厚生労働省が10月に発表したデータでは、例年より早い段階でインフルエンザの患者数が大幅に増加しています。今年は3 年ぶりの行動制限のない冬ですが、感染症予防などの観点で、例年以上に「免疫対策」 に注意をする必要があると想定されます。
また、イシハラクリニック副院長 石原新菜先生によると、“観測史上最も暑い夏”となった今年は、記録的な猛暑の影響で外出控えによる運動不足、エアコンの使用による身体の冷え、さらに秋口の気温の変化による室内外の気温差で、自律神経のバランスが乱れ、免疫機能の低下につながっている恐れがあるそう。
そこで、キリンホールディングス株式会社が、自分自身の体調を守るために重要な「免疫のケア」を啓発する官民連携活動「げんきな免疫プロジェクト」の一環として、医師・看護師600名を対象に「免疫の低下に対する危惧」に関するアンケートを実施。
2023年の気候や環境などを鑑み、今年の冬における生活者の免疫低下を危惧する注意の度合いを「警報」「要注意」「注意」「安心」の4段階で表現した指標として、【免疫注意報】を作成しその度合いを尋ねたところ、医療従事者の約8割が今年の冬は「警報」もしくは「要注意」と回答。その理由として「脱マスク/行動制限の解除」や「記録的な猛暑」が挙げられました。
今年の冬はこれまでとは違う?免疫注意レベルが「警報」または「要注意」なワケ
医療従事者600名に、今年の気候や環境などを鑑みて免疫の低下に対する危惧と、それに伴う免疫のケアに注意すべき度合いを【免疫注意報】で示すとどのレベルとなるかを尋ねた調査。
「警報(例年に比べてしっかりと注意した方がよい)」が 23.8% 、続いて「要注意(例年に比べてややしっかりと注意 した方がよい)」が 53.2%となり、あわせて約8割(77.0%) が例年よりも注意した方がよいと答える結果となりました。
今年の冬の免疫低下や免疫のケアの注意度に影響を与える要因については、「脱マスク/行動制限の解除」の影響があると答えた人が約7割(66.3%)、「記録的な猛暑」の影響があるという回答が約8割(81.5%)。
暑さは来年以降も続く可能性もありますが、今年特有の要因が重なることによって免疫低下を懸念する声が多数となっており、例年よりも免疫のケアに注意すべきという意見が多いことがわかります。
まさにこの時期!?気温15°C・湿度40%を下回ったら免疫低下に注意!
一般的に、冬になり気温15°C・湿度40% を下回ると、風邪症状などを伴う軽度な病気、感染症に罹患する確率が上がると言われており、これについて改めて注意レベルを尋ねた質問では、「注意したほうがいい」と回答した人は約7割(68.3%)という結果に。
気温変化による免疫対策の必要性について、イシハラクリニック副院長石原 新菜先生によると、
「気温や湿度が低下するとウイルスは表面の水分を失い空中に浮遊しやすく、生存期間も長くなるため、 感染も拡がりやすくなります。また、空気の乾燥と低温は、上気道で病原体のバリ アとなる粘膜の免疫機能低下につながります。毎日の予防習慣として、気温15°C・湿度40% を免疫注意の指標として生活に取り入れていくのが健康な体づくりにとって重要な指標のひとつです。快適な気温と湿度で過ごすのは免疫機能の維持に重要なため、室内は 22~26°C、 湿度 50~60%に保つことも大切です。」とのこと。
生活する場所の気温や湿度を意識して調節することも健康な体作りの大きな一歩になりそうです。
食事でできる免疫のケア
続いて、「食事、栄養による『免疫のケア』は大切だと思うか」の問いには、約9割(87.8%)の人が食事、栄養による「免疫のケア」の重要性を認識しているという結果となりました(「とても大切だと思う」34.5%、「大切だと思う」53.3%)。
食事、栄養からの『免疫のケア』について有効だと思うものとして挙げられたのは、「日常の食事で全体のバランス良くまかなう」が最も高く(59.3%)次いで、「ヨーグルトなど発酵食品のなかでも乳酸菌を摂る」が続きました(56.2%)。
食事でできる免疫のケアについて石原先生は、生姜やニンニクのほか、冬が旬で寒い地域で採れるもの、例えばれんこん・ごぼう・ほうれん草など体を温める食材を積極的に摂るのも効果的で、ほうれん草やにんじんに含まれるビタミンA は、粘膜を強化するIgA抗体を作る働きがあると言います。
腸内には免疫細胞の約70%が存在し、免疫と密接な関わりが。 ヨーグルト、キムチ、発酵食品などで乳酸菌や、そのエサとなる食物繊維を積極的にとることもおすすめだそうです。
監修
イシハラクリニック副院長 石原 新菜 先生
1980 年長崎市生まれ。幼少期をスイスで過ごし、帰国後は伊豆の緑豊かな環境に育つ。 医学生の頃から自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實と共にメキシコのゲルソン病院、ミュンヘン市民病院の自 然療法科、英国のブリストル・キャンサー・ヘルプセンターなどを視察し、自然医学の基礎を養う。 現在は父の経営するクリニックで漢方薬処方を中心とする診療を行うかたわら、 テレビ・ラジオへの出演や、執筆、講演活動なども積極的に行い、「腹巻」や「生姜」などによる美容と健康増進の効 果を広めることに尽力している。二児の母、また女性としての視点からアドバイスにも定評がある。
調査概要
対象 :医師、看護師(美容外科医師, 歯科医, 獣医師,薬剤師等を除く「看護師資格保有者」)
人数 :600名
年齢 :25歳以上
性別 :男女
エリア:全国
調査方法:インターネット調査
実施期間:2023年9月28日(木)~10月3日(火)
げんきな免疫プロジェクトについて
マスク着用が屋内外問わず個人の判断となり、5月8日(月)からは規制緩和も行われました。
これまでのルールが変わり、マスクを外す機会も増え、元通りの日常に近 づきつつある一方で、日々の生活に不安を感じられる方も多いのではないでしょうか。「免疫のケア」が自分や周囲を守ることに繋がると発信することで、生活者ひとりひとりが、元気で前向きに、安心して過ごせる日常に貢献 していきたいと考え発足したのがこのプロジェクト。
「なんで?免疫ケア」というキーワードと、「チコちゃん」をフックに、日本全国のさまざまな生活シーンで「免疫ケア」の重要性を発信中。
今後も、交通広告、薬局等での免疫の啓発活動、運動を通じた「免疫ケア」のプログラムの開発・発信、参画企業や協力自治体と連携した活動などを順次展開していきます。