第一三共ヘルスケア株式会社の解熱鎮痛剤ブランド「ロキソニン®」は「生理痛と正しく向き合える社会へ」をコンセプト に様々な活動や発信をしています。そして今回、「みんなの生理痛プロジェクト」高校教師向けセミナー・ワークショップを開催 。産婦人科医の先生より改めて生理のメカニズムを学べ、多くの人が悩む生理痛との向き合い方や、周りの人の対応などについても考える機会となりました。

「みんなの生理痛プロジェクト」高校教師向けセミナー・ワークショップとは?

ロキソニン®と女性のウェルネス課題の解決・支援事業を行うFermata、埼玉県立大宮南高等学校の三者がタッグを組み、今年12月に 同高校の1年生に向けて「生理痛について学び・考える授業」を実施します。授業実施に向けて、まず初めに、学校生活の中で日々生徒と向き合っている教師が生理・生理痛について改めて学び、生徒が自分ごと化できる授業の内容を考えるセミナー・ワークショップを開催。それが今回参加してきた「みんなの生理痛プロジェクト」高校教師向けセミナー・ワークショップです。

産婦人科医から学ぶ生理について

ワークショップではズームのオンラインで産婦人科医 高尾美穂先生が生理や生理痛についてわかりやすく説明してくれ、改めて学ぶことができました。

「生理を起こす臓器は女性特有の臓器である子宮です。意外かもしれませんが、子宮は実は筋肉でできている臓器です。この筋肉は自分ではコントロールできない筋肉です。その隣にある臓器、卵巣がつくるホルモンがあることで子宮は働くことができます。生殖機能を司どる卵巣は男性にとっての精巣にあたります。それぞれの臓器の大きな違いは男性の精巣は生きている間に働き続け、女性の卵巣はだいたい50歳くらいで働きを終える期間限定の臓器になります。生殖機能にタイムリミットがあるのが女性の卵巣ということになります。そのため、子供を持つのか?いつ持つのか?など自分がどういう人生を生きていきたいのか若い時から一度、考えてみることがとても大切だと考えています。」と説明します。

更に次のように続けます。「卵巣のつくるホルモンの中でよく知られているのが、女性ホルモンと言われているエストロゲンです。お肌や髪のつやを保つ、骨を強く保つなど、体の内側でさまざまな働きをしています。そんなエストロゲンがたくさん分泌された後には排卵が起こります。排卵直後から分泌量が増えるプロゲステロンは受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させる妊娠の準備のためのホルモンとも言えます。そして妊娠をしていないと、妊娠のために用意した赤ちゃんのベッド、子宮内膜が今回は使われなかったと、剥がれて体の外に出ていくことが生理となります。生理は妊娠のために準備されているという考え方を持つことがいいでしょう」と生理の仕組みについて丁寧に教えてくれました。

産婦人科医から学ぶ生理痛について

生理痛については次のように語ります。「子宮は筋肉でできていると説明した通り、子宮内膜は筋肉でぎゅーっと握りつぶす形で押し出されていくような仕組みで生理となります。そして、経血として体の外に押し出す働きをする「プロスタグランジン」が生成されます。この生成が多いと、子宮の収縮が過剰になってお腹や腰が痛くなるなどの生理痛が起こります。」

「痛みはもちろんですが、痛すぎて気持ち悪くなったり、メンタルが落ちたりと生活に支障が出る状態を月経困難症と診断されます。昔は生理は病気ではないから我慢しなさいと言われていた人もいたかもしれないですが、社会は進化していて、現在では症状として診断され対処されるべき課題になってきているということを知って欲しいです。婦人科で検査をしても生理痛が重い原因となる病気が見つからない場合は機能性月経困難症との診断となります。

「一方で生理痛を重くする代表的な病気として子宮内膜症などがあります。こちらは器質性月経困難症と診断されます。また、生理痛にあまり困ってない人に比べて、生理痛が重いと感じていた人の方が将来的に子宮内膜症を引き起こす可能性が高いことがわかってきています。そのため、若い時に気づくことで子宮内膜症の予防にも繋がることにもなるんです。子宮内膜症は体調だけでなく、妊娠にも関わってきます。そのため、生理痛は若い時から対策すべき課題となります。」

と生理痛に向き合う重要さを教えてくれました。

生理痛の対策・アドバイス

高尾先生は生理痛時のアドバイスとして「「プロスタグランジン」がたくさん作られてから痛み止めを飲んでも効果が効きづらいため、早めに飲むのが大切です。そのため、生理痛が辛いという方には痛み止めを早めに飲むようにアドバイスすることも大切です。また、婦人科に相談すれば低容量ピルも処方してもらえます。このように対策して、自分の痛みに効く方法を知っておくのもいいと思います。」と話します。

教師が参加するワークショップ

3グループに分かれた埼玉県立大宮南高等学校の教師たちは机に置かれたポストイットやマーカーを使ってワークショップを開始。「学校」や「痛み」、「生理」のイメージをそれぞれ言葉や絵で表すワークではたくさんのポストイットが貼られました。

皆さん真剣に話し合ってアイディアを出しているのも印象的でした。

産婦人科医の先生のお話やワークショップを通して最後の「学校としてできることは?」というテーマでは相談できる場所をつくる、このようなワークショップや各教科で正しい知識を学ぶ場をつくる、保険便りで情報発信、生理が重い体調が悪くなりやすい生徒を教師全体で情報共有する、子供を持つことも人生プランの一つなので、キャリア形成に置いて、生理と向き合うことも唱えていく、授業内で職業調査をする時に生理についての話もしていくのもいいと思うなどの意見が出ました。

全体としても、生理痛の辛さはキャリアに大きく影響を及ぼすことは学生時代から知っておくべきことだという認識となったことは、このワークショップの大きな収穫です。このようにワークショップを学生時代の若い頃から経験することで、男女に関わらず生理に対する知識や対応力が備わり、生理痛で困らない社会へと変化していくのではないでしょうか。皆さんも今回の内容をもとにご自身の状況に置き換えたりと、参考にしてみてくださいね。