数字が羅列されているだけ、と思われがちの『時刻表』ですが、そこには旅人を魅了するさまざまな情報が記載されております。本書では、『時刻表』に魅せられた達人たちが、鉄道史、ミステリー小説、交通史料、列車史使いこなし術などの視点から、おもしろさを多角的に解説しています。
●もくじ
第1章 時刻表づくりの裏側
時刻表と生きる
→元時刻表編集長が、時刻表編集の裏側を明かします。
第2章 時刻表を学ぶ
時刻表は万能事典
→旅行系専門学校の講師が、使いこなし術を紹介します。
「史料」としての時刻表
→鉄道史研究の第一人者が、鉄道開通から太平洋戦争中までの時刻表発展史を解説します。
第3章 鉄道躍進の瞬間を刻む
記憶に残るダイヤ改正
→戦後の鉄道史に残る昭和の六大ダイヤ改正を紹介します。
第4章 時刻表を彩った優等列車たち
列車速度の変遷をたどる
→東海道・山陽本線、東北・函館本線の二大ルートのスピードアップの変遷を紹介します。
時刻表を駆け抜けた名列車
→超特急から名脇役の急行まで、時刻表を彩った数々の列車を紹介します。
第5章 時刻表の進化をたどる
表紙から見る鉄道史
→印刷技術や出版業界の変化とともに変わっていった時刻表の表紙を検証します。
時刻表記号学
→時刻表を少しでも見やすくするため、時刻表編集者が「記号」に込めた工夫を見ていきます。
時刻表の進化を占う
→列車検索アプリ全盛のいま、これからの時刻表はどうなっていくかを検証します。
第6章 時刻表とミステリーの関係
時刻表トリックの秘密
→ミステリーの定番、時刻表トリック。名作を例に、設定の仕方を解き明かしていきます。
松本清張の『点と線』“4分間の空白”に迫る
→時刻表ミステリーというジャンルを確立した名著を、テツ目線で解説していきます。
第7章 壮大なる鉄道旅の記録
東京発、巴里行き
→戦前の時刻表に載っていた、東京からパリ、ロンドン、ローマを結ぶ国際列車の時刻を検証します。