近年、旅行者の間で人気が高まっている、東ヨーロッパのクロアチア。映画『紅の豚』や『魔女の宅急便』の舞台のモデルとされる街ドブロブニクをはじめ、透き通るアドリア海と沿岸の古く美しい街並みが魅力的な国だ。そんなクロアチアの北部ダルマチア地方にあるザダルは、「世界一美しい夕日の町」とも称される場所。この町の海岸線には「海のオルガン(Morske orgulje)」と呼ばれる、地元の人々や観光客に愛されるスポットがあるという。・波を“音楽”に変換?海に向かって伸びる階段には、オルガンパイプが埋め込まれており、押し寄せる波を音楽に変換し、辺りに響かせるそう。パイプに入った水が内部の空気を押し出し、最上段の穴から音が出るという仕組み。これは最近、録音された、波が奏でるメロディだ。これまでに聞いたことのないような、なんとも不思議な響き。もっとも、季節や時間、波の状況によって、いつも違う音楽が聞こえるそうだ。・魅力的な地域を取り戻すための試み手がけたのは地元出身の建築家Nikola Bašićさん。戦争で荒廃したザダルの海岸線が、再建の過程でコンクリートばかりで面白みのない風景になったことから、このプロジェクトに着手。この試みが評価され、2006年には“European Prize for Urban Public Space”という賞も受賞している。クロアチアを訪れた際には、この町にも足を伸ばし、美しい夕日を眺めながら、幻想的な音楽に耳を傾けてみたいものだ。public spacehttp://www.publicspace.org/en/works/d078-morske-orgulje/prize:2006・旅行(まとめ)