2023年11月23日、東京都小平市のフューネラルリビング小平にて「写真供養祭」が開催されました。

供養された写真は、前日までに66組分が集まり、当日の立ち合いは15名限定(予約制)。奈良県より法相宗大本山 奈良薬師寺僧侶を招き、法要が行われました。

初めての写真供養祭

フューネラルリビング小平では、これまでも思い入れのあるぬいぐるみやひな人形などの人形供養祭を実施していましたが、「故人の写真をどうしたら良いかわからない」「遺影をどうしたら良いかわからない」との声を受け、今回の写真供養祭が実現しました。

「供養」は葬式ではない。僧侶のことば

「写真にはそれぞれの想いがあると思います。もしかしたら何かの身代わりになってくれたり、助けてもらったこともあったかもしれません。「供養」というのは、決してこの写真のお葬式をしているという意味ではないんです。お葬式でないのです。一区切りのお勤めを、お役目を終えたその感謝の気持ちの供養という形になります。

薬師寺はお葬式はしません。もともとのお釈迦様の教えというのは、亡くなった方を対象にしていないんです。簡単に言えば、今生きている人がどうしたら幸せになれるのかという、勉強の場所なのです。

写真を供養する、というのは、海外にはない日本独自の文化ではないかと思います。これがなくなると、日本ももっともっと大変なものになってきてしまうかもしれません。

今こうやって我々が今の時代の我々だけがいいのではなくて、この先何を残していかなくてはいけないのか。そのために今我々には何ができるのか、そういうものを皆様少しずつお考えいただきながら、心の安穏、心の平和、そして世界平和というものを少しずつ皆様と一緒にお祈願をさせていただきたいと思います。」と挨拶しました。

持ち込まれた写真は遺影や会社の歴史など

今回持ち込まれた写真は、亡くなったご両親や友人、先祖代々の遺影、会社の歴史などどのように処分したらよいかわからず保管していたという物でした。

今回は郵送での受け付けはせず、すべて手持ちで持ち込まれたものです。

参加された方の感想

「このような会をしていただけてすごく嬉しいです。写真がたくさんあるので、今までどう処理をしたらいいのか悩んでいたので、すごく心が休まりました。」と語ったのは、隣の市からお越しになったご夫婦。亡くなられた101歳のお母様と95歳のお父様お写真を供養祭に持ち込まれました。

お子様と出席された方は「なかなかこういう機会がないので、社会勉強の一環として一緒に参加しました。親戚の古い写真なのでどうしたら良いか分からなくて。捨ててしまうのも忍びないと思い、持ち込みました。」と話していました。

「心の整理がついたというか、捨てるということではないので、手放す決心がつきました。お別れを言える空間というのはすごく貴重で大事だな、と思いました。」とみなさん、ホッとした、心が休まったと声をそろえていました。