次いで『佐々木と宮野』『ギヴン』と映像化作品が人気。ハイブリッド型総合書店「honto」 BL読者調査。アニメ・実写を含む映像化作品やメディアでの特集増加を背景にBLコミック購読者数10年続伸中!

ハイブリッド型総合書店「honto」では、「BL(ボーイズラブ)ジャンル」商品を購入したhonto会員1,190名を対象に『BL(ボーイズラブ)に関する意識調査』を実施しました。「honto」での2012年から10年間のBL書籍販売動向と合わせて発表します

ハイブリッド型総合書店honto BL購買動向

hontoではサービス開始からの10年間、BLジャンルの販売が右肩あがりに伸びています。直近で見ると、コロナ禍に見舞われ巣ごもり需要のあった2020年は前年比127%、さらに2021年は同108%の伸長率です。購買者数では、2020年は同124%、2021年には同110%となり、コミックを中心に新たな読者が生まれていることが見てとれます。巣ごもり需要では既存読者の消費量があがっただけでなく、新規の読者層にも裾野が広がったようです。

調査結果

BLを読み始めて10年以上の読者が53.7%と最多
全体の約60%が「毎週単行本を1冊以上」読んでいると判明

「BL作品を読み始めてどれくらい経ちますか?」と尋ねたところ、「BLを読み始めて10年以上」という回答が、53.7%と過半数を占めました。次に多かったのが「読み始めて3年以内」の22.6%です。

また、「BLを読む頻度」については「毎週単行本1冊以上」読むという回答が最も多く、直近3年以内にBLを読み始めた人で38.4%、4年以上で40.5%でした。3年以内の人は次いで「毎日単行本1冊以上」が26.1%、4年以上の人は「毎月単行本1冊以上」が26.1%。全体でみると、BL歴にかかわらず「毎週単行本1冊以上」読んでいる人が60%を超えています。また「月に1冊以上読む」は全体のおよそ90%と、BL作品は定期的に読みたくなる中毒性の高いエンタメだといえそうです。

45.2%がこの3年でBLと触れる機会が増えたと回答
「アニメ・実写を含む映像作品が地上波や動画配信サービスなどで視聴できる作品が増えた」ことが要因

この3年ほどでBL読者の裾野が広がってきた背景を探るべく、「この3年程度でBL読者が感じている変化」を調査しました。「ここ3年(2019~2022)程度で、あなたがBL作品全般(コミック、小説、音声、映像含む)に触れる機会は変化しましたか?」と聞いたところ、4年以上BLを読んでいる人のなかで「増えた」と回答したのは45.2%、「特に変わらない」が43.4%と続き、「減った」と回答したのは11.4%に留まりました。
※「BL歴3年以内」の人はそれ以前は読んでいないため、3年間の変化については85.1%が「増えた」という回答でした。

また、同時期に感じた変化を尋ねたところ、76.3%にのぼる人が「アニメ・実写を含む映像作品が地上波や動画配信サービスなどで視聴できる作品が増えた」と回答しています。次いで「テレビや雑誌、新聞などで取り上げられる機会が増えた」が54.8%と高く、「BLは腐女子だけのものではなくなってきた」が51.8%と過半数となりました。日常的にBLを目にする機会が増え、読者の裾野が広がったと考えることができそうです。

一方で「周囲にBLの話ができるようになってきた」は12.9%と、まだBLファンを公言することをためらう人も多いようです。その結果、「BL愛好者が増えている」と回答した人は23.7%に留まり、ファンが増えているという実感はあまり湧いていないことが分かりました。
※この質問は複数回答のため、内訳合計は100%になりません。

これら「BLの裾野の広がりをどう思うか」を尋ねたところ、「好ましい」「やや好ましい」との回答が54%、「好ましくない」「あまり好ましくない」は13%となりました。

■「好ましい」「やや好ましい」派の意見
・「書店で買いやすくなった いろんな作品に触れる機会が増える」
・「私は地方でもイベントをして欲しいのでBL人口が増えてくれるのは大賛成です!」
・「人気が出れば、作品の幅が広がるし、より面白い作品が出来る事を期待してます。」
・「出版業界が活気づき、作家さんが十分な報酬を得られ更に作品が産み出されていくのなら好ましい。」
など。
■「好ましくない」「あまり好ましくない」派の意見
・「あまり原作に忠実ではない実写やアニメ化作品が増えるのは複雑です」
・「家族でいる時に映像が流れたり話題に出るといたたまれないのでそっとしておいてほしい。」
・「なんでもBL要素を取り入れれば当たる、的な安易な考えでBL作品を作って欲しくない。」
・「腐女子が長年かけて育ててきたBLというジャンルを、雑に消費して荒らされそうだから」
など。

BL市場が活性化することで著者への還元、作品の質や量の充実に期待する声がある一方、やはり個人でひっそりと楽しみたいという声も多く、作品の世界観を大切にしてきたからこその複雑な思いが垣間見られました。

その他の意見としては、「BLはあくまで創作でありLGBTQのリアルではないので、一般化することで当事者理解への妨げになりそう。」など社会的影響や、過激な性描写を含む作品もあるため「BLは本に年齢制限が無いので本屋やWEBなどで若い子が安易に触れられてしまう状況は良くないと思う。またBLを苦手な人も居るというのが忘れられていると思う。」など、規制に言及する声もありました。

hontoBL読者が選ぶ「はじめてのBLこの一冊」
TOP3は『同級生』『佐々木と宮野』『ギヴン』と地上波でも放送された映像化作品

1位『同級生』中村明日美子/茜新社
https://honto.jp/ebook/pd_10278092.html
2位『佐々木と宮野』春園ショウ/KADOKAWA
https://honto.jp/ebook/pd_28098895.html
3位『ギヴン』キヅナツキ/新書館
https://honto.jp/ebook/pd_27220633.html

「これからはじめてBLを読む人におすすめの1冊を教えてください。」というアンケートで第1位に選ばれたのは、『同級生』でした。思春期に揺れる少年たちのスローテンポな恋と、じれったくもあまずっぱいドキドキした気持ちを丁寧に描いたピュア・ラブストーリーで、続編に『卒業生』、スピンオフ作品に『空と原』、『O.B.』、『blanc』があり、シリーズまとめておすすめされている方も多かったです。本作は2016年にアニメ映画が公開され2021年には地上波放送もされています。
第2位は『佐々木と宮野』。女顔がコンプレックスな宮野と、少し不良の先輩佐々木を中心とした男子高校生の日常を描いた作品で、今年1月にはアニメも放送され人気を博しました。
第3位は『ギヴン』。バンドのメンバーを中心としたオルタナティブ・ラブストーリー。BLコミックとして初めて2019年にフジテレビの深夜アニメ放送枠「ノイタミナ」でアニメ化、その後アニメ映画化もされました。2021年には配信ドラマ化、舞台化されるなど多方面でメディア化されている作品です。

【調査概要】
調査タイトル:BL(ボーイズラブ)に関するアンケート調査
調査期間:2022年2月15日~2月18日
調査方法:honto会員向けメールアンケート
調査対象:ハイブリッド型総合書店「honto」<ネット書店(本の通販ストア、電子書籍ストア)と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店>にて、2021年1月~12月に「BLジャンル」商品を合計3,000円以上(税抜)購入したhonto会員1,190名

すわんぷについて

hontoでは、「BL好きを増やしたい!BLファンの方にもっと楽しんでもらいたい!」という想いのもと、BL専門フロア「すわんぷ」を立ち上げ、このたび2周年を迎えました。電子・通販新刊カレンダー、honto限定の特典付き作品やプレゼント企画、作家さんインタビュー、コラムなど、特別アイテムとエンタメ情報をお届けしています。現在は2周年限定セールやプレゼントなど特別企画を続々展開中ですよ。