パルミジャーノ・レッジャーノとは?
パスタを食べに行くと筒状の容器に入ったチーズが出される事がありますよね?あれが「パルミジャーノ・レッジャーノ」と誤解されている方が多いんだそう。本物の「パルミジャーノ・レッジャーノ」とは、北イタリアのパルマ、レッジョ・エミリア、モデナの各県内、レノ川左岸のボローニャ、マントバのポー川右岸までの限られた地域DOP(原産地呼称保護)で、伝統的な製法で職人さんが作ったチーズにしか、その名前をつけられないチーズなんですよ。
どうやって出来上がるの?
作り方は搾乳して2時間以内のミルクを工房に運び、タンクに一晩置いて脂肪分の一部を分離させた牛乳と、翌朝の搾りたての脂肪分を分離させていない牛乳を混ぜ、そのミルクを温めて乳酸菌、レンネット(ミルクを固める酵素)を加えると、カゼイン(乳たんぱく質)が凝固します。その凝固したもの(凝乳)からホエイ(乳清)を除去したものを、カードと言うそうです。そのカードを小さくカットし、それを取り出して型に入れ、加圧して水分を出します。その後、型を外して高濃度の食塩水に漬けます。食塩水から出した後は乾燥させ、熟成庫の中で数年に渡って熟成させるチーズなんです。伝統的な製法(DOP)で、チーズ職人(カザーロ)が1日に1回しか作る事ができない「パルミジャーノ・レッジャーノ」は時間と手間が美味しさの秘密なんですね。
さあ、お待ちかね「パルミジャーノ・レッジャーノ」の食べ比べからスタートです!
ゴツゴツが美味しさのポイントです!
「パルミジャーノ・レッジャーノ」を食べる時は、専用の伝統的なナイフをチーズに少し刺し、軽く回すと自然とカケラになります。この「割って食べる」ことが重要だそう!常温で30分は置いてから食べるのが美味しく食べる秘訣さそうです。22ヶ月を超えないと出ない「チロシン」のシャリっとした、独自の食感を楽しむ為には必ず「割って」食べてくださいね!
まずはそのままの状態でいただきます。次にシェフ考案のお料理に合わせて。
「パルミジャーノ・レッジャーノ」は、料理に合う理想的な熟成期間があります。24ヶ月、36ヶ月には、甘みのある物を合わせ、84ヶ月の物には後味にほんの少しスパイスを効かせ、熟成期間が違う「パルミジャーノ・レッジャーノ」と合わせる。女性のシェフならではの繊細なスパイスの使い方でした。
特別にシェフがパーソナルリザーブされていた、84ヶ月の「パルミジャーノ・レッジャーノ」を試食させていただいたのですが、香りがまるで別物…!甘さがグンとありつつ、スパイシーさも合わさってて、もう、うっとりする味わい...
パスタはパン粉と「パルミジャーノ・レッジャーノ」だけを練りこんで作ったパスタ。イタリアのポルチーニ茸と椎茸の合わせたスープに、スープに溶け出したチーズの風味が加わって、和の”UMAMI”が感じられました。日本とのフュージョンを意識して考案されたお料理に納得。
イタリアではルールとして、パルミジャーノ・レッジャーノは、魚介類にはあまり合わせないそうですが、今回はホタテに合わせた料理をいただきました。「パルミジャーノ・レッジャーノ」に、火を入れた時の香りを楽しむ逸品です。
上はシンプルなデザート。イタリアでは子供の体調が悪い時に母親作る料理なんだそうです。滑らかなクリームの真ん中から出てくるタンジェリンの苦味、カリッとしたカルダモンクランブルの食感が美味しかったです。
会場となった「トラットリア・クレアッタ」のソムリエの方と、シェフがチョイスした「パルミジャーノ・レッジャーノ」に合わせたワインは切り口の違うワインでどれもお料理にぴったり!この秋は、美味しいワインと一緒に本物の「パルミジャーノ・レッジャーノ」をいっぱい楽しんでみてはいかかが?