヶ月、解凍した後はできるだけ早く使いましょう。
「冷凍たまご」を作るのは簡単。買ったらすぐに冷凍庫に入れるだけ
保存袋に入れて殻のまま冷凍庫へ
たまごを冷凍すると、中身が膨張して殻に亀裂が入り、中身がでやすくなります。冷凍庫に直置きしたり、プラスチックケースのまま冷凍するのはNG。いくつかまとめて保存袋に入れることをおすすめします。
「冷凍たまご」の使い方
① 凍ったまま調理へ
冷凍たまごの大きな特徴といえるのが、冷凍したまま調理できる点。殻をむいたら、そのまま粉をつけて揚げたり、スープに入れて料理したりできます。
② 解凍してから調理へ
一番スタンダードな使い方が、解凍してから使う方法です。真夏以外は常温で自然解凍がおすすめです。冷蔵解凍、電子レンジで時短解凍などの方法もあります。
著者プロフィール
赤坂 みちよ / 料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳師。
「栄養と料理」編集部を経てフリー編集者として独立。1987年に「フーズアンドテーブル」を設立。2009年9月、東京・文京区に「旬の食材から元気をもらう」をコンセプトにした「旬菜薬膳ワンプレートミール」を提供する「カフェ・ビーンズ」をオープン。女子栄養大学栄養学部卒業。
出版物概要
1.書籍名:『冷凍たまごのこくまろレシピ』
2.発売日:2015年5月19日
3.定価: 本体1,200円+税
4.判型:A5判
5.頁数:96頁