長い間ブライダルの老舗企業として知られていましたが、近年は「総合プロデュース企業」として歩みを進める株式会社八芳園。その八芳園と、福岡のFMラジオ局「コミュニティラジオ天神 FM」、通称”コミてん”が7 月12日(水)、インバウンド誘致等に向け相互の連携を強化することを定めたパートナーシップ協定を締結。
各社の資源やノウハウを有効に活用し、協働で交流文化創造 拠点の創出や地域資源の販路拡大に取り組み、地域活性化やインバウンド増加を目指します。
各社の強みや資源を生かし協働でコンテンツプロデュース・地域文化を発信、地方活性やインバウンド増加目指す
意外とも思える今回のタッグ。パートナーシップ協定締結の背景には、福岡の観光エリアマネジメントの取り組みの一環として、コミてんの情報発信力と八芳園のコンテンツプロデュース力を組み合わせ、福岡エリアのインバウンド誘致を強化する狙いが。
婚礼事業で培ったノウハウを活かし、国内外の宴会事業やMICE(ビジネストラベルの一つの形態)等をプロデュースしている八芳園。 東京2020大会ではホストタウン事業参画の経験から、地方自治体との連携を一層深め、2020 年に白金台でポップアップ型ショールーム「MuSuBu」もオープンしました。
これまですでに120以上の自治体のショールームを手掛け、東京から地域の魅力を再発見するきっかけを提供しています。
一方コミてんは、福岡市中央区大名にて九州各地をはじめとする多くの企業や自治体とタイアップしたイベントを多数開催。
これまでの八芳園のノウハウを活かし、福岡エリアの観光資源の発掘と活用に貢献し、 “交流文化創造拠点”を創出すると供に、コミてんが持つコミュニティスペースとメディアコンテンツを組み合わせることにより、インバウンド誘致及び滞在中の地域交流・活性化にも寄与するとの考えのもと、協定締結に至ったと言います。
パートナーシップ協定締結にあたり「調印式」も実施
パートナーシップ協定締結にあたり、7月12日(水)には八芳園が運営するポップアップ型ショールーム「MuSuBu」にて調印式を実施。 福岡を中心としたエリアの交流文化創造拠点創出や、インバウンド誘致に関する協定項目について紹介しました。
今回のパートナーシップ協定締結は、2社が手を結び、 八芳園のポップアップショーケース型のビジネスモデルを地方都市に展開していく第一弾の取り組みでもあります。
目指すのは地域密着型の情報発信力をもつコミてんのコンテンツと組み合わせることによる、福岡並びに周辺エリアの観光やインバウンドの強化。
福岡を中心としたエリアの食材を使った商品プロデュース、地域文化の発信など8項目を制定し、地方の文化を掘り起こし、各地を結ぶ役割を担う、「交流文化創造」を推進します。また、2015年から始まっている福岡県福岡市中央区の天神・大名エリアの大規模な再開発計画「天神ビッグバン」をきっかけとした今後の国際交流都市計画を見据え、インバウンドを踏まえた福岡県や他地域と連携を通した観光産業の振興と MICEの強化も進めます。
協定締結にあたり、八芳園取締役社長の井上氏は「『コミュニティラジオ天神 FM』と連携することで更なる情報発信の強化が図りたい」と言い、株式会社コミュニティメディアパートナーズ福岡代表取締役の金山氏も「ラジオメディアの「コミュニティラジオ天神 FM」での福岡や九州エリアの情報発信を東京の「MuSuBu」と連携することで、広範囲での情報発信とコミュニティ形成を行っていければ」と話しました。
協定8項目
1福岡を中心としたエリアの交流文化創造拠点創出に関すること
2福岡を中心としたエリアへのインバウンド誘致に関すること
3福岡を中心としたエリアの観光コンテンツの磨き上げに関すること
4福岡と東京・徳島はじめ全国との交流文化創出のための連携に関すること
5地域の魅力発信とイベント促進による地域活性化へ寄与すること
6地域資源(農畜産物・加工品・伝統工芸品等)の販路拡大に関すること
7交流文化創造に関わる次世代育成に関すること
8その他上記の目的を達成するために必要な事項に関すること
『MuSuBu』と『COMI×TEN Café』で福島の桃を活用したポップアップイベントも開催
協定における具体的な取り組みの一つとして、これまで『MuSuBu』でプロデュースしてきた地方自治体と連携したポップアップ型ショールームを連動開催。
その第一弾に、今が旬の福島の桃を体感するポップアップイベントが行われました。東京 2020 大会では、世界のアスリートたちも魅了した福島の桃。産地である福島では、安心・安全な食を届けたい想いで桃を育てている生産者さんや次世代を担う高校生たちが、さまざまな取り組みを行っています。
今回のショールームでは、福島の桃や GAP認証農産物を使った限定メニューを販売。一部のメニューや物販は東京だけでなく、福岡『COMI×TEN Café』並びに現在八芳園と連携協定を結ぶ、徳島県松茂町の施設『マツシゲート』でも連動して販売し、3つの拠点で新たな交流を創出しました。
80周年の2023年、アフターコロナを見据え観光産業へ本格参入する八芳園が構想する「交流文化創造」
2023年に80周年を迎えた八芳園。料亭からはじまり、婚礼事業で培ったノウハウを生かし、国内外の宴会事業をプロデュース。東京2020大会におけるホストタウン事業での経験から、地方自治体との連携をより一層深めています。
これらの知見から見出した観光産業への課題として地方活性化に着目し、地方活性化のために八芳園の経験から導き出したのが「交流文化創造」構想。「交流することで、文化が融合し、新たな価値が生まれる拠点を生み出す」ことを目指します。
この「交流文化創造」の概念をもとに八芳園では、地方の文化を掛け合わせ、世界に誇れるジャパンコンテンツを開発し、地方との交流を生み、文化に触れる拠点づくりを行っています。「交流文化創造」拠点の先駆けとして、コロナ禍を機に、地域のコミュニティと連携を強化し、地 元の人々が主体となるイベントやプロジェクトを支援する拠点、「MuSuBu」をオープン。地域のお祭りや地域おこし活動など、白金を拠点に、 地域の魅力を引き出すイベントを毎週企画し、地域の魅力を再発見するきっかけを提供しています。
2023年はアフターコロナを見据え、日本の中核産業でもある観光産業に本格参入。婚礼事業と観光事業の2軸で成長を目指します。国外の観光誘致の支援および日本国内の関係人口を創出し、地域間の文化交流により理解を深め、新たな価値を創造。その第一歩となるのが今回のコミてんとのパートナーシップ協定締結です。
時代に合わせた新たな取り組みを続々と進める八芳園に、今後も注目です。