“かわいくて大容量”といえば「ダイハツ ムーヴ キャンバス」
2022年7月5日に発表・発売された2代目「ダイハツ ムーヴ キャンバス」は、初代のかわいらしいデザインをはじめとしたコンセプトをキープして登場しました。
2代目は「ストライプス」と「セオリー」の2種類のテイストを用意。ストライプスはすっきりと洗練させたイメージ、セオリーは上質で落ち着いた世界観を演出しています。
ムーヴ キャンバスは、スーパーハイトワゴンより車高が低いトールワゴンですが、後席スライドドアを設定。後席スライドドアのトールワゴンは、ムーヴ キャンバスと後発のライバル、スズキ ワゴンR スマイルの2モデルしかありません。かわいらしさを求めるならムーヴ キャンバス。
かわいらしさ優先のクルマと思ってはいけません。クルマの要となる基本構造、プラットフォームは最新の「DNGA」。先代と比べて約50kgの軽量化(車重が軽い軽自動車には大きい!)を達成し、燃費を向上させています。また、先代には設定されていなかったターボ車も2代目には設定されました。郊外の大型モールで爆買いしても安心して走ることができます。
安全性能もしっかり装備。最新の予防安全機能「スマートアシスト(通称スマアシ)」が採用されています。
ライバルの「スズキ ワゴンR スマイル」
ワゴンR スマイルは、2021年9月10日にデビュー。それまで軽トールワゴンで後席スライドドアを有したのは、ダイハツ ムーヴ キャンバスだけでした。ワゴンR スマイルは打倒ムーヴ キャンバスで登場したかのように思えますが、スズキの開発担当者は、「後席スライドドアの軽自動車が欲しいが、スーパーハイトワゴンでは車高が高くて横風が吹いたときの走行が不安」といった声が多く、それに対応したとのことでした。また、スマイルはダイハツ ムーヴ キャンバスをライバル視して開発したわけではなく、ユーザーのニーズが高い車高が低いトールワゴンでスライドドアを設定した新モデルを開発したといいます。
デザインはかわいらしさを重視した感はありませんが、楕円形のヘッドライトに親しみを感じます。ワゴンR スマイルのデザインは、見る人によって受け取り方が変わっているようで、かわいいという声もありますし、上質さを感じるという声もあります。
ちょっとワイルドでかわいい軽SUV「スズキ ハスラー」
丸目のヘッドライトが愛らしい軽SUV「ハスラー」は、甘すぎないユニセックスデザインで性別問わず多くの方から人気を集め軽乗用車販売台数では5位(2022年9月)につけています。
ハスラーのキャッチコピーは「あたらしい遊べる軽」。そういうだけあって、荷物をたくさん積めるクルマになっています。後席はワンタッチでシートがたためて広々とした荷室空間が生み出されるだけでなく、汚れものもそのまま積める素材となっています。
使い勝手においてもちょっとワイルドなハスラーは、郊外の大型モールで爆買いしても楽勝です。
スーツケースがモチーフ「スズキ スペーシア」
デザインのモチーフがスーツケースの「スペーシア」。カラードのピラーがスーツケースの取っ手に見えたり、助手席のダッシュボードはまさにそのものの意匠が施されたり、遊びココロ満載のスーパーハイトワゴンです。
スーパーハイトワゴンは、もはや普通車を凌ぐ室内空間の広さを誇ること
は言うまでもありません。ただ、郊外の大型モールで爆買いしても安心なのは、室内空間だけではありません。走りもしっかり。スーパーハイトワゴンでは唯一となるマイルドハイブリッドをパワートレインに採用。モーターのアシストで低燃費とパワフルな走りを両立させています。
かわいいクルマはスズキに多い
今回は、荷室が広い「大容量」で「かわいい」国産車という狭い範囲での車種選定となりました。改めて各メーカーのラインナップをチェックしましたが、かわいいクルマはスズキばかり。荷室は狭いですが、アルト ラパンはかわいいクルマの筆頭ですね。ジムニーもワイルドな4WD車ながら、丸目ヘッドライトが愛らしい。ダイハツのかわいいクルマには、ミラ トコットがありましたが、アルト ラパンの対抗馬で荷室が狭いので今回は落選。スズキのデザイン力の高さを再認識した執筆でもありました。
※この記事は2022年10月時点の情報で制作しています
著:モーター・エヴァンジェリスト 宇野智