昨今、社会問題となっているフードロス。日本はもちろん、世界的な問題になっており、政府や企業でもさまざまな対策が行われています。この記事では、フードロスとはどのようなものなのか概要を解説し、日本と世界ぞれぞれの取り組み事例を紹介します。併せて個人でフードロス対策ができるアプリもチェックしていきます。

フードロスとは?その意味と原因

昨今、飲食業界や食品業界でも話題になっているフードロス。ここではフードロスとはどのようなものなのか、その意味や原因について紹介します。

フードロスの意味

フードロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことを言います。

フードロスは大きく二つに分けることができ、一つは事業活動を伴って発生する「事業系フードロス」、もう一つは各家庭から発生する「家庭系フードロス」です。
「事業系フードロス」はさらに、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業の4業種に分けられます。

フードロスの原因

フードロスの主な原因として、食品の過剰除去、直接廃棄、食べ残しの3つが挙げられます。

家庭系フードロスの場合は、「野菜の皮を厚くむき過ぎる」など食べられる部分まで捨ててしまうこと、「消費期限や賞味期限が切れた」などで食品を捨てること、「料理を作りすぎた」「食材を多く買いすぎた」などで食材を食べきれずに捨てることがフードロスにつながっていることになります。

事業系フードロスの場合は、「サンドウィッチを作る際にパンの耳を切り落として廃棄する」など製造工程の都合で食べられる部分まで廃棄すること、「返品された」「納品期限が切れてしまった」「輸送中にパッケージの一部が破損してしまった」「客が料理を残した」「仕込みの量を間違えた」などの理由で食品を廃棄することがフードロスの原因です。

日本や世界のフードロス問題とは。現状や対策

フードロスとは日本のみならず世界でも起こっている問題です。ここでは日本と世界それぞれのフードロスの現状や対策を解説します。

日本のフードロスの現状

日本では年間2,531万トンの食品廃棄物等が出されており、フードロスにあたるのはそのうちの600万トンと言われています。量が大きすぎてイメージしにくいですが、国民一人当たりに換算すると約130グラム。年間では約47キログラムもの食品が捨てられているということになります。

これは日本人1人あたりが毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てるのと同じ量です。

日本のフードロスの対策【国の取り組み】

日本は国のフードロス対策として2012年より食品廃棄物の発生抑制の重要性が高い業種について、食品リサイクル法に基づく「発生抑制の目標値」を設定しました。
さらに2019年には「食品ロス削減推進法」を施行。食品ロスの削減に関して国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定、その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定めています。

日本のフードロスの対策【民間企業の取り組み】

フードロス対策に取り組んでいる企業もあるので、事例を紹介します。

セブンイレブン・ジャパンやイトーヨーカドーなどのセブン&アイグループ各社は、消費期限の近い対象商品を電子マネーnanacoで購入した際に、ボーナスポイントを付与するという取り組みを行なっています。

キユーピーではユーザーに対するフードロスへの注意喚起や抑止効果を狙った取り組みとして、一部製品の賞味期限表示を「年月日」から「年月」への変更、一部製品の賞味期間延長を実施し、返品の抑制につなげています。

世界のフードロスの現状

世界に目を向けると、ヨーロッパと北アメリカでは1人当たり年間280~300キログラム、サハラ以南アフリカと南・東南アジアでは年間120~170キログラムのフードロスが出ています。

国連食糧農業機関(FAO)によれば、発展途上国では収穫技術や加工技術の不備などで生産・加工の段階でフードロスが出やすく、先進国では生鮮食品への高い外観品基準や販売店での大量陳列などで加工・卸小売・外食・家庭の段階でフードロスが出やすいそうです。

世界のフードロスの対策

フランスでは2016年にスーパーマーケットでの食品廃棄を禁止し、売れ残りの食品は寄付や飼料などに転用することを義務付ける法律が施行されました。

オーストラリアのシドニーのスーパーマーケット「OzHarvest Market」では、品質には問題ないが規格外品で廃棄予定の食料を集めて販売し、買い手が値段を決められるようにすることで対策に取り組んでいるそうです。

今日からできる!フードロスの対策

フードロス対策には、家庭や個人でもできる取り組みがいくつか考えられます。ここでは今日から実践できる身近なフードロス対策を4つ紹介します。

個人でできるフードロス対策やおすすめのフードロスアプリは、以下のKÓMERUからチェック!