TikTok人気の勢いがとまりません!11億回以上再生され、話題上昇中の「#ノーズペイント」をはじめ、過去には「#アイスバケツチャレンジ」「#ボトルキャップ」などのチャレンジ動画が大流行した「meme(ミーム)」などのカテゴリー動画。さらには、オリジナル動画や曲を作成するクリエイターなど、TikTokにはユニークで多彩なコンテンツがいっぱいです。
なかでも今注目されているのが、ニッカポッカスタイルのとび職人ネタで人気の“オヤカタくん”。口癖は「パラリラ」。イキっているものの、どこか憎めない先輩キャラを演じ、昨年3月から約1年間でフォロワー数は319,000人(2020年3月時点)と大ブレイク! 強面の見た目とクスっと笑えるネタとのギャップ萌えも手伝い、女子ファン急増中なのです。
そこで今回は、大人気クリエイター“オヤカタくん”にTikTokを始めたきっかけや嬉しかったことなどについてインタビュー。TikTokのシステムを活かしたネタづくりの裏側なども聞いちゃいました!
ファンはほぼ男性?強面の職人さんから熱視線
――まずはTikTokを始めたきっかけを教えてください。
以前、工事現場で働いていたので、その経験を活かしたネタをSNSに投稿していたんですが、これがうんともすんとも言わなくて。そんなときに「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」(フジテレビ)で優勝した たつろうさん(元LOVE)がTikTokをしているのを見て、面白そうだな…と何の気なしに始めました」
――フォロワー数が増えていくなかで、盛り上がってきたな~という実感はありましたか?
最初は女子高生とかに「いつも見てます!好きです」って声をかけてもらっても(またまたぁ~ 御冗談を)みたいに半信半疑でした。そのうちに「オヤカタくん!」って名前で呼ばれるようになって。
――同性より女性からの人気の方が高い?
それが、ほぼ職人さんなんです。とにかく漢(おとこ)からの熱量がすごくて、職人あるあるや、建築専門用語を使ったネタとか喜んでいただけるみたいです。TikTokって高校生や学生が、みんなでワイワイやるイメージだったので、職人さんも見てるって知ったのは大発見でしたね。現場を離れてけっこう経つので、現役の職人さんに「職人あるある、面白いよね!わかるわー」と言ってもらえるのは本当に嬉しいです。
――女性からは“かわいい!”といった声を聞きます。
腕を振り回しながら「ばっきゃろう!」とイキがるネタが、女子には人気みたいです。強面だけど実は弱そうな感じとか、見ていて笑えるのかも知れません。
――もしくは、時々みせる笑顔とか?
始めたころは、イキっているキャラなので笑顔を見せないようにしていたんですが、たまたま、ネタの途中で笑っちゃったNGテイクがスタッフから評判よくて。それ以来、女子にモテたくて意識してやっています(笑)
――街で声かけられるようになったのは、いつぐらいからですか?
普段着姿でも声をかけてもらえるようになったのは100,000フォロワーくらい。それを超えた辺りから、撮影を見学する人とかが現れはじめて、僕もそれを意識しちゃったりで、嬉しいけど悩やみました。自分から声をかけさせていただくのも恥ィしなぁ~とか。
――親方スタイルじゃないのに気が付かれるって凄いですね。
熱心なユーザーさんになると、カメラマンの声とかも判別できるみたいです。ライブがあった日は、一緒に出演した芸人仲間にカメラマン兼、掛け合いを頼むことがあるんですが、その人が「この前、声やってましたよね?」って声をかけられたらしくて、凄いですよね。
――そんなTikTokでの人気は、他のSNSにも影響しましたか?
200~300くらいだったInstagram のフォロワー数が、今では43,000くらいになりました。先に動画をTikTokにあげておくと、夕方頃にInstagramのおススメにのったりするのかな。TikTokから流れてきていると思うんですが、その相乗効果は大きいですよね。
TikTokならではのネタ作りに苦労
―― TikTokの良さってどんなところだと思いますか?
見るのも撮るのも気軽にできるところじゃないかな。検索しなくてもスクロールするだけで、流し見できる手軽さとか、あとはカップル動画も多くて彼氏彼女で盛り上がれる点や、仲間同士で動画にチャレンジして面白さを共有できる点だと思います。
―― TikTokならではの仕様が、ネタ作りに影響したりはしませんか?
もちろん影響しています。僕が投稿し始めた頃は、フォロワー数が1000人未満だと15秒のショートムービーしか撮れなかったので(現在はフォロワー数関係なく60秒撮れる)必然的にネタは短さ重視でした。なかだるみせずテンポ良く見てもらえる反面、作るのはかなり難しいです。尺が短ければみじかいほどフリができないんで、シナリオはけっこう練って考えながらつくっています。
――ネタはどういったところから仕入れるのですか?
ひと口に建築業界といっても広くて、分野ごとに専門用語があるので職人さんに話しを聞きにいったり、工事現場を観察したりです。ネタによっては実際にモデルがいたりします。
はじめるなら、まずはmemeから
――投稿した動画をより多くの人に見てもらうために、まず何をしたらいいでしょう。
TikTokを見る人って、フォローした動画よりもランダムに流れてくる“オススメ(レコメンド)”を見る傾向があるので、まずはそこにのることを目指したらいいと思います。誰かに見てもらえて、フォローやいいね!がつけば、次からはそのアカウントにAIが選出して流してくれます。
そのためにも、ユーザーからの反応がいいmeme…例えば、23.6M(ミリオン)くらい盛り上がっているものを選んでトレンドにのるのも手です。一通り挑戦してみれば、自分のキャラにあうチャレンジやmemeが見つかると思います。
――オヤカタくんがやってみたい、memeはありますか?
踊る系、「#ダックダンス」とか面白そうです。足場でダンスしながら作業現場に着地するとか、できれば職人さん達とやりたいです。でも、そうなるとロケ地選びがなかなか難しくて。
キャンペーンやmemeといった、TikTokからの“お題”を皆で共有できるのがTikTokの面白さのひとつだったりするので、いろいろ挑戦したいと思う反面、クリエイターとして面白いと感じるものを一から創り上げていきたいとも思うんです。
――オリジナルで勝負したい?
芸人としては、そうでありたいかな。YouTubeをはじめる芸人は増えたけれど、TikTokでオリジナルなものを披露されている方はまだまだ少ないので、遣り甲斐もあるし、芸人仲間にもネタを披露する場のひとつとして奨めています。
―― TikTokクリエイターや人気者を目指すユーザーにアドバイスをするとしたら?
本気でやるなら、画質と声の良さにこだわることと、再生回数が上がらなくてもめげないことが大切…先ずは5000フォロワーまで頑張れ!です。
僕は、たまたま順調に数が伸びたので良かったけれど、今はユーザー数も増えているので簡単なことではないかも知れないです。けれどTikTokは、投稿すれば必ず誰かに見てもらえるシステムなので、いいね!をもらったり、フォローされたりしていけば、あとは自然と盛り上がっていくと思います。
めざすはワークマンのCM出演と吉幾三越え!
――今後の展望について教えてください。
TikTokを足掛かりに色々なメディアに出られたらいいですね。目標はワークマンのCMに出て吉幾三さんを超えることです。まずは、職人さんで僕を知らない人がいないのを目指して、声をかけていただいた際には、周りにもぜひ勧めてください!とか、お願いしています。
―― “パラリラ”って書かれたコラボ作業服が発売されたら面白いですね!
実現したら嬉しいですね。なので、そのためにも親方さんたちの口コミは大切だし、ホント有難いです。僕はTikTokをはじめたことで、ユーザーの皆さんから元気もらい、活力がすごく湧きました。おかげで、ライブに来てくれる人も増えたし営業にも呼んでいただけるようになった。今後、TikTokのフォロワー数は大きな武器になると思います。
―― 最後にTikTokユーザーや、これからTikTokをはじめようかなと思っている人へメッセージをお願いします。
人生楽しくいきましょう!(笑)僕はそれがTikTokだった。そして人生変わりました。
動画配信サービスがいろいろとあるなかで、面白さでいえばTikTokって一番だと思う。友達や仲間とワイワイとノリで始めてもいいし、学生さんなら、学校の人気者になって学校生活を楽しもう!みたいな気持ちで始めてみたらどうでしょう。恥ずかしいから下書きだけで公開しない人もいるけれど、思い切って撮った動画を公開してみたら新しい世界が開けると思います。
オヤカタくん
芸人歴11年目
しもとクリエイティブ・エージェンシー所属(東京NSC14期)
「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ)など、出演多数