江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から 磨き上げ、世界へと発信していく【江戸東京きらりプロジェクト】現代アートの分野で国内外問わず幅広く活躍する舘鼻則孝を展覧会ディレクターとして招聘し、展覧会「江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合-」を期間限定で実施します。

「江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合-」

本展覧会は 2021 年より毎年継続して開催。

東京都の伝統産業事業者を舘鼻則孝氏のコラボレーターとして迎え「 日本文化の過去を見直し現代に表現する」という舘鼻氏の創出プロセスである「Rethink(リシンク)」を起点として、歴史ある伝統産業の価値や魅力を新たなかたちで提案しています。

本年は、新たに制作されたアート作品や伝統産業事業者が保有する貴重な歴史的資料を、国の重要文化財である旧岩崎邸庭園にて、2024年3月1日より10日まで開催いたします。

伝統産業事業者によるワークショップも開催!

展覧会開催期間には、江戸東京の伝統を体感いただくことのできるワークショップも実施します。
申し込みは、旧岩崎邸庭園オフィシャルサイトにて先着順です。詳しくはホームページをご参照ください。

展覧会ディレクターを務める現代美術家 舘鼻則孝氏からのメッセージ

江戸東京きらりプロジェクトのコンセプトである “Old meets New”。

東京には、江戸、明治、大正、昭和、平成、令和の時代にまで続く、数多くの「老舗」が存在しています。そして、そこにはさまざまな技、文化、伝統が息づいている。そうした東京の魅力を国内外に伝えたいという思いからスタートしたのが本プロジェクトになります。今回、その活動の一環として開催される「江戸東京リシンク展」に、私は、作家としてだけでなく、展覧会ディレクターとしても参画しています。私はこれまで “Rethink” という言葉を冠した展覧会をいくつか開催してきましたが、本プロジェクトのコンセプトである “Old meets New” と “Rethink” という概念は多くの共通点を有していると考えています。

“Rethink” が意味するところを簡略化して言うなら、途切れることなく続く日本の伝統、あるいは文化を、現代においてそのまま再現するのではなく、現代的な意味を加えて表現するということです。そのため、私の作品はすべて、日本のこれまでの歴史、文化があってこそ、成立しているとも言えます。その点において、“Old meets New” と “Rethink” は同義であり、だからこそ、これまで数多くの伝統工芸、伝統芸能とコラボレーションする形で、過去と現在をつなぐ活動をしてきたのです。時代は変わっても変わるべきでないもの、時代が変わるからこそ変わるべきものを見極め、伝統を次の 100 年に残していくために、今、私たちが何をなすべきか。伝統をどう現代的な意味づけをして打ち出していくか。今回の展覧会は、東京の魅力を伝える場であるとともに、私たち自身がリシンクするための機会でもあるのです。

展覧会開催以来、最長の会期とのこと。ぜひ作品と鹿鳴館の建築家として有名な英国人ジョサイア・コンドルの設計で近代日本住宅を代表する西洋木造建築”旧岩崎邸庭園”をお楽しみください。