いまだ収束の兆しを見せないコロナ禍。各地で再び外出自粛が促されており、また、例年以上にインフルエンザの流行も心配なところなのではないでしょうか?今年の冬を元気に乗り切るために、免疫力を下げない食生活を意識することが大切。そこで今回は、管理栄養士・料理研究家として活躍する成澤文子先生に、おすすめの食材とそれらを使用した鍋レシピを教えてもらいました。どれも簡単に作れるものばかりなので、ぜひ試してこの冬を健康に過ごしましょう!
免疫力は毎日の生活習慣と食事が大切
免疫細胞の約6~7割が腸に集中しているため、腸内環境を良好に整えておくことが免疫力低下を防ぐポイントの一つになります。野菜、きのこ、海藻などに含まれる食物繊維は善玉菌の割合を増やし、腸内環境を整えるので腸活におすすめです。日本人のすべての年代で不足傾向が続いているので、積極的に摂取することが勧められています。また、免疫細胞の主要成分であるたんぱく質、たんぱく質の代謝に関わるビタミンB群、鼻やのどなど粘膜を丈夫にするビタミンA、抗酸化作用のあるビタミンC、E、ミネラルも重要です。ストレス、睡眠不足、喫煙、低栄養や偏った食事などは免疫力を下げてしまう可能性があるので、毎日の生活習慣も合わせて意識したいですね。食事のリズムを一定にすることも大切です。
健康のためにぜひ摂取したい!きのこ・緑黄色野菜
まいたけ、えのき、きくらげ、エリンギなどのきのこは、不足しがちな食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。食物繊維は整腸作用のほか、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など多くの生理機能が明らかになっています。にんじん、かぼちゃ、チンゲン菜などの緑黄色野菜は、食物繊維のほか抗酸化作用のあるβカロテンやその他抗酸化作用のあるビタミンなどが豊富に含まれます。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の正常保持に関与します。ビタミンCなどの抗酸化作用のあるビタミンには老化や免疫機能の低下を引き起こす活性酸素の働きを抑えてくれる働きがあります。
お鍋は〆まで完食するとより効果的!
水溶性ビタミンなどの栄養素はスープに溶け出ているので、〆にごはんや麺を入れるのもおすすめです。今回ご紹介する鍋はどちらも〆までしっかりおいしくいただけます。
痺れる辛さで身体がポカポカに!「麻辣薬膳鍋」
痺れるような花椒の辛さが特徴のうま味のある鍋です。しょうがやにんにくの効果で体ポカポカ。豚肉にはビタミンB群が豊富なので疲労回復にもおすすめです。薬味千切り器やキッチン鋏で切って入れるだけなので料理初心者でも手軽に作れます。
◆材料:2人分
豚ロース薄切り肉・・・200g
チンゲン菜(葉をばらして洗う)・・・2~3株
長ネギ・・・1本
きくらげ(水で戻す)・・・6枚
まいたけ、えのきだけ・・・合わせて150g
しょうが(スプーンで皮をこそげる)・・・1かけ
にんにく・・・1かけ
ラー油・・・小さじ2~
<A>
水・・・3カップ
松の実・・・大さじ1
なつめ(あれば)・・・3個
花椒・・・小さじ1/2~1
鶏がらスープの素・・・大さじ1
豆鼓醤・・・小さじ2
◆作り方
①チンゲン菜は3センチの長さ、長ネギは1センチの厚さ、きくらげは半分、えのきだけは根を落として半分の長さ、豚肉は3等分の長さに関孫六 コンパクトカーブキッチン鋏で切る。まいたけはほぐす。
②鍋に<A>を入れる。しょうがは関孫六 極細薬味千切り器で千切りにし、にんにくは関孫六 コンパクトカーブキッチン鋏で3等分に切って鍋に直接入れて中火にかける。
③沸騰したら①を入れ、ラー油を回し入れて火が通るまで煮る。
Point
キッチン鋏や千切り器を使うことで簡単&時短に。鍋のうえで食材を切れば洗い物も少なくて済みますよ。しょうがは必要量より大きめの欠片を用意し、使う分だけ皮をこそげて千切り器にかけると使いやすいです。〆には中華麺がピッタリ!
冬ならではの味覚を自家製ポン酢で味わう「ひらひら野菜とぶりのしゃぶしゃぶ鍋」
脂ののったぶりの濃厚な味わいと、さっぱりポン酢が絶妙です。素材の味をダイレクトに味わえるので、ぶりは新鮮なものを選び、加熱しすぎないようにしましょう。ピーラーまたはスライサーで野菜を切れば、あっという間にしゃぶしゃぶに最適な厚さに!
◆材料:2人分
ぶり(刺身用)・・・150g
えび(刺身用)・・2~4尾
にんじん、セロリ、かぶ、紅芯大根、ズッキーニ、
エリンギ、カリフラワー、かぼちゃなどお好みの野菜・・・適量
昆布・・・10センチ
水・・・5カップ
酒・・・1/3カップ
大根・・・適量
<ポン酢>
だし汁(かつおと昆布)・・・1/4カップ
しょうゆ・・・1/4カップ
すだち絞り汁・・・1~2個分
◆作り方
①ポン酢の材料を合わせる。大根は関孫六 調理器セット(おろし器)ですりおろし、ザルに上げて軽く水けをきる。
②ぶりは包丁を寝かせて断面が広くなるように5mm厚さのそぎ切りにする。えびは洗い、殻を取って背ワタを抜く。
③にんじん、セロリ、ズッキーニ、かぼちゃは関孫六 ピーラー コンパクトでリボン状に薄くむく。紅芯大根、かぶ、エリンギ、カリフラワーは関孫六 調理器セット(Vスライサー)で薄切りにする。
④鍋に水、酒、昆布を入れて弱火にかける。沸騰してきたら昆布を取り出し、野菜適量を入れて中火にする。再沸騰してきたらグラグラ煮立たせない火加減にする。
➄野菜は火が通ったら各自取り分け、ぶりやえびは食べる都度1枚ずつ湯に2~3回さっとくぐらせて表面が白っぽくなったところで引き上げ、ポン酢と大根おろしでいただく。(※海鮮は加熱しすぎるとパサつくので注意)
Point
野菜やエリンギをピーラー、スライサーで薄切りにすることで火の通りが早く新しい食感に。えびの代わりにホタテや鯛、豆腐でも美味しいです。〆は残った汁に塩としょうゆで味をととのえ、溶き卵でとじて雑炊に!
管理栄養士 成澤文子先生
管理栄養士・料理家。石川県金沢市食育推進本部専門推進員。テレビ、雑誌、ウェブ等でレシピ考案や栄養相談、特定保健指導などの健康支援を行い活躍中。Instagram:@ayako_narisawa
新型コロナウイルスやインフルエンザなど感染症の予防は、手洗い、うがい、マスクなどが基本ですが、免疫機能を正常に機能させられるよう日々の食事バランスに気を付けることも予防策の一つになります。栄養素はそれぞれ助け合って働くため、様々な食品を摂取することが大切。これからの季節に美味しい鍋は、体が温まるうえ、一品で様々な栄養素が摂れるのも魅力ですね。