日本のカレー界をリードする「東京カリ~番長」の水野仁輔(みずの・じんすけ)氏。インド料理、洋食レストラン、フランス料理、タイ料理など様々なジャンルの第一線で活躍する「カレー好きシェフ」が、独自の技とカレーに対するこだわりについて水野氏と熱く語り合い、その様子を完全収録したものが本書です。プロがお店で供するカレーづくりのポイントを、シェフの経験に裏打ちされた実践的な情報で解き明かしてゆき、今まで秘伝とされていた有名店の技とその理由が、余すところなく披露されています。
◆10人の有名シェフが初めて明かす「秘密」
そして本書に登場する「カレーに情熱をささげるシェフ」は10名。彼らが長年の経験と失敗の中で辿り着いたカレーの奥義とは、なんでしょうか? あるシェフは「たまねぎの焙煎」、そしてあるシェフは「スパイス使い」。「ブイヨンの効能」とジャンルや完成のイメージによって、そのコツもまさに十人十色です。それぞれのカレーを支える「味(風味)」「香り」「色」「食感」への独自のアプローチが、究極のカレーをつくるヒントになっているのです。
「この本の面白いところは、100人が読んだら100通りの読み方がある点だと思います。読者が何を求めるかによって、読者がどの程度の実力かによって対談から読み取れるものは千差万別。おそらく、時が経って読み返すと過去に気づかなかったことを発見したりすることもあるでしょう。噛めば噛むほど味わいが出るビーフジャーキーのような本(カレーの本なのにビーフジャーキーはわかりにくいですね……)。噛むカレー。読むカレー。僕自身も、この本は、何度も読み返すつもりです」(水野仁輔)
【目次と主な構成】
奥義01 デリー 田中源吾 たまねぎの焙煎がカレーに及ぼす効果とは?
奥義02 ルー・ド・メール 鈴木正幸 ビーフカレーにおける牛肉のおいしさとは?
奥義03 サールナート 小松崎祐一 インド人が大切にしているエッセンスとは?
奥義04 レストラン吾妻 竹山正昭 カレー粉を焼いて生まれる切れ味とは?
奥義05 共栄堂 宮川泰久 変わらぬおいしさを維持する挑戦とは?
奥義06 ピキヌー 山口 茂 カレーに彩りを与える素材の風味とは?
奥義07 ラ・ファソン古賀 古賀義英 カレーのおいしさを支配するブイヨンとは?
奥義08 カルータラ 横田彰宏 シンプルな調理に宿るテクニックとは?
奥義09 ナイルレストラン ナイル善己 スパイスから生まれる香りを操る方法とは?
奥義10 新宿中村屋 二宮 健 おいしいカレーを生み出すメカニズムとは?