クリニックフォアグループでは、クリニックフォアのユーザーの女性920人を対象に「アフターピル(緊急避妊薬)に関する実態調査」を実施しました。
現在、政府は医師の処方箋がなくてもアフターピル(緊急避妊薬)を薬局で買えるようにするOTC化(市販薬化)の検討を進められています。アフターピルは、避妊に失敗した、または失敗した可能性がある際に、緊急的に服用する避妊薬です。できるだけ早く服用することで避妊の成功率が高くなるとされています。日本でアフターピルを服用するには、医師の診察と処方が必要で、現在は産婦人科などの対面診療、またはオンライン診療での処方が可能です。OTC化が議論されている中、クリニックフォアは、アフターピルにまつわる実態を明らかにすることを目的に、アフターピル服用の要因となる避妊の状況や、アフターピル処方への抵抗や不安、OTC化への賛成可否を調査しました。
【調査概要】アフターピル(緊急避妊薬)に関する実態調査
調査対象 :クリニックフォアのユーザーの女性920名
調査期間 :2023年2月14月~2023年2月21日
※調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
7割以上の女性が、避妊に失敗・失敗する可能性がある場面を経験していたことが判明
クリニックフォアユーザーの女性920人に、避妊失敗の経験について質問しました。「コンドームが破れた・外れたなども含め、避妊に失敗したことある」と回答した人は31%、さらに「腟外射精などを含め、避妊に失敗する可能性がある場面を経験したことがある」と回答した人は42%となりました。この結果から、7割以上の女性が、避妊に失敗・失敗する可能性がある場面を経験していたことがわかりました。
2人に1人が「コンドームなどの避妊具を使用せずに性交渉を行った経験がある」と回答
8割以上が性感染症のリスクがあったことも明らかに
妊娠を希望していない時に、コンドームを使用せずに性交渉を行った経験があるかどうか質問したところ、半数以上の人が「コンドームなどの避妊具を使用せずに性交渉を行った経験がある」と回答しました。この結果から、多くの人が、誤った避妊方法である「腟外射精」を行っていることが予想されます。さらに約3割が「コンドームを使用せずに性交渉を行った経験はあるが、低用量ピルなどの避妊方法を行っていた」と回答しました。他の避妊方法を行っていたとしても、コンドームを装着しなければ性感染症に感染する可能性はあるため、8割以上の人が性感染症にかかるリスクがあったこともわかりました。
コンドームを使用せずに性交渉を行った理由最多は「男性にコンドームをつけたくないと言われたから」
「妊娠を希望していない時に、コンドームを使用せずに性交渉を行った経験がある」と回答した人に、その理由を伺いました。最多の回答は「男性にコンドームをつけたくないと言われたから」、2番目には「男性につけてほしいことを伝えづらかったから」という結果になりました。
避妊を拒否する男性がいることや、女性がコンドームを使用して欲しいことを男性に伝えられていないことが浮き彫りになりました。
3人に1人が「アフターピル服用の経験がある」と回答
約7割が「対面診療」、約2割が「オンライン診療」で処方
アフターピル服用の経験有無を質問したところ、35%が「服用したことがある」と回答。さらに7%が「服用を検討したことはあるが、服用したことはない」と回答しました。またアフターピル服用経験者に、医療機関で処方してもらった方法について質問しました。約7割が「産婦人科などの対面診療」、約2割は「オンライン診療」という結果になりました。
対面診療のアフターピル処方に、抵抗・不安を感じた人は約8割
その理由で最多は「病院にいる人の目が気になる」
産婦人科などの対面診療でアフターピルを処方してもらった人に、抵抗・不安を感じた経験があるか質問したところ、約8割が「抵抗・不安を感じた」と回答。さらに、その理由を質問したところ、最多が「病院にいる人(医師・看護師・スタッフ・他の患者)の目が気になる」、2番目は「医師に避妊に失敗したことを説明したくないから」、3番目は「医師に怒られると思ったから」という結果になりました。
多くの人が、対面診療のアフターピル処方において、人の目が気になってしまうことや、避妊に失敗したことを医師に説明することに抵抗があることがわかりました。
オンライン診療のアフターピル処方に、抵抗・不安を感じた人は約4割
「オンライン診療」でアフターピルを処方された経験がある人に、オンライン診療において抵抗・不安を感じた経験があるか質問したところ、約4割が抵抗・不安を感じたと回答し、半数以上は不安がなかったことがわかりました。抵抗・不安を感じた人に、その理由を質問したところ、最多が「ちゃんと診察してもらえるかが不安だから」、「ちゃんとした薬がもらえるか不安だから」という結果になりました。
約9割が処方箋がなくても薬局でアフターピルを買えるようにするOTC化に”賛成”
その一方で、どのような条件で処方されるのか具体的な議論内容は半数以上が知らないと解答
現在アフターピルは医師の処方箋が必要な薬ですが、政府は処方箋がなくても薬局で買えるようにするOTC化の検討を進めている中、OTC化に賛成かどうか質問したところ、約9割が賛成と回答しました。その一方で、OTC化が決定した場合、薬剤師がアフターピルについて説明を行った上で、その場での服用が必須となる可能性があることを知っているか伺ったところ、半数以上が知らないと回答し、どのような条件で処方されるのか具体的な議論内容は半数以上が知らないことがわかりました。
さらにOTC化賛成の理由を質問したところ、「薬局で手に入ることの手軽さ」のほか、「避妊失敗後すぐに病院を受診できない可能性があるため薬局でも手に入れられた方が良い」という意見が多数寄せられました。また 「わざわざ説明しなくていいから」といった、人に説明することを避けられるという旨の回答もありました。
<賛成の理由として寄せられた回答例>
・すぐに服用する必要があるのに婦人科の予約が取れないと処方されないから
・身近で手に入れば精神的に楽だから
・望まない妊娠は減らせる方が良いから
・仕事があるとなかなか病院に行けないので、薬局ですぐに買えた方が助かるから
・アフターピルを取り扱っている産婦人科が常に空いている訳では無いし、緊急性を必要とするので、薬局で購入出来れば助かるから
・学生などの周りの目が気になる人などが気軽に手に入れやすいと思うから
・事故で避妊に失敗してしまった時や、性的被害にあった際に、躊躇うことなくアフターピルを買えるようになるのは安心だから
・コンドームでの避妊はどうしても男性側に主導権が握られてしまうため、女性側が圧倒的不利だと感じたから
・防衛策として低用量ピルを使用もあるが、体質や事情で服用できない方もいるので、アフターピルが薬局で購入できれば多くの女性を守ることができると思うから
・若い子はアフターピルの処方箋を出してもらうことが恥ずかしかったり、親にバレたくないと思うから
・わざわざ説明しなくていいから
医師・山田光泰氏からのコメント
きちんとした避妊方法を行っている場合でも、習慣として必ずコンドームを使用するようにしましょう。
日本では、年間に約15万件の人口妊娠中絶が行われており、出生数の80万件と比較して見ると「望まない妊娠」がいかに多いかが分かります。周囲に十分な相談も出来ないままに大きな決断を迫られ、身体的にも経済的にも負担のかかる処置を経て、心に悲しい傷を負ってしまわれる方も少なくありません。望まない妊娠を少しでも減らすため、女性が主体的に行える有効な避妊手段へのアクセス向上が期待されます。
今回の調査において、対面診療におけるアフターピルの処方時に感じた抵抗・不安について、「人の目が気になる」という回答が多いという結果が明らかになりました。周囲の目を気にせず受けられるオンライン診療など、自身のライフスタイルに合わせて柔軟に医療サービスを利用してゆくのが良いでしょう。
また調査結果の回答の中で見られた、特に重大な誤認識についてピックアップして解説します。
腟外射精は”間違った避妊”。コンドームは避妊だけでなく、性感染症予防のために使用することも大事!
半数以上が「妊娠を希望していない時に、コンドームを使用せずに性行為を行った経験がある」と回答されていることから、腟外射精による避妊が一般的に行われていることが予想されます。実は、腟外射精は全く避妊にはなりません。挿入中に尿道から漏れ出てしまう分泌液中に少なからず精子が含まれているためで、なんと約22%の確率で妊娠するというデータもあります。*1
また上記調査結果に加え、約3割が「コンドームを使用せずに、低用量ピルなどの避妊方法を行っていた」という結果も見られました。低用量ピル等でしっかり避妊を行っていたとしても、コンドームを使用しなければ性感染症のリスクがあります。コンドームを装着することは、避妊だけではなく性感染症を予防するという目的においても大事なことです。特に日本でも一番多い性病とされる「クラミジア」は、女性の場合、症状が出にくいことが特徴で、知らないうちにパートナーに感染させてしまったということも多々あります。ニュースにもなっていますが、梅毒をはじめとした性感染症の急増が大きな問題となっています。
*1 参考:WHO「Selected practice recommendations for contraceptive use Third edition 2016」
クリニックフォアの「アフターピル」オンライン処方について
クリニックフォアは、低用量ピルをはじめとした幅広い診療科目をオンライン診療で提供しています。アフターピルのオンライン処方においても、人の目が気になる時や、対面診療の医療機関が受診ができない時にも、診察からお薬配送まで安心してご利用いただけます。
クリニックフォアの「オンライン・アフターピル自由診療」の特徴
・初診からオンライン診療可能
・自宅など好きな場所から受診でき、誰の目も気にせず受診が可能
・医師による処方薬は、リスク行為から72時間有効の「ノルレボ」(国内先発品・国内後発品)と、120時間(5日まで)有効な「Ella one」(海外正規品)の2種類の薬の処方が可能
・お薬の配送の際もシンプルな梱包により、家族に知られたくない方もご利用可能
・お薬の配送は、最短翌日到着(※診察時間や配送先により異なります)
・アプリ不要で、スマホで完結