自分で計画をたてる鉄旅も楽しいけれど、旅行のプロが提案する至極の鉄旅を体験してみたいと思いませんか。
先日、旅行会社各社が販売した国内鉄道旅行プランのなかから、特に優れた企画を表彰する第8回『鉄旅オブザイヤー』が発表されました。
応募総数は104作品(16社)。2017年11月~2018年10月の期間に販売され、一定の受注実績を上げた日本国内を目的地とする鉄道旅行企画なかから、鉄旅オブザイヤー実行委員会がグランプリ・準グランプリ・審査員特別賞・DC賞・ルーキー賞の各賞5作品を選出しました。
当日は、女子鉄アナウンサーとして人気の久野知美さんと、鉄道BIG4 として活躍中の吉川正洋さん(ダーリンハニー)がMCを。また、同じくBIG4メンバーである南田裕介さん(ホリプロマネージャー)がゲストとして登壇。会場となった鉄道博物館(埼玉県 大宮)の「てっぱくホール」には、旅行関係者や鉄旅ファンが集まり“鉄分”の濃い授賞式となりました。
思わず行きたくなる鉄旅プラン、栄えあるグランプリは?
JR只見線全線復旧決定祈念!世界一ロマンチックな鉄道で1000人結婚式を!
ジョイフルトレイン観光トロッコ「風っこブライダルトレイン」で行く!お花見&ご利益参拝!開運福袋列車と「お土産どっさり」奥会津15大ご当地グルメ食べ比べ!(株式会社読売旅行山形営業所)
なんとも胸キュンなタイトルの鉄旅プランですが…婚活イベント専用列車ではありません。
福島県会津若松市「会津若松駅」~新潟県魚沼市「小出駅」までを結ぶJR只見線は、2011年7月に起きた新潟福島豪雨で甚大な災害を受けました。その復旧の際に、只見線が縁で出会いカップルとなった方々の「只見線で結婚式を挙げたい!復旧の応援のためならぜひ!」という声をきっかけに企画されたのが、県内JR初の「ブライダルトレイン」です。全国から申し込みがあり、大型観光バス24台・1100名以上の参加者が新郎新婦を祝福するツアーとなりました。
ブライダル列車だけでも充分魅力的ですが、それだけではないのがこのツアーの凄いところ。只見線沿線をTDL(只見線ランド)というテーマパークにみたて、各駅で地元ならではの趣向を凝らした「野菜の詰め放題」「お米すくい」「ご当地グルメ15大食べ比べクーポン」などを盛り込み“鉄旅”プランが盛りだくさん。只見線沿線のグルメや観光がまるっと楽しめるツアーとなりました。
鉄道×花火がトレンド
「東北復興冬花火と貸切三陸鉄道レトロ列車2日間」が準グランプリに。ルーキー賞には「SL大樹乗車&2018日光花火観賞」がそれぞれ選ばれました。季節も場所も異なる両プランですが、共通のコンセプトが鉄道×花火です。
準グランプリ 列車から観賞!東北復興冬花火と貸切三陸鉄道レトロ列車2日間(株式会社JTBメディアリテーリング)
岩手県洋野町を舞台に「八戸駅」~「久慈駅間」を走る「リゾートあすなろ」を貸し切り、車内に流れる音楽に合わせて打ち上がる車窓の花火を観賞。もう1日は、貸切三陸鉄道レトロ列車に乗車し、ハイカラさんガイドによる沿線ガイドや紙芝居を楽しみながら、八戸名物のサバ寿司やイクラぶっかけ放題の海鮮丼などの三陸の味覚を味わうもので、閑散期である冬の東北を盛り上げる新しい東北復興応援鉄旅プランです。
ルーキー賞 夏だ!花火だ!SLだ!SL大樹乗車&2018日光花火観賞(東武トップツアーズ株式会社東武旅倶楽部)
一方、「下今市駅」~「鬼怒川温泉駅」間をSL大樹で往復し、途中、橋梁上の車窓から「2018日光花火大会」のスターマインの打ち上げを観賞するこちらの企画。SLファンや呑み鉄ファンを対象に、夏の日光と花火を堪能するプランです。下今市駅到着後は、駅構内にあるSL転車台広場を貸し切り、ツアー参加者のみで眼前で打ち上げられる花火を楽しみました。車中では、枝豆と冷えたビールを楽しめます。
人気の観光地と自然を満喫
鉄道旅行といえば、最寄の観光地や車窓から見える風光明媚な自然風景を楽しむのがお約束ですよね。有名観光地や地域と一体となった鉄旅プランのなかでも、特に評価が高かったのが下記2作品です。
審査員特別賞 クラブツーリズム特別貸切運転!ありがとう旭山動物園号!!(クラブツーリズム株式会社 JR販売センター)
旭山動物園のブレイクとJR北海道20周年の目玉として運行を開始し、人気が高かった183系旭山動物園号。老朽化による2018年3月25日の引退を前に、より多くのファンが乗車できるようにと企画されました。全国の家族連れはもちろん電車ファンなどにも幅広く楽しんでもらうため、販売拠点を広くとり、宿泊だけでなく日帰りコースなども設定されました。
DC賞 <ひとり旅>近畿・中国鉄道コンチェルト第1楽章~日本海の美景と美食を訪ねて… 3つの貸切列車が繋ぐご縁の章~ 3日間(クラブツーリズム株式会社 第3国内旅行センター)
2018年7月~9月に開催された山陰DC(山陰デスティネーションキャンペーン)のなかでも、鉄旅と山陰エリアの観光という2つの目的を両立させたプラン。「デハ二50形体験運転」と新型観光列車「あめつち」、おもてなし自慢の「一畑電車」、走るダイニング「丹後くろまつ」という“食”が楽しめる3つの列車を貸し切り、山陰から近畿へかけて日本海沿いを横断しました。「出雲大社早朝参拝」や日本遺産「日が沈む聖地出雲」、「伝統古代食の夕食」など、山陰の自然・歴史文化や地元の方々と交流も魅力的です。
いかがでしたか?
ノープランで楽しむ旅も素敵ですが、旅行会社と鉄道会社そして地域が一体となっての企画やおもてなしの数々を体験してみたいと思う方もいるのでは?
今年はぜひ、プロでなければ企画できない魅惑の鉄旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。