障害者雇用における数多くの壁を日本企業全体で乗り越えることを目指したプロジェクト「ハンディキャップアクション2425」が発足しました。
現在、従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があり、民間企業の法定雇用率は2.3%となっています。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければならない計算となりますが、厚生労働省が発表した「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」によると達成企業の割合は50.1%で、約半数の企業が未達成という状況です。そういった状況の中、2024年4月からは法定雇用率が2.5%に引き上げられ、企業はさらなる対応に迫られています。そもそも多くの企業が障害者雇用に対して様々な課題を抱えていて、十分な対応ができていない状況でもあります。また、雇用者自身のミスマッチによる早急退職や健常者との賃金格差なども問題視されています。そういった企業側・求職者側それぞれが抱える課題を大きく5つの乗り越えるべき「壁」と定義し、様々な企業が抱える障害者雇用における壁を一企業が抱えるのではなく、今回の法定雇用率引き上げを契機として全ての日本企業が自分ごととして考えて、互いに助け合う新プロジェクト「#ハンディキャップアクション2425」が発足しました。
■今回定義した障害者雇用の「5つの壁」
①定着率が低く、離職率が高い。
②そもそもの求人が少ない。
③採用が難しい。
④配慮事項や体調管理が難しい。
⑤障害に合わせた業務が切り出せない。
まず、具体的なアクションとして日本最大規模・障害者雇用のためのサテライトオフィスが新たに設置され、より多くの障害者の方が働け、企業と共創できる環境が整備されます。また、日本では障害者の方向けとしては初めてとなる「生成AI業務サポートを目指した特別プログラム」が「エラビバ 就労移行」でスタート。一般社会においても、今後ますます生成AIを活用した業務が増える見込みであり、障害者雇用においても生成AIでのサポート業務が求められる事を想定しています。障害者の方でも生成AIを活用した業務をサポートできるような特別プログラムとなっているのが特徴です。
■「#ハンディキャップアクション2425」とは
2024年4月からは法定雇用率が2.5%に引き上げられるが、障害者雇用に対して、企業側は適性・能力が発揮できる仕事への配置や従業員の障害への理解などの課題を抱えている。一方で、雇用者自身もミスマッチによる早期退職や健常者との賃金格差などの課題を抱えている。障害者雇用における課題を“5つの壁”として定義し、それぞれの壁を乗り越えるアクションを元に、企業側・雇用者側の双方の悩みを解決することを目指す。2024年に2.5%引き上げということで“2425”との名称になった。
■「5つの壁」に対する具体的なアクション
・日本最大規模、障害者雇用のためのサテライトオフィスを設置する。
(新宿エリアに2カ所合計、最大380名収容)
・日本初、当社運営「エラビバ 就労移行」にて障害者の方向け「生成AI業務サポートを目指した特別プログラム」開発
そしてつるの剛士さんをゲストに迎えた発足記者会見も開催されました。
「誰もが自分らしく生きられる世界」というテーマについて、つるのさん自身もコロナ禍で保育の勉強をし、その際に福祉についても学んでいるそうで、更に、現在非常勤で働く幼稚園の現場でも障害者の子ども達と触れあう機会があるため、日頃から考える機会が多いとコメントしていました。
障害者の方との接し方についても、「一言で障害といっても身体、知的、精神障害など、色々あり、我々もどういう風にケアをするかや、どこまでサポートをするかを経験する必要があると感じている。」と話し、当事者にならないと分からないようことも、創造力を常に生活の中で働かせることが大事だとコメントしていました。