6月29日、厚生労働省より難病指定を受けている希少疾患「重症筋無力症(myasthenia gravis:以下MG)」の認知向上を目的としたオンラインイベント【「知る」ことから広がる 優しくなれる授業】がアルジェニクスジャパンにより開催されました。
重症筋無力症(MG)とは
この記事をご覧の皆さんは、重症筋無力症(MG)をご存知でしょうか?
MGとは、神経と筋肉をつなぐ部分に障害がおこることで生じる疾患です。主な症状としては、力が入りにくい、疲れやすいなどがあるんだとか。ただし、症状があらわれる身体の部位や症状の程度には個人差があるそうです。さらに、外見では目立った症状があらわれないこともあるため、「怠けている」「さぼっている」などとまわりの人から誤解されることもある疾患なのです。
そこで、米国重症筋無力症財団(Myasthenia Gravis Foundation of America:MGFA)により、毎年6月が重症筋無力症啓発月間(MG Awareness Month)として制定されました。この期間には、MGと共に暮らしている人々が直面している課題を広く社会に理解してもらうことを目的に、世界の様々な場所で啓発活動が行われています。
今回のイベントは、MGの基礎知識や症状、患者さんの悩みや、それに対するアドバイス、私たち社会ができることなど、MGにまつわる情報を広く伝えるべく開催されました。
生徒役のスペシャルゲストには眞鍋かをりさん、JOYさんが参加。お二人からの質問も飛び交いました。
専門医によるMGの解説
イベントは専門医が講師役として登壇し、疾患について授業スタイルでわかり易く解説する形式で行われました。1時限目は「疾患を知る」です。
講師は国際医療福祉大学医学部 脳神経内科学 主任教授の村井弘之先生です。スライドを用いて、MGがどのような症状なのか、症状の程度がどのように変化するのかなどが解説されました。
講義後、生徒役スペシャルゲストの眞鍋かをりさんから「まず何科に罹ればいいのか知りたい」とご質問がありました。村井先生からは、眼科などもよいが、できれば脳神経外科や脳神経内科への受診がおすすめとのことでした。
2時限目は「症状を知る」をテーマに、MGの特徴的な症状や患者さんのお悩みなどが紹介されました。担当は公益財団法人総合花巻病院 脳神経内科 主任医長の長根百合子先生です。
長根先生からは、1時限目で紹介のあった症状により影響のある事象についてご紹介がありました。特に仕事や家事に影響がでることもあり、一見深刻にみえない症状でもMG患者は大変な思いをしていることへの理解を促されました。
3時限目は「MGを考える」と題して、公益財団法人総合花巻病院 脳神経内科 部長の槍澤公明先生より解説がありました。この回には、MG患者であるイラストレータのわたなべすがこさんも参加されました。
医師にとっても把握が難しいMG。しかし、治療分野の研究は年々進んでいることも確かなんだとか。
今後は自身の症状や体調と客観的に向き合い、医師とともに戦う患者さんを受け入れ、見守っていくことが大切ですね。
最後に生徒役のスペシャルゲストJOYさんから、「本当に勉強になりましたし、ただ、勉強になった、これを知った、それで終わりじゃ意味がないと思う」と話したあと、「今日の学んだことをしっかり自分の日々に還元していかなければいけない」と語りました。
イベントは、MG患者のAmiさんがつくった曲「愛おしい今を」でお別れの挨拶となりました。
この記事を読んだあなたはいかがでしたか?
MGについて知ることが優しさに繋がる、と開催された今回のイベント。ぜひ頭の片隅に入れておいていただけたら嬉しいです。