珊瑚礁が隆起してできた周囲約9.2km、人口約350名が住む「竹富島」。赤瓦の民家、珊瑚の石垣、白砂の道など沖縄の伝統的な町並みが残り、年間50万人もの観光客が訪れる人気の離島で開催されたプレスツアーに参加させていただきました!

ツアー2日目

●朝の散策へ

竹富島は早朝、自宅前の白砂を掃くという習慣があるのだそう。「そんな島の象徴的な風景を一目見たい」とツアー参加者で朝6:30に集合し散策に出かけました♩

昨日は自転車で通った道も徒歩だと目線が異なり、また違う風景が広がっていたんです…!普段早朝に散歩をする習慣がないので、朝の空気の気持ち良さったら!!深呼吸が気持ちいい◎
そして町民の皆様が掃き掃除をしている姿は…

残念ながらタイミングが合わず…しかし竹ぼうきだけはそこにあり、道の白砂には確かに掃き目を確認することができました。竹富島に宿泊することで出会えるかもしれないこの朝の習慣。昨晩の星空観察に続き、朝の風景も次回宿泊した際のお楽しみができましたよ◎

ゆっくりぐるりと集落を1時間強散策し、ホテルに戻っていただくモーニングは絶品でした!!

朝の遊庭(あしびなぁ~)で朝の光を浴びながらコーヒーを。ホテルを後にし、2日目の取材がスタート!

●『一般財団法人 竹富島地域自然資産財団』へ

100年後の竹富島が今のままであるために「環境保全」を柱とした活動を行っている財団で、前の記事でご紹介した入島料を自然環境保全活動費などに充てたり、自然活動環境トラスト活動(土地の買い戻し)に活用した島の自然環境の再生に取り組んでいらっしゃいます。

入島料で行う保全活動の1つとして海洋清掃があります。今回、清掃で集められた海洋漂着ごみ(ペットボトルキャップ)から生まれる海亀キーホルダー作りを体験させていただきました。

海藻や砂などの汚れを除去し粉砕したペットボトルキャップを成型機に流し込み、

型から外して、

胴体部分と手足をボンドで貼りながら組み合わせていきます、ペットボトルキャップの色によりこんなカラフルな子達ができました!かわいいですよね♡

私の海亀がこちら♩グラデーションがお気に入りです♡

財団のスタッフさんが製作された海亀キーホルダーは、友利レンタサイクルさんに設置されたガチャで入手することができます。

ガチャの売り上げは島の環境保全に利用されるのだそう。みんなの気持ちが大きな力になります。

●『旧与那国家』へ

大正2年に建築され、「フーヤ(母屋)」を中心に戦前までに整えられた竹富島の住居形態と生活様式を示す代表的民家である『旧与那国家』。

竹富町竹富島伝統的建造物群保存地区の核となる住宅で、竹富島における近代の貫屋の建築様式を理解する上で、高い価値があるとして国内最西端の重要文化財建造物に指定されています。

最も格の高い部屋で、家長の部屋でもあり来客者を招く応接間の役割を果たす「一番座」。ザートゥクと呼ばれる床の間があります。

仏壇が安置され、親戚などの客間として使用する「二番座」。

家主がお茶を淹れる小さな竃が置かれた「カマーノハタ」。一般的な屋敷には火を扱う炊事場は別棟となりますが、旧与那国家住宅には要人が多数訪れるためすぐにお茶を提供できるようにと「カマーノハタ」が置かれていたと考えられています。

食料を保管する貯蔵庫「クゥール」。

沖縄地方の伝統的な間取りである母屋である「フーヤ」と、台所棟である「トーラ」を並べた分棟型の住宅。正面には石積みの「マイヤシ」が立ち、宅地周辺に「グック」と呼ばれる石垣を巡らせています。

移動中に出会うことができた水牛車!!そうそう、竹富島といえばこのシーンを連想する方も多いのでは?水牛は自ら道を覚え、自らの意思で歩みを進めるのだそうです。賢いですよね!

●『星のや竹富島』へ

竹富島の伝統建築を踏襲した木造平屋造り48棟が並ぶ『星のや竹富島』。客室の庭には真っ白な珊瑚の砂が敷き詰められ、

琉球赤瓦の屋根の上からは1棟1棟異なった表情のシーサーが見守っています。

『星のや竹富島』は、先ほどご紹介させていただきました『一般財団法人 竹富島地域自然資産財団』と竹富島の自然環境保全と持続的な島文化保全のため、2021年3月にパートナーシップ協定を締結されました。島の海洋漂着ごみの解決に向けたアクティビティ(ビーチクリーンや海亀キーホルダーのリサイクル体験など)をはじめ、

島の伝統的な畑文化や農作物を継承する「畑プロジェクト」を実施しています。自給自足の生活を営んできた竹富島では農業は島の文化や歴史の根本です。しかし畑文化が失われつつある今、『星のや竹富島』では供物として重宝される粟の栽培に力を入れており、今後も伝統作物を継承するために島全体で粟づくり復興を目標とされているのだそう。

また、「海水淡水化熱源給湯ヒートポンプユニット*」で汲み上げた海水の淡水化による飲料水の自給を行っています。竹富島の生活用水をまかなう水質源は限りがある状況で、1日に使用できる水量も限られていることから必要になる飲料水用の水量を海水淡水化装置によって自給しています。
(*「ゼネラルヒートポンプ工業株式会社」と「株式会社エナジア®︎」が施設への導入に合わせて開発した製品。)

客室でのペットボトル入りミネラルウォーターの提供を廃止し、客室にはウォータージャグを、パブリックスペースにはウォーターサーバーを設置し、ペットボトルの利用とプラスチックごみの削減の促進という環境保全に寄与するだけでなく、豊かな自然が育んだ良質な「水」を提供しています。

「ウツグミの島に楽土」をコンセプトに、島の歴史や伝統を現代に紡ぐ。圧倒的非日常の中で暮らすように滞在するを実現してくれる場所です。

●「またねっ!」と、言いたいから。

竹富島 新コピー・ビジュアル「またねっ!と言いたいから。」を発表〈竹富町役場〉

現在、竹富町では来訪者の増加に伴いゴミの増加をはじめ、そのゴミを町内や海に捨てるなどマナーを問われる行動が散見され問題となっているのだそうです。竹富島内に設置されているゴミ箱はなくゴミの持ち帰りは必須、マイボトルの持参を推進されています。レンタサイクルのカゴから滑り落ちた小さな荷物やゴミ(特に最近はマスクゴミが多いのだそう)の放置、駐輪指定場所以外へのレンタサイクルの無断駐輪、集落内民家への無断立ち入りなど町民の皆様の生活にも影響が生じているのだそう。

昔から《福を持ってきてくれた》と島外からの来訪者を歓迎する風土があると言われている竹富島の思いを、私たち観光客も守るべきルールやマナーに共感すべく地域に寄り添った行動を取ることで、お互いが「またねっ!」と何度も行きたくなる、訪れてもらえる、そんな『島と人をつなぐ』未来がそこにあることを痛感しました。

●帰路へ

竹富島の見どころがぎゅっと詰まった今回のツアーもこれにて終了。昨日到着後より使用させていただいていたレンタサイクルを返却すべく嶺本レンタサイクルさんへ。自転車を漕ぎながら「まだ帰りたくないな〜」と。まだまだその空気感や町の人々との会話を楽しみたかった…この気持ちを次また竹富島を訪れる時までずっと持ち続けていようと心に誓ったのでした。

竹富港ターミナルから石垣港フェリーターミナルへ。石垣空港から羽田に向けてフライト。

周囲9.2kmの小さな島の自然や伝統に触れることができた2日間。竹富島の皆さんの温かさにも感謝でいっぱいです、本当にありがとうございました。また必ずお伺いします!!

訪れる人の行動一つが、竹富島の自然や文化に繋がっていくはず。観光ルールやマナーを守ることで、これからもずっと「島と人をつなぐ」ことになります。

美しい竹富島がずっとずっと続きますように。そう願ってやみません。