「いちはらアート×ミックス」は「晴れたら市原、行こう。」をコンセプトに、2014年に第1回が始まり、以降トリエンナーレ形式で開催され、2020年3月に「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス 2020」として第3回目の開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため開催を延期し、この度「房総里山芸術祭いちはらアート×ミックス 2020+」として2021年11月19日(金)から12月26日(日)までの期間で開催いたします。
「いちはらアート×ミックス2020+」のテーマは、「房総の里山から世界を覗く」とし、2019年から2021年までの、「台風・豪雨、コロナ」などの困難な時期を乗り越え、いよいよ開催の運びとなりました。
小湊鉄道五井機関区から養老渓谷までを100年の歴史をもつ小湊鉄道に乗って縦断する、駅舎や廃校、空家に展開するアート作品を巡る冒険が始まります…!
先日、プレスツアーに参加させていただきましたので早速レポートしていきたいと思います♩
五井駅
小湊鐵道の始発駅であり、JRとの共同使用駅である五井駅。そのすぐ横に位置する「こみなと待合室」にて本芸術祭の開会式が行われました!
『2019年から2021年までの、「台風・豪雨、コロナ」などの困難な時期を乗り越え、いよいよ開催の運びとなりました。感無量です。日常の中にある非日常のアート、市原の里山や紅葉などの自然を楽しんでください。』(小出氏)
北川氏より本芸術祭への想いや参加作家様のご紹介がありました。
そして、「出発進行!エイエイオー!」の掛け声でアート作品を巡る冒険が始まります…!
今回、特別に「里山トロッコ号」と呼ばれる窓ガラスのないオープンエアな車両にも乗車させていただきました。
座席の感じもかわいいですよね♡とっても開放的な作り!
小湊鉄道に乗車し、いざ上総牛久駅までの旅(車窓からの見学)スタートです♩
車窓からのものは駅舎の様子と作品概要をご紹介します。
上総村上駅
駅のベンチに座る宇宙飛行士が。車窓からの見学でしたので駅舎内は見ることができなかったのですが、「Ticket to the Moon」の歌声。壁には「月への切符」の文字が描かれているのだそう。
海士有木駅
天井から黒い立方体が吊るされ、無数の穴から光が漏れ、満点の星空が現れるのだそう。
上総三又駅
イーロン・マスクの宇宙船の形をもとに作られたこちら。市原の光景を映すロケットで一緒に月へ…!
上総山田駅
満月を切ったばかりの白い切株に見立てた、芭蕉の俳句を視覚化した作品が展示されているのだそう。
ベンチで寝ている猫がかわいいですよね♡駅舎とのコラボにほっこりしました♡
光風台駅
天から落ちてきた流れ星が、駅の跨線橋で光を放ちます。星に願いを…⭐︎
馬立駅
北極・台湾・ニュージーランドなど、世界中を「僕の月」を連れて旅した旅人が、道中の様子を写真に。
駅舎内には「僕の月」が待合室を照らしているのだそう。
上総牛久駅
そして、小湊鉄道に乗っての旅…ラストの上総牛久駅に到着!
里山の入口にふさわしい駅前広場内にある、木々と共生する複数のトイレの集合体。
人と自然と建築が溶け合うように小さな複数の建物が木々の間に点在。それぞれ個性的なカラーなので、是非チェックしてみてくださいね!
車窓からののどかな風景に癒されながら移動してきました!ここからはバスに乗り換えてアートの旅の続きへ出発です〜♩
旧平三小学校
小湊鉄道 上総牛久駅から貸切バスで来たのは、養老川の支流・平蔵川の周辺地域である平三。2016年に閉校した旧平三小学校へ!
140年の歴史に幕を閉じた平三小学校は、「子どもたちの希望の学校」となり、11人の作家さんの作品が展示されています。
●市原100人教頭学校 キョンキョン
「誰もが先生、誰もが生徒」を合言葉に、ありとあらゆる講座が実施されている、開発好明氏によるプロジェクト。
市原独自の歴史や自然、食、音楽、体育、アートなど幅広いラインナップを誇ります。
この日は「アップリケ教頭」の教室を見せていただきましたよ!
色々なジャンルの先生から教えていただけるチャンスがここに♡楽しそうですよね!
●ビルズクラウド
よーく見てください!ミニチュアハウスなんです!やさしい町のあかりに目がとまり、このエリア一帯のあたたかさの象徴であると考え、建物の写真を撮影し、ミニチュアハウスを制作。その中にあかりを灯すという栗真由美氏の作品です。
●願いの井戸
無重力で軽く、透明な作品群。伝統的な彫刻が持つ重力や質量、立体的な空間、スケールとは真逆の要素を備える。
特殊な樹脂シートを熱加工し、空気や光、空間を内包するミカーラ・ダウアー氏の作品。
●ドリームキャッチャー
どれだけ取り巻く環境が変化しても、人はいつも希望を胸にまだ見ぬ時間を追いかけていくもの…。
ドリームハンターとなって、未来を目指し、夢を捕まえにいくという体験ができるキム・テボン氏のインスタレーション作品。
●時間鉄道
教室内に設置されたゆるやかな傾斜のレール。実はこれ、会期中約2ヶ月をかけて、車輪が非常にゆっくりと降下していくのだそう‥!
ゆったりとした時間の進み方を大胆かつ単刀直入に示した秋廣誠氏の作品。少しずつ移動している車輪をチェックするのも絶対楽しいでよね♩
●ご近所さんの食事
音や匂いを用いて五感に語りかける曽我英子氏の映像インスタレーション。
ご近所さんがどのような文化で育ち、暮らしているかに思いを馳せる。
●Jacob's Laddeq(Dream For Ascension)/ヤコブの梯子(終わらない夢)
校舎の階段と屋上へと至る梯子を使った「上昇」がキーワードの冨安由真氏の作品。
天国という概念を通して、死という答えの出ない問いかけを考える。
●知るは海
暴力や抗争の危険のため、年の1/3は学校に通うことのできないリオデジャネイロのマレ地区に住む子どもたちによる絵や音を素材にしたマリア・ネポムセノ氏のインスタレーション。
複数の触手、口、卵のある「生命体」が未来への希望を体現。
●混色
鑑賞者が好きな色の紙を選び、
紙をクシャクシャと丸め、広げ、小さくちぎります。
パイプに入れて、飛ばすと…
天井を伝わり、紙片が吹き出してきます。他のカラーと重なりながら降り積もる。
人や自然が他者と混ざり合いながら土地に染み込んでいくことをほのめかす、長谷川仁氏によるインスタレーション。
●Bugs dress/Pollinator
虫取り網を解体し、ネットの部分を生地としてドレスを制作。
こちらは虫かご。虫が好む香りや餌を仕掛けることで、採集した蝶やテントウムシなどがドレスに映し出される仕組み。
昆虫柄のドレスの完成。大野修平氏の作品。
●サンクチュアリ
作者が育った場所の伝統であるガイフォークスの人形と、家族にまつわるペインティングを組み合わせたラヴァル・モンロー氏によるインタレーション作品。
ご自身の子供時代と、現在のアメリカに対するオマージュが込められている。
●The TOWER(Descension To The Emerald City)/塔(エメラルド・シティに落ちる)
タロットカードの「The Tower」をイメージした「下降」がテーマの作品。
配膳室のエレベーターを用い、自身が幼少期に見た落下する夢を、「オズの魔法使い」に登場するエメラルド・シティになぞらえ鑑賞者に追体験させる冨安由真氏の作品。
緑豊かな場所に位置する旧平三小学校。様々な国籍の作家の作品を鑑賞できる国際社会豊かな会場で、とても見応えがあり楽しかったです!
実はもうこれ以上写真が載せられないんです…!写真に残したい、魅力的な場所がたくさんの今回のツアー。ツアーの続きは後半に続きます!