日本だけでなく全世界的にSUVブームは続いています。各社から魅力的な新型車が続々と登場し、街で見かける機会も増えました。なんとなく男性的なイメージの強いSUVですが、女子ウケという観点からはどうなのでしょうか。カルモマガジン編集部では10代から60代以上まで2200人の女性にアンケートを実施して、そのうちSUVに興味があるとした581人から「マイカーにしたいSUV」と「助手席に乗りたいSUV」を具体的な車種名、その理由とともに聞きだしました。売れているSUVと女子がマイカーにしたいSUVは果たして同じなのでしょうか。乗っていると女子ウケの良いSUVはどれなのでしょう。カルモマガジン編集長の解説とともにお届けします。
SUVはなぜ人気なのか、どのくらい人気なのか
一昔前までSUVは、スキー・スノーボードや釣り、BBQなどアウトドア系の趣味を持っている人たちの車というイメージでした。その趣味のために、たくさんの人や荷物を積んで、長距離ドライブはもちろん、時には雪道や未舗装路などの悪路へ行く。だからSUVは最低地上高が高くて4WDで、前後のバンパーやボディサイドには傷が目立たない樹脂パーツが用いられ、荷物を乗せるためにルーフレールがついています。
そんなSUVの見た目がかっこいい、と多くの人が思ったからでしょう。ハッチバックやセダン、ワゴンなど既存のボディタイプに飽きていた人が多かったのかもしれません。もしくは乗っていれば「アウトドア趣味のあるリア充」っぽく見えるからと書くと今風でしょうか。とにかく、今やSUVは幅広い人たちから最も人気のあるボディタイプとなりました。
大きさやタフさなど、SUVにも色々と種類がある
SUVの分類で最も一般的なのがサイズ分類。主に長さを軸にラージ、ミドル、ミドルコンパクト、コンパクトの4つに軽を加えるのが現在では一般的です。一方で用途別に悪路志向と高級志向も分類項目で加えています。
このようにSUVにもいくつかの種類があります。大きいか小さいか、ワイルドか都会的か、合理性か高級か。どんなタイプのSUVが女性からの人気が高いのでしょうか。
筆者は職業柄、どんな車にどんな人が乗っているのかは常にチェックをしてきました。またメーカーのマーケ担当者などから女性に人気のある車種についての見解も何度か聞いたことがあります。そういった経験則をもとにすれば、スズキハスラーは明らかに女性オーナー比率が高いと感じます。トヨタハリアーは日本ではブランド化していますので、プレミアムSUVとしてレクサス以上に女性ウケが良い車種でしょう。レクサスはどうなんでしょうね、輸入車に比べるとちょっと微妙かもしれません。
販売台数トップのヤリスクロスもパーソナルな内外装とコンパクトさで女性から人気なのは間違いないと思います。そしてクロカン系のランクルやジムニーは販売台数以上に女性からの評価が高いと確信を持っています。しかしスバルはXV(クロストレック)はともかくとして、フォレスター、アウトバックとも男くさいので厳しそうです。三菱もアウトランダー、エクリプスクロス、デリカD:5と良いSUVを作っていると思いますが女子ウケは狙えないかな。難しいのはマツダ。初代CX-5以降のデザインはスマートですし、内装も走りも乗ったことのある人であれば高評価だと思うのですが、一般にはまだ浸透しきれていないかもしれません。
以上がアンケート結果を見る前の筆者の見解でした。さて、結果はいかに!
女子が好きな(マイカーにしたい)SUVランキング
今回のアンケートはインターネット経由で18歳以上の2200名の女性に実施、そのうちQ1で「SUVが好き、もしくはSUVに興味がある」と答えた581名からの回答をまとめたものです。なおここまで「女子」という言葉が見出しを中心に多用されていて、でも本文は「女性」と書いていることが多いのは、世間的には「女子」と検索されている方が多いのが理由です。なおSUVの分類以上に、女性にもさまざまな方がいらっしゃることはよく存じ上げていますが、今回のアンケートは最も一般的かつ答えの傾向も異なりがちな「年齢」を軸に紹介をしています。
ということでQ1を突破した女性581名への質問項目は以下のとおり。選択肢は販売台数の多い国産SUVを28車種ピックアップしています。なお本来はランドクルーザーシリーズとすべきところをランドクルーザープラドとしていることとデリカD:5が含まれていないことは調査時点のミスです。申し訳ございません。
Q2 自分が最も好きな(運転したい・マイカーにしたい)SUVはどれですか?選択肢から1つ選んでください。
Q3 Q2で回答した車について、好きな理由を教えてください(複数選択可)。
Q4 助手席や後席に乗るならどのSUVが一番いいですか?選択肢から1つ選んでください。
Q5 Q4で回答した1位の車について、その理由を教えてください(複数選択可)。
なおQ3とQ5の「理由」は以下の15項目からの複数回答です。
「外観・ルックス」「走り」「乗り心地」「燃費性能」「安全性能」「内装」「使い勝手の良さ」「車内の快適性」「高級感」「サイズ感」「かっこいい印象」「かわいい印象」「おしゃれな印象」「価格」「その他」
それでは、まず「女性が好きな(マイカーにしたい)SUV」のアンケート結果の発表です。
ヤリスクロスがトップ、ハスラー2位、そして3位にランクルが!
■女性が好きな(運転したい・マイカーにしたい)SUVランキング
1 | 1 | ヤリスクロス | トヨタ | コンパクト | 62 | 10.7% |
2 | 3 | ハスラー | スズキ | 軽 | 49 | 8.4% |
3 | 8 | ランドクルーザー プラド | トヨタ | ラージ | 40 | 6.9% |
4 | 4 | ライズ | トヨタ | コンパクト | 38 | 6.5% |
5 | 7 | ハリアー | トヨタ | ミドル | 37 | 6.4% |
6 | 6 | ヴェゼル | ホンダ | ミドルコンパクト | 36 | 6.2% |
7 | 10 | ジムニー | スズキ | 軽 | 32 | 5.5% |
8 | 22 | NX | レクサス | ミドル | 26 | 4.5% |
9 | 11 | CX-5 | マツダ | ミドル | 20 | 3.4% |
9 | 15 | エクストレイル | 日産 | ミドル | 20 | 3.4% |
11 | 9 | RAV4 | トヨタ | ミドル | 14 | 2.4% |
11 | 25 | C-HR | トヨタ | ミドルコンパクト | 14 | 2.4% |
13 | 2 | カローラクロス | トヨタ | ミドルコンパクト | 13 | 2.2% |
13 | 14 | フォレスター | スバル | ミドル | 13 | 2.2% |
15 | 13 | クラウンクロスオーバー | トヨタ | ラージ | 12 | 2.1% |
16 | 5 | タフト | ダイハツ | 軽 | 9 | 1.5% |
17 | 24 | キックス | 日産 | コンパクト | 8 | 1.4% |
17 | ランキング外 | ハイラックス | トヨタ | ラージ | 8 | 1.4% |
17 | 27 | CX-3 | マツダ | コンパクト | 8 | 1.4% |
20 | 26 | CX-8 | マツダ | ラージ | 7 | 1.2% |
20 | 28 | レガシィアウトバック | スバル | ラージ | 7 | 1.2% |
22 | 17 | ジムニーシエラ | スズキ | コンパクト | 6 | 1.0% |
22 | 21 | CX-30 | マツダ | ミドルコンパクト | 6 | 1.0% |
22 | 23 | クロスビー | スズキ | コンパクト | 6 | 1.0% |
22 | ランキング外 | エクリプスクロス | 三菱 | ミドルコンパクト | 6 | 1.0% |
26 | 12 | クロストレック・XV | スバル | ミドルコンパクト | 5 | 0.9% |
27 | 19 | アウトランダー | 三菱 | ミドル | 4 | 0.7% |
28 | 16 | ロッキー | ダイハツ | コンパクト | 2 | 0.3% |
その他 | 10 | 1.7% | ||||
特にない | 63 | 10.8% |
販売台数ランキングトップのトヨタヤリスクロスが「女性が好きな(マイカーにしたい)SUV」としても堂々の1位を獲得しました。2位には軽自動車のスズキハスラー、そして3位はトヨタランドクルーザーシリーズが選ばれました。以下4位のトヨタライズ、5位のトヨタハリアー、6位のホンダヴェゼルあたりは概ね販売台数に比例した順位です。
アンケートでの順位が販売台数ランキングより高いのはランドクルーザー(3位←8位)、スズキジムニー(7位←10位)、レクサスNX(8位←22位)、日産エクストレイル(9位←15位)、トヨタハイラックス(17位←ランキング外)といった顔ぶれ。これらのモデルは生産体制の混乱や制約などで1年以上の納車待ちや受注制限が掛かったものも多く、販売台数自体が少し低めに出ているという見方もできますが、タフなクロカン系と高級系SUVの女性人気が高い傾向は間違いのないところでしょう。
一方、販売ランキングよりも低い順位となったのはトヨタカローラクロス(13位←2位)、ダイハツタフト(16位←5位)、スバルクロストレック・XV(26位←12位)といったモデルたち。かわいいハスラーに比べて無骨さをウリにしたタフトが低いのはわからないでもないのですが、カローラクロスがここまで順位を下げたのは少々意外です。スバルはフォレスターが健闘したもののクロストレック・XVは下位に沈みました。
若い世代に強いコンパクトSUV、40代以上はクロカン&高級系
■世代別 女性が好きな(運転したい・マイカーにしたい)SUVベスト5
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
10~20代 | ヤリスクロス(20) | ライズ(11) | ハスラー(9) | ジムニー(6) | CX-5、ランドクルーザー プラド、NX(4) |
30代 | ヤリスクロス、ハスラー(12) | ライズ(11) | ヴェゼル、ハリアー(10) | ||
40代 | ヤリスクロス(15) | ランドクルーザー プラド(14) | ハスラー、ハリアー(11) | ライズ(8) | |
50代 | ハスラー(10) | ヤリスクロス、ヴェゼル、ハリアー(9) | ジムニー(8) | ||
60代以上 | ヴェゼル(11) | ランドクルーザー プラド(8) | ハスラー、ジムニー(7) | ヤリスクロス(6) |
女性が好きな(マイカーにしたい)SUVを世代ごとに見てみましょう。全体1位となったヤリスクロスは10~20代で圧倒的な支持を受けています。30代と40代でも1位となっていますが、50代以上の世代からはそこまでの勢いはありません。この傾向は同じコンパクト系SUVのライズにも当てはまります。
全体2位のハスラーや7位のジムニーは各世代から偏りなく支持されているのが特徴です。40代より上の世代ではランクルやハリアーの支持率が高まり、50代以上ではさらにヴェゼルの存在感が高まります。全体では6位にとどまったヴェゼルが60代以上で1位になったのも興味深い結果です。
SUVは見た目がすべて?選んだ理由No.1は「外観・ルックス」
■女性が好きな(運転したい・マイカーにしたい)SUVベスト10、好きな理由は?*複数回答
順位 | 車名 | ブランド | サイズ | 得票数 | 外観・ルックス | 走り | 乗り心地 | 燃費性能 | 安全性能 | 内装 | 使い勝手の良さ | 車内の快適性 | 高級感 | サイズ感 | かっこいい印象 | かわいい印象 | おしゃれな印象 | 価格 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヤリスクロス | トヨタ | コンパクト | 62 | 45% | 48% | 50% | 34% | 31% | 8% | 15% | 6% | 6% | 15% | 21% | 2% | 5% | 2% | 0% |
2 | ハスラー | スズキ | 軽 | 49 | 61% | 20% | 41% | 20% | 27% | 20% | 22% | 16% | 2% | 27% | 12% | 18% | 10% | 6% | 0% |
3 | ランドクルーザー | トヨタ | ラージ | 40 | 75% | 23% | 45% | 8% | 23% | 15% | 13% | 13% | 35% | 13% | 45% | 0% | 8% | 8% | 0% |
4 | ライズ | トヨタ | コンパクト | 38 | 76% | 55% | 45% | 47% | 47% | 39% | 39% | 29% | 24% | 34% | 37% | 24% | 26% | 24% | 0% |
5 | ハリアー | トヨタ | ミドル | 37 | 84% | 30% | 46% | 19% | 27% | 24% | 16% | 38% | 35% | 22% | 41% | 8% | 22% | 14% | 3% |
6 | ヴェゼル | ホンダ | ミドルコンパクト | 36 | 64% | 33% | 50% | 31% | 42% | 31% | 28% | 22% | 11% | 33% | 17% | 6% | 19% | 6% | 0% |
7 | ジムニー | スズキ | 軽 | 32 | 69% | 22% | 16% | 3% | 9% | 9% | 19% | 3% | 0% | 25% | 13% | 19% | 6% | 0% | 3% |
8 | NX | レクサス | ミドル | 25 | 84% | 28% | 40% | 24% | 24% | 20% | 16% | 24% | 52% | 16% | 48% | 4% | 20% | 8% | 0% |
9 | CX-5 | マツダ | ミドル | 20 | 85% | 30% | 30% | 30% | 10% | 10% | 10% | 10% | 15% | 30% | 30% | 0% | 5% | 5% | 0% |
9 | エクストレイル | 日産 | ミドル | 20 | 70% | 25% | 40% | 10% | 35% | 10% | 20% | 15% | 0% | 15% | 25% | 0% | 10% | 5% | 5% |
女性が好きな(マイカーにしたい)SUVについてその理由を聞いてみたところ、TOP10のうち9車種で「外観・ルックス」が1位となる結果になりました。特にハリアー、NX、ランクル、CX-5あたりは「かっこいい印象」「高級感」も含め「見た目」の支持率が極めて高く、高級系SUVにとって重要なポイントであることがわかります。それにしてもハリアー、NX、ランクルは「高級感」の支持率が高いですね。
一方で1位となったヤリスクロスだけは例外で「外観・ルックス」を好きな理由とした人は半数以下、「乗り心地」「走り」「燃費性能」などの「動的性能」が上位理由に並びました。また、ライズは「外観・ルックス」の支持率が高いものの、それ以外ではヤリスクロスと似た評価項目が上位にきています。憧れも含まれた高級系SUVと異なり、自分が運転することを意識したコンパクトSUVならではの結果と見るべきではないでしょうか。
他には「乗り心地」がジムニーを除く各車で支持率が高いことも特徴的です。女性にとってSUVは乗り心地が良いというイメージがあることは筆者にとって新発見でした。そしてジムニーのこの項目の低さも印象的です。みなさん、ジムニーって見た目で想像するよりも乗り心地悪くないですよ!
女子が「助手席に乗りたいSUV」ランキング
続いては「助手席や後席に乗るならどのSUVが一番いいですか?」という設問への回答をまとめたランキングです。世の男性諸氏におかれましてはこちらの方が気になるランキングでしょう。
ランクルが1位!クロカン&高級SUVがやはり人気
■女性が助手席や後席に乗りたいSUVランキング
順位 | 販売ランキング | 車名 | ブランド | サイズ | 総数 | (%) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ランドクルーザー プラド | トヨタ | ラージ | 54 | 9.3% |
2 | 1 | ヤリスクロス | トヨタ | コンパクト | 49 | 8.4% |
3 | 7 | ハリアー | トヨタ | ミドル | 47 | 8.1% |
4 | 4 | ライズ | トヨタ | コンパクト | 39 | 6.7% |
4 | 22 | NX | レクサス | ミドル | 39 | 6.7% |
6 | 6 | ヴェゼル | ホンダ | ミドルコンパクト | 28 | 4.8% |
7 | 3 | ハスラー | スズキ | 軽 | 25 | 4.3% |
8 | 11 | CX-5 | マツダ | ミドル | 21 | 3.6% |
9 | 15 | エクストレイル | 日産 | ミドル | 19 | 3.3% |
10 | 5 | タフト | ダイハツ | 軽 | 15 | 2.6% |
11 | 9 | RAV4 | トヨタ | ミドル | 13 | 2.2% |
12 | 2 | カローラクロス | トヨタ | ミドルコンパクト | 12 | 2.1% |
12 | 17 | ジムニー | スズキ | 軽 | 12 | 2.1% |
12 | ランキング外 | ハイラックス | トヨタ | ラージ | 12 | 2.1% |
12 | 13 | クラウンクロスオーバー | トヨタ | ラージ | 12 | 2.1% |
16 | 26 | CX-8 | マツダ | ラージ | 11 | 1.9% |
17 | 14 | フォレスター | スバル | ミドル | 10 | 1.7% |
18 | 23 | クロスビー | スズキ | コンパクト | 7 | 1.2% |
18 | 25 | C-HR | トヨタ | ミドルコンパクト | 7 | 1.2% |
18 | 28 | レガシィアウトバック | スバル | ラージ | 7 | 1.2% |
21 | 24 | キックス | 日産 | コンパクト | 6 | 1.0% |
21 | 27 | CX-3 | マツダ | コンパクト | 6 | 1.0% |
23 | 19 | アウトランダー | 三菱 | ミドル | 4 | 0.7% |
23 | 21 | CX-30 | マツダ | ミドルコンパクト | 4 | 0.7% |
25 | ランキング外 | エクリプスクロス | 三菱 | ミドルコンパクト | 3 | 0.5% |
26 | 16 | ロッキー | ダイハツ | コンパクト | 2 | 0.3% |
26 | 17 | ジムニーシエラ | スズキ | コンパクト | 2 | 0.3% |
26 | 12 | クロストレック・XV | スバル | ミドルコンパクト | 2 | 0.3% |
その他 | 7 | 1.2% | ||||
特にない | 106 | 18.2% |
助手席に乗りたいランキングではトヨタランドクルーザーシリーズが堂々の1位に輝きました。2位に販売ランキングと好きなSUVランキングで1位となったトヨタヤリスクロスが入ったものの、3位にはトヨタハリアー、4位にレクサスNXなどのクロカン系、高級系SUVが続き、そしてTOP5までトヨタ&レクサスが占めました。ああ!
個人的にはハリアーの方が上にくるのではないかと思ったのですがランクルの強さは想像以上でした。レクサスもブランドイメージがだいぶ浸透しているようですが、まだハリアーに届かないことも印象的です。10数年前、レクサスRXの日本発売時にハリアーは廃止されかけたのですが、販売店の猛反対でRAV4をベースにした日本専用の3代目ハリアー登場したことを思い出しました。ハリアー残してよかったですね、トヨタさん。
他にも販売ランキングと比較して助手席に乗りたいランキングで順位が高かったのはマツダCX5、CX-8、日産エクストレイル、スズキジムニー、トヨタハイラックスですので、こちらもクロカン系、高級系SUVが存在感を示しました。一方、トヨタライズやホンダヴェゼルは販売台数ランキング通りの位置を確保したものの、スズキハスラー、ダイハツタフト、カローラクロスなど、サイズの小さめな実用性重視のSUVはこちらのランキングではやや低調な結果となっています。
ランクルとハリアーは40代以上から圧倒的支持、しかし若い世代はコンパクト!
■世代別 女性が助手席に乗りたいSUVベスト5
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
10~20代 | ヤリスクロス(20) | ライズ(12) | ジムニー(7) | ハスラー、タフト(5) | |
30代 | ヤリスクロス、ハリアー(12) | ヴェゼル、ランドクルーザー プラド(11) | ライズ(10) | ||
40代 | ランドクルーザー プラド(15) | ハリアー、NX(9) | ライズ(8) | ハスラー(7) | |
50代 | ランドクルーザー プラド、NX(13) | ハリアー(12) | ヤリスクロス、ヴェゼル(6) | ||
60代以上 | ランドクルーザー プラド(11) | ハリアー(10) | ヤリスクロス、NX(7) | ライズ、ヴェセル(6) |
世代別に見ると、非常に興味深いことになっていました。10~20代ではヤリスクロスとライズが1位、2位となり、好きなSUV(マイカーにしたい)ランキングと同じくコンパクトSUVが人気という傾向が顕著です。そして3位には軽自動車のジムニーもランクイン。好きなSUVランキングでハスラーに差をつけられたダイハツタフトがここでは健闘していることにも注目です。若い女性にモテるなら高級車や輸入車という一昔前の価値観が吹き飛ぶ衝撃の結果です。
30代ではコンパクト派とクロカン・高級派が拮抗していますが、40代、50代、60代以上ではランクルを筆頭にハリアーやNXなどクロカン・高級派の強さが際立ちます。
各世代で5位以内につけているライズの安定感も光ります。好きなSUV(マイカーにしたい)ランキングでは50代、60代以上から熱い支持を受けたヴェゼルですが、助手席ランキングでも同じ傾向です。ただしヴェゼルはどちらのランキングでも30代から支持されていることも付け加えておきましょう。
助手席に乗るとしても見た目と乗り心地は譲れない!
高級系ならかっこいい、コンパクトは走りや燃費も重視
■女性が助手席・後席に乗りたいSUVベスト10、好きな理由は?*複数回答
順位 | 車名 | ブランド | サイズ | 得票数 | 外観・ルックス | 走り | 乗り心地 | 燃費性能 | 安全性能 | 内装 | 使い勝手の良さ | 車内の快適性 | 高級感 | サイズ感 | かっこいい印象 | かわいい印象 | おしゃれな印象 | 価格 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ランドクルーザー プラド | トヨタ | ラージ | 54 | 69% | 15% | 39% | 4% | 17% | 4% | 7% | 22% | 35% | 20% | 44% | 0% | 0% | 2% | 0% |
2 | ヤリスクロス | トヨタ | コンパクト | 49 | 33% | 45% | 49% | 35% | 35% | 6% | 10% | 12% | 10% | 14% | 14% | 6% | 6% | 4% | 0% |
3 | ハリアー | トヨタ | ミドル | 47 | 66% | 15% | 43% | 9% | 17% | 15% | 9% | 21% | 23% | 9% | 30% | 0% | 6% | 2% | 0% |
4 | ライズ | トヨタ | コンパクト | 39 | 74% | 56% | 64% | 54% | 46% | 49% | 46% | 31% | 31% | 33% | 28% | 23% | 21% | 13% | 0% |
4 | NX | レクサス | ミドル | 39 | 77% | 18% | 38% | 5% | 31% | 21% | 10% | 31% | 51% | 13% | 44% | 3% | 10% | 5% | 0% |
6 | ヴェゼル | ホンダ | ミドルコンパクト | 28 | 43% | 32% | 39% | 36% | 32% | 11% | 21% | 18% | 14% | 18% | 18% | 4% | 14% | 4% | 4% |
7 | ハスラー | スズキ | 軽 | 25 | 52% | 12% | 48% | 32% | 20% | 16% | 8% | 24% | 4% | 12% | 12% | 16% | 12% | 4% | 0% |
8 | CX-5 | マツダ | ミドル | 21 | 57% | 24% | 52% | 33% | 43% | 19% | 14% | 38% | 14% | 24% | 38% | 10% | 14% | 14% | 0% |
9 | エクストレイル | 日産 | ミドル | 19 | 58% | 21% | 53% | 11% | 16% | 11% | 11% | 11% | 5% | 16% | 32% | 0% | 5% | 0% | 0% |
10 | タフト | ダイハツ | 軽 | 15 | 13% | 13% | 47% | 13% | 33% | 7% | 13% | 0% | 7% | 0% | 0% | 7% | 0% | 0% | 0% |
助手席に乗りたいSUVについて、その理由を聞いてみると概ね外観と乗り心地を重視しているのはマイカーにしたいSUVと同様ですが、安全性能が全体的に高めです。そして高級派とコンパクト派で大きく2つのグループに分かれていました。ランクル、ハリアー、NX、CX-5などの高級系SUVは「かっこいい」「快適性」といった項目の支持率が高く、ヤリスクロス、ライズ、ヴェゼル、ハスラーなどコンパクト派は「走り」や「燃費」で得点をしています。ヤリスクロスとタフトは外観の得票率が低いのも印象的です。
高級派の女性が選んだ理由はよくわかります。かっこよくて高級で豪華なインテリアの車は昔から人気でした。筆者も中高年の一員なので、よくわかります。
しかし、コンパクト派に若い女性が多いことは前述のとおりなのですが、走りはともかくとして燃費が上位に来る理由はなぜなのでしょうか。燃費の良い車は環境に良いから?それは今日の若い人にはありそうな理由です。でも、居酒屋の飲み代を女性にもしっかり「割り勘」にする風潮が若い人の間にある、なんて話も耳に挟んだことがあります。もしかしてドライブのガソリン代や高速代も割り勘なんでしょうかね。それがデートだとしても。
女性に人気のSUVランキング
上位の車のおすすめポイントを専門家が解説!
女性に人気のSUVランキングで上位となった車は、果たして専門家か見てもおすすめできる「いい車」なのでしょうか。カルモマガジン編集長が解説します。
トヨタ「ヤリスクロス」
全方位スキなし、高いレベルでまとまっている
女性が好きな(マイカーにしたい)SUVでNo.1、助手席に乗りたいSUVでも2位に輝いたトヨタヤリスクロス。販売台数もNo.1ですが、女性からの人気もやはり同じでした。ヤリスクロスの良さはクラスナンバーワンの燃費以外に、見た目、走り、安全性能などが高いレベルでまとまっている点です。外観や内装のデザインには安っぽさはあまりなく、新しい車であることも伝わってきます。全長4.1mとコンパクトなサイズではあるものの、ベースとなったヤリスよりは広い室内・ラゲッジ空間を確保しています。
乗り心地は必ずしもクラス最良とは思いませんが、直接的なライバルである日産キックスには割高感が付きまとい、マツダCX-3にはさすがに少々古さを感じます。またこれらのライバルに比べて少しだけ全長が短く取り回しが良いことも女性には嬉しいポイントです。実力も人気も高いヴェゼルはひと回り大きいので同じ土俵ではないでしょう。総合的にヤリスクロスが頭一つ以上、抜けているのは確かです。
スズキ「ハスラー」
オリジナリティ豊かな内外装、走りも実力派
女性が好きな(マイカーにしたい)SUVでNo.2、助手席に乗りたいSUVでも7位に食い込んだスズキの軽SUV・ハスラー。その特徴はなんといっても外観スタイル。アニメ調なかわいいデザインはほかのどんな車とも似ていません。内装もどこかGショックを連想させるユニークなインパネが印象的で、内外装ともオリジナリティ豊かなデザインで構成されています。
2代目のハスラーは走りに関して進化が著しく、マイルドハイブリッドはライバルよりも1割ほど良い燃費を常に叩き出し、悪路走行も視野に入れて強化されたボディ剛性のおかげか乗り心地に関してはスズキの軽自動車で最良だと思います。直接的なライバルであるダイハツタフトに比べて後席やラゲッジの工夫もハスラーが上回っています。まあこの2台はデザインテイストが異なるので、迷う女性はあまりいないのかもしれません。むしろ「デリ丸。」を伴って登場した三菱デリカミニ(スライドドア付きスーパーハイトワゴンベースですが)の方がハスラーと競合しそうです。
トヨタ「ランドクルーザー」シリーズ
圧倒的な信頼感、過剰なまでの走破性能
今回のアンケートでは設問を「ランドクルーザープラド」としてしまう痛恨のミスがありましたが、他にランドクルーザーは入れていませんので、ここではランドクルーザーシリーズへの評価ということで解説します。ランクルの愛称で呼ばれるランドクルーザーの走破性と耐久性の高さについて疑う人は誰もいないでしょう。今回のアンケートでも上位にくる予感はありましたが、助手席に乗りたいランキングでNo.1とは恐れ入りました。
現在、ランクルには俗に300系と呼ばれる「ランドクルーザー」と、少しだけ小さい「ランドクルーザープラド」の2車種が販売されています。2021年にモデルチェンジで300系へと進化したランドクルーザーは注文が殺到し、納期が1年以上という状況になったことでも話題となりました。新型になったとはいえ全世界で活躍するランクルの使命は「どこへでも行き、生きて帰ってくる」ことです。SUVの中でも最も堅牢な作りで、洗練を重ねたとはいえ「重たい車」を動かしているという感覚は新型にも常に付きまといます。それが安心感や信頼感につながるのは確かなのですが、いまだに少し特殊な車なのも確かです。
とはいえ、トヨタの車ですから極端に運転が難しいということはありません。日本の日常では過剰な性能ですが、それがランクルの魅力でもあります。プラドはもうすぐモデルチェンジを迎えますので、現行モデルは走りの洗練さや安全装備の点で古さを隠せません。プラドは運転ポジションも少し足を投げ出すような体勢になるので、その点でも一般的なSUVとは異なります。
トヨタ「ライズ」
絶妙なサイズ、戦略的な価格、それらしいデザイン
コンパクトSUVとして販売台数ランキングでも上位の常連となったトヨタライズ。フロンマスクなど細部は異なるもののダイハツロッキーのOEM車です。この車の最大のポイントは全長4.0mという長さにあります。この4.0mという長さは、トヨタアクア、ホンダフィット、日産ノートといったコンパクトカーの売れ筋の車種と同じです。スズキのジムニーシエラは3.5m、クロスビーは3.7m前後と結構短く、マツダCX-3や日産キックスは4.2m後半、つまり日本のユーザーが慣れ親しんだ全長4.0mのコンパクトSUVは空白地帯だったのです。後から登場したヤリスクロスも全長4.2m弱と短めですが全幅は3ナンバーサイズ。ライズはしっかり5ナンバーサイズに収まっています。この絶妙なサイズ感、かなり戦略的な価格、そしてSUVとはどんなデザインか、ということを研究した内外装が大ヒットの要因でしょう。
SUV専用ボディであるものの室内空間やラゲッジルームが同じ4.0mクラスのコンパクトカーに劣っているということはありません。大人4人が2泊程度の旅行に行くなら十分です。トヨタ方式とは異なる日産のe-POWERに似た構成のダイハツ製ハイブリッドも追加され、さらに魅力がアップしました。ちょっと乗り心地が荒いことやハイブリッドのエンジン音が目立つことなどネガな部分もあるものの、非常に商品力の高い車だと思います。
なお、ハイブリッド車は衝突試験での不正があって原稿執筆時点で販売停止になっています。ダイハツはすぐに社内実験を実施して法規に定められた安全性に関する基準を満たす結果が出たとアナウンスをしましたが、販売はまだ再開されていません。
トヨタ「ハリアー」
特別なブランド力、その期待に応える出来の良さ
高級SUVということであればレンジローバーなど先駆はありますが、乗用車ベースの高級クロスオーバーSUVとしてのマーケットを開拓したのはレクサスRX、日本名トヨタハリアーであるのは間違いでしょう。乗用車ベースなのでランクルなどのクロカン系SUVに比べると一般道でも高速でもスムーズで軽快、そして燃費も勝ります。
とはいえボディは専用なのでSUVらしいアクティブな印象を与え、さらにインテリアは当時の武骨なクロカン系SUVとは比べ物にならないラグジュアリーさで所有欲も満たしてくれました。そんなハリアーですがレクサスの日本展開に伴ってモデル廃止の危機にあったことは前述の通りです。それを乗り越え2020年には4代目モデルが登場し、好調なセールスを続けています。
ハリアーはトヨタ車の中でも特別なブランド力があります。そして現行型はその期待に応える力作と言っていい出来の仕上がりになっています。3代目からレクサスRXではなくRAV4ベースとなりましたが、現行の4代目はRAV4のサイズアップのおかげで、ホイールベースの短さが画竜点睛を欠いた3代目よりもデザインが伸びやかになりました。
インテリアも上質な素材をふんだんに使い、センターコンソールに代表される洒落たデザインと相まって日本のユーザーが望むハリアーの世界観を実現しています。走りもパワーと燃費を高い次元で両立したハイブリッドや、極めて高い遮音性のおかげで誰しもが高級車に乗っていると実感できるでしょう。個人的にはよりダイレクトな走り味のRAV4の方が好みですが、ハリアーのゆったりとした乗り味のほうが女性ウケがいいのは間違いないと思います。
ホンダ「ヴェゼル」
大きさ、走り、使い勝手、そのすべてが“日本でちょうどいい”
広く使いやすい室内空間を持つコンパクトSUVとしてヒットモデルとなった初代ヴェゼル。2021年に登場した2代目モデルもその美点を引き継ぎつつ、クリーンでスマートな外観にチェンジしました。ヴェゼルもライバルたちとは少し異なるボディサイズが特徴です。ベースがフィットであることを考えるとコンパクトに分類したくなるのですが、4.3mを超えるボディはコンパクトより明らかに大きく、小さめのミドルコンパクトです。それが日本のユーザーに「ちょうどいい大きさ」だと受け止められている、とホンダの関係者が言っていました。
現行型ヴェゼルは力作だと思います。何はともあれスマートでクリーンな内外装のデザインがその最大の理由。ルーフの天地幅が薄いこととシンプルなボディサイドのキャラクターラインなどのおかげで、旧型のややボテッとした印象から大きくイメージを変えることに成功しています。
ゆったりとした気分で運転してほしいという意図のもと、運転席からの視界はすっきりとデザインされ、モーターが主役の最新ハイブリッドの走りも穏やかなセッティングです。ベースとなったフィットの美点である室内空間の広さや後席の多彩なアレンジなどはこのヴェゼルも受け継いでいます。サイズだけでなく。走りも含めた使い勝手の部分でも「日本でちょうどいい」感じがするSUVです。
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高級系とコンパクトで二分する「女子に人気のSUV」
女性に人気のSUVはトヨタランドクルーザーやハリアー、レクサスNXなどの高級系と、トヨタヤリスクロス、トヨタライズ、スズキハスラーなどのコンパクト系の2つに分かれることがアンケートの結果からわかりました。自分で運転するならコンパクト、助手席に乗るなら高級系、というこれまでの既成概念が、特に若い世代の女性には当てはまらない、という結果も見てとれます。人気カテゴリーゆえに続々と新型車が登場するSUVは、新しいモデルであれば走りも乗り心地も安全性能も不満のないモデルが揃っています。多くの女性は外観でSUVを選んでいるようですが、昨今のモデルであれば、そんな選び方でも良いのではないでしょうか。
カルモマガジン編集長 馬弓良輔(まゆみよしすけ)
旅行やクルマ雑誌の編集長を歴任し、2017年8月から現職。クルマは見た目が5割、走り味が4割、あとの1割は「運命の出会い」というのが自身のクルマ選びのモットー。走り屋ではないが長距離ドライブを好み、最近の愛車はSUVを乗り継いでいる。が、しかし他にも隠し持っているクルマがあるとかないとか・・・。