現代社会の中で、古き良き日本の“美”に触れる機会は徐々に少なくなっています。そんな失われていくものを身近に残しておこうと、東京の下町、台東区に工房を構える作家、山岡進さんは「起こし絵」と名付けたオリジナル作品を発表しています。起こし絵とは?額縁の中には、日本画を思わせる世界が広がり、中央には茶室や日本家屋など、日本伝統の建築が立体的に表現されています。一見すると絵のようにも見えますが、小さな扉の中を覗くと室内の様子まで再現されていて、とてもリアル。細やかな仕掛けの数々内側にセットされた鏡で立体感が強調されるため、奥行きが作品全体の厚み以上に感じるという不思議な感覚に捕われます。さらに、照明で昼と夜の情景を演出したりと、細やかな仕掛けも満載。見ていると、その世界観に入り込み、作品の時代に一時タイムトリップしてしまうことでしょう。日本伝統の建築美を、平面と立体が織りなす“侘び寂び”の精神で表現した山岡さんの「起こし絵」は、私たち日本人に大切な何かを思い出させてくれそうです。山岡さんは「起こし絵」のほかにも、昭和の懐かしい街並みを再現したハガキ「起こし文」も発表しています。一般販売もされているので、是非チェックしてみてはいかがでしょうか。起こし文(起こし絵)http://okoshibumi.2p5.jp/okoshibumi/top_okoshibumi.html・ミニチュア(まとめ)