実はだれにでも起こりうる「薄毛」
一般的に、抜け毛・薄毛は年齢層の高い方が発症しやすいというイメージが浸透していますが、実は20代女性においても発症する可能性は十分あります。実際に、今年1月から8月までの8か月間、Dクリニック東京 ウィメンズに寄せられた抜け毛・薄毛に関する新規の問合せは、20代女性が最も多いという結果でした。
冬は、乾燥がすすむことで抜け毛につながりやすく、さらには、誰でも行う「あるある習慣」により、抜け毛を増やしてしまう可能性が高い季節です。抜け毛につながるメカニズム、対策について、頭髪治療のプロ 浜中聡子先生が解説します。
その習慣、薄毛・髪ダメージにつながります!落とし穴 10選
落とし穴1:ホットカーペットで寝る
寒いからといってホットカーペットの上で寝ていると、ホットカーペットから発せられる熱によって体が急激に高音になります。この状態で寝てしまうと、脱水症状・熱中症になる可能性が高い他、髪の毛も低体温症を起こし、傷んでしまいます。髪の毛が傷むことにより、抜け毛リスクを高めます。
解決策はコレ
カーペットの上で長時間横になる場合は、枕やクッションなどを置いて、直接カーペットに頭が触れないようにしましょう。
落とし穴2:熱いシャワーを浴びる
冬は脱衣の時間がさむく辛いですが、42℃以上の温水でシャワーを浴びると、髪や頭皮にダメージ与えます。頭皮は顔の皮脂の3倍あると言われているので、皮脂が落ちにくいのですが、熱いお湯で皮脂を取り過ぎると、体が「皮脂不足」と感じてしまい、皮脂を多く出そうとする結果、皮脂過剰を起こしてしまいます。
解決策はコレ
38℃前後のお湯で髪を洗うようにしましょう。人肌くらいの温度で洗うことで、髪や頭皮を守るだけではなく、カラーリングした髪の色落ちをふせぐことも出来ます。
落とし穴3:温風のみで髪をかわかす
冬の寒い季節はとくに温風が心地よく感じますが、温風のみで髪の毛をかわかすと髪を痛めます。温風のみのヘアドライはキューティクルが開いた状態にしてしまい、手触りが悪くなったり、艶が出にくくなります。
解決策はコレ
ドライヤーは頭から10~20㎝離して使用しましょう。まず、乾きにくい髪の根元から風を当てるように、ドライヤーの温風が同じ場所に当たる時間は 2 秒以内におさえましょう。温風8割、冷風2割でかわかすことで、頭皮と髪を乾かしすぎず、キューティクルがしまって、艶のある髪にすることができます。
落とし穴4:週4で忘年会(お酒の量が極端に増える)
冬になると歓送迎会や忘年会など、お酒を飲む場が増えますが、これは実は髪の毛にとってよくない習慣です。飲酒によって摂り込まれたアルコールは肝臓で分解され、アセトアルデヒドや酢酸へと形を変えて対外へ放出されますが、このアルコールの分解過程では髪の成分である「ケラチン」の構成要素として必要なアミノ酸の一部が使われます。また、アルコールの過剰摂取は胃腸を弱らせてしまうため、吸収効率が落ちた状態で髪に良いとされる栄養素を取っても効果が薄れてしまいます。
解決策はコレ
アルコールの摂取量をなるべく控える、やむを得ない場合はアルコールの摂取量と同じ量の水を飲むとよいでしょう。
落とし穴5:トリートメントを付けたまま浴槽に長くつかる
トリートメントは髪質をよくするものとして、毛先のみならず根元からベタベタにつけてしまうと、トリートメントの中に入っている成分が酸化して頭皮に悪影響を与えます。この状態で頭皮に浸透してしまうと、次に生えてくる髪にも悪影響をおよぼしてしまいます。
解決策はコレ
トリートメントは毛先にやさしく馴染ませるようにして付け、髪全体へは毛先よりも少ない量で付けるようにしましょう。
落とし穴6:外出時はかならずニット帽をかぶる
ニット帽は、耐熱性に優れていることからコットン素材をつかったものが多いのですが、通気性にやや難があり、内部の空気を外に出す力が弱いとされています。また、伸縮性のある素材のため、一度かぶると、被り口から空気が外に逃げにくくなってしまいます。そのため、長時間かぶっていると頭部に熱を溜め込み、蒸れや頭皮の発汗につながります。この状態が増えると、皮膚に炎症を呼び起こします。
解決策はコレ
ニット帽をかぶる日は、こまめに帽子を脱ぐということを意識して、内側にたまった空気を外に出しましょう。ニット帽を頻繁にかぶりたい場合は、素材にこだわり、速乾性の高いリネン素や麻でできたものを選ぶとよいかもしれません。
落とし穴7:辛いものをよく食べる
冬場はからだをあたためる辛い料理を食べたくなりますが、食べすぎには注意です。辛いものにふくまれるカプサイシンは、強い発汗作用をもたらし体から汗が出ますが、汗が出た後の頭皮を放置すると皮膚の衛生環境に悪く、乾燥します。
解決策はコレ
辛いものを食べて汗をかいた場合は、清潔なタオルでふき取る、シャワーを浴びるなど頭皮を清潔に保ちましょう。辛いものだけではなく、バランスよい食事をこころがけましょう。
落とし穴8:食べ過ぎや運動不足で正月太りする
冬は高カロリーなものを摂取しやすい時期で、糖質や脂質を摂り過ぎやすくなります。この食生活は、老化物質の溜まった脂質が増えて頭皮の毛穴を塞いでしまったり、内臓機能の低下により頭にも栄養が行きにくくなる場合があります。急激に太ったことを解消するための過激なダイエットを行う場合、髪の毛が細くなったり、白髪が増えることがあります。
解決策はコレ
高カロリーな食事は控え、バランスの取れた適切な量の食事を取りましょう。髪の毛には、ミネラルやビタミンが良いと言われていますが、タンパク質も非常に大切な栄養素です。
落とし穴9:何年も同じ髪型を続ける
髪の毛には生える方向が決まっており、流れに逆らった方向にセットしてしまっていると、毛根や頭皮にストレスを与えます。また、いつも分け目を同じにしていると、同じ場所に紫外線が当たり続け、頭皮の日焼けや、血行が悪くなります。この状態が長く続くと、抜け毛につながりやすくなります。
解決策はコレ
お気に入りのヘアスタイルでも、時には分け目を変えてみるなど少しアレンジしてみることも大切かもしれません。
落とし穴10:暖房に当たり続ける
髪の毛の8~9割はタンパク質でできています。髪の毛に含まれるタンパク質は、熱や乾燥にとても弱いので、暖房にあたり続けることでダメージを受けてしまいます。
解決策はコレ
1日中暖房にあたり続けるなどは避け、こまめな換気や、暖房のタイマー設定をするなど対策を行うとよいでしょう。
浜中聡子(はまなかさとこ) プロフィール
女性ホルモンを中心とするホルモンバランスに着目した女性医療を提供するDクリニック東京 ウィメンズで、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からサポートを行っている。懇切丁寧な診療で多くの女性から高い支持を得ている。
Dクリニック東京 ウィメンズ
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