未婚男女のマーケティング研究機関『恋愛婚活ラボ』では、未婚男女270人(女性138人、男性132人)を対象に、「婚活の実態」に関して調査しました。
コロナ禍の「婚活ヅカレ」~男性は「振られヅカレ」、女性は「アプローチされヅカレ」
コロナ禍で「オンライン婚活」は定着。約4人に1人が利用経験あり
婚姻者のうち、「婚活サービスを利用したことがある人」は、2017年時点では「15.6%」でしたが、2019年には「30.4%」となり(婚活実態調査2020「リクルートブライダル総研調べ」より引用)、約4人に1人が利用した経験があるという結果がでています。特に「マッチングアプリなどのオンライン系婚活サービス」の利用経験率が一層高まっており、コロナ禍の今、直接相手と会わずにお相手探しが可能な婚活ツールとして、「オンライン婚活」は定番の婚活手段となっています。
オンライン婚活の経験がある未婚男女に「オンライン婚活での悩み」を調査したところ、男性の悩みは「理想の相手とマッチングしない(出会えない)」「オンラインで出会ったお相手とのメッセージが続かない」と回答した人がともに「43.7%」と最も多い結果になりました。一方で女性は、「メッセージを返信するのが面倒」と回答した人が「56.4%」と、最も多い結果となりました。
オンラインの「婚活ヅカレ」にはさまざまな要因がありますが、男女で傾向がはっきりとわかれました。男性に関しては「マッチングしない」「メッセージが途切れてしまう」「いいと思った人とは続かない」など、相手に「振られる」悩みが多くありました。女性に関しては「メッセージを続けるのが面倒」「会ってもピンとこない」「会っても楽しくない」など相手に対して「満足しない」悩みが多い傾向です。オンライン婚活においては、男性の方が登録者が多い傾向にあり、女性は男性と比べて多くのアプローチを受けるため、アプローチされすぎることへの疲れ(=アプローチされヅカレ)が起きてしまいのだと考えられます。
オンライン婚活は「メッセージ」が「婚活ヅカレ」の原因に。
男性はメッセージが続かない・女性はメッセージを受け取るのが苦痛
オンライン婚活の経験がある未婚男女を対象に、「婚活中における異性とのメッセージのやりとりの悩みについて」調査したところ、男女で大きな違いがあることが分かりました。「55.5%」の男性が「相手がメッセージの返事をしてくれなくなる」と回答しており、約2人に1人の男性が「メッセージが続かない」ことに悩んでいることが分かりました。
一方、女性の場合、「50.3%」の人が「メッセージは続くが、苦痛を感じる」と回答しており、「メッセージをやりとりすること自体」に悩みを抱えていることが分かりました。
「メッセージは続くが、苦痛を感じる」と回答した人にその理由を聴いたところ、男性は「メッセージ内容を考えるのが大変」との回答が最も多く、「52.6%」の人が選択。一方、女性の「49.3%」が「相手とのメッセージのやりとりが楽しくないから」と回答しました。
オンライン婚活市場は男性の数の方が多く、必然的に女性は多くの異性からメッセージをもらう状況になります。男性側は、ありきたりなメッセージを女性に送ると埋もれてしまう可能性が高いため、差別化したメッセージを送る必要があり、「メッセージ内容を考える」ことが「婚活ヅカレ」の要因となっています。一方、女性は、毎日複数の男性とメッセージのやり取りをする必要があるため、1つ1つのメッセージ内容まで楽しむ余裕がなくなってしまい「メッセージをすること自体」に疲れてしまう傾向にあるようです。
「婚活ヅカレ」はデートでも!
女性の3割が「オンラインで出会った相手とのデートが苦痛/イメージと違った」と回答
婚活男女に「婚活しているときの異性とのデート・お見合いに対する気持ち」を調査したところ、「デートが楽しくない(“相手によるが基本は楽しくない”の回答を含む)」と回答した女性は「31.9%」という結果がでました。これは、男性が「12.9%」だったのに対し約3倍の結果となり、女性のほうがお相手とのデートを楽しめていないということが分かりました。
「楽しくない」「相手によるが基本は楽しくない」と回答した人に、その理由を調査したところ、「お相手がイメージしていた人ではかった」が、3割以上と最も多い結果となりました。
女性はメイクやヘアセット等、男性に比べ1回のデートにおける準備時間が長く、要する労力も大きいです。『恋愛婚活ラボ』が2021年6月に調査した「対面・オンラインデートの比較調査における「女性のデートの準備時間」は「31~40分」と、非常に長いことが分かりました。時間をかけて準備したのにもかかわらず、実際にデートなどで会うとイメージしていた人と違っていたと感じる人が多いため「デートがうまくいかないこと」が婚活ヅカレの原因になるようです。
まとめ
マッチングアプリなど、「オンラインの出会い」「オンライン婚活」が当たり前になり、異性と出会う機会を誰でも手に入れることができる世の中になりました。今回の調査では、これまでは「出会いがない」が課題だった婚活は、「出会った相手とうまくいかない」という課題に変化してきていることがわかりました。
例えば男性は「マッチングしない」「メッセージが途切れてしまう」「いいと思った人と進展しない」という悩み。女性側からフラれてしまっているというものです。対して女性は、「メッセージが面倒」「会った相手が不快な人だった」など、相手に対して「フル」悩みを抱えています。
これらの原因について、1つはマッチングアプリ登録者の「男女比」の問題です。マッチングアプリは男女比でみると6:4ー7:3で男性の方が多く、アプローチを受ける数が多いのです。そのため、女性は男性からのアプローチを多く受け、その中から良い人を選び出すのに強いストレスがかかってしまうと考えられます。また、「婚活」と「恋愛」と「遊び」の市場は、結婚相談所ではない限り混在しているのが通常です。そのため、特に女性は「結婚目的なのかどうか」「本当に独身なのかどうか」などを見抜く必要がありますし、体格差があるため「暴力を振るわないかどうか」「ストーカーにならないか」などの心配もあります。男性に比べて心配事が多い女性は素直にデートを楽しむことに対してハードルが高いのです。
男性にも数値で気になる点があります。例えば生涯未婚率は男性は23%、女性は14%と開きがあります。この開きは、男性のほうが「再婚」をする人が多いためです。つまり、男性において、一度結婚をした人は、離婚後に再婚をする人・再婚のチャンスが巡って来る人が多い傾向にありますが、結婚しない人・なかなか結婚できない人は一度も結婚をしない・できていない状態にあることが分かります。男性は、「メッセージ」やデートのスキルアップを、女性は異性とのコミュニケーションを心から楽しめるマインドセットが必要と分析します。
【アンケート調査概要】
「婚活ヅカレ調査」
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年7月10日(土)~12日(月)
調査対象:未婚男女
有効回答数:N=270(男性132人、女性138人)
恋愛婚活ラボ 概要
イマドキの未婚男女に特化したマーケティング機関。恋愛や婚活に悩める未婚男女のリアルな本音を調査し、彼らが抱える課題を紐解き、幸せな恋愛・結婚をするための一助を担う。
所長:伊藤 早紀(株式会社Parasol)