もうすぐ蒸し暑い季節がやってきますね。誰でも一度は、汗で嫌な思いをしたことはあるのではないでしょうか。そして「自分はもしかしたら、人よりも汗をかきやすいかもしれない」と感じる方。実は「多汗症」かもしれません。多汗症は今では、きちんと治療のできる病気で、実際に病院で診てもらっている方もいます。
恥ずかしいという感情から、なかなか診断してもらいに行けない人たちのために、疾患啓発をしている医師の方や、患者さんからお話を伺ったのでご紹介します。
汗のせいで人生が変わる?経済的損失は1ヶ月3120億円!
脇汗が気になって好きな服が着れない、人と話す時ににおいが気になるなど、汗の悩みは様々。デオドラントの薬品を使って、気遣っている人が多いと思いますが、それでも日本では汗で悩む人が多いそうです。
一言で「多汗症」と言っても、どの程度なら多汗症なのか分からないですよね。
池袋西口ふくろう皮膚科クリニックの藤本智子先生の解説によると、多汗症は汗の量で決まるのではなく、汗でどれくらい悩んでいるかによるんです!
例えば、夏でも脇が気になりカーディガンなどを羽織って過ごしている人や、中には職探しの際に汗で希望の職を諦めてしまった人までいるそうですよ。そこまで支障をきたしていたら「多汗症」です。汗によって個人のパフォーマンスが落ち、自分の力を存分に発揮できなかったことによる経済的損失は、なんと1ヶ月で3120億円にもなると言われています。
デリケートな悩みで、なかなか人に相談しづらい汗の問題。そこを打破するべく、NPO法人が設立されました。
「たかが汗」を変えていく!これからは1人で悩まない汗の悩み
今では多汗症の治療も色々あり、その人に合った治療法を受けることができます。
脇汗が気になるからと言ってお医者さんに診せる必要はなく、先ほどの説明でもあった通り、汗でどの程度支障をきたしているかを診てもらえます。簡単な問診をするような診察なので、気軽に病院に行けますね。
そして、自身も多汗症で悩んでいた黒澤希代表理事が設立した、「NPO法人多汗症サポートグループ」の働きにより、悩みを打ち明けられる場が増えてきたそうで、夏頃からは電話の相談窓口も開設します!
患者代表の高部大問さんは「今では汗と付き合っていこう」と思うまで気が軽くなったそう。
NPO法人のキャッチコピーは「”たかが汗”を変えていく」。
1人で悩む方が、より多汗症を重症化させてしまう可能性があります。気になっている方は是非、多汗症サポートグループに相談してみてはいかがでしょうか。