みどころ1.レトロな文化財建築の空間を活かした没入体験
当時の最先端のファッションを、銀ブラや職業婦人、夜会などのキーワードで、映画や舞台のワンシーンのような空間とともにご紹介する「モダンガールの装い」をテーマにした会場や、部屋いっぱいにステンドグラスを配し、夜のバーをイメージした会場など、モダンガールが華やかに過ごした情景に入り込み、思わず写真を撮りたくなるスポットが登場。
他にも、文豪の名作と人気イラストレーターのコラボレーションシリーズ「乙女の本棚」(立東舎)より、江戸川乱歩の『人でなしの恋』をパネル展示するとともに、物語に登場するシーンを立体展示で表現し、モダンガールが生きた時代の文学世界へと引き込みます。ドラマ化、映画化してほしいぐらいの内容で、物語の世界にぐっと引き込まれる展示でした。
みどころ2.さまざまな美術品でモダンガールを愉しむ
明治から昭和初期にかけて輸入された美しいデザインの香水瓶や化粧品などの舶来品や、それらをオマージュして生まれた国産品などを漁樵の間でご紹介。「モダンガールのおめかし」をテーマに、アダチヨシオコレクシオンより約80点を展示。今の時代にも通用するいやむしろ手が込んでるお化粧品のパッケージには、いつの時代にもコスメや美容に勤しむ”きれいになりたい”乙女心が垣間見えます。西洋に憧れたモダンガールたちへ、百貨店が総力をあげて舶来品を取り寄せていた時代。ひとつひとつのコスメを手にして、向き合うモダンガールの笑顔が想像できます。
竹久夢二や小林かいちの作品
また、静水の間、星光の間では、2024年9月に生誕140年・没後90年の節目を迎える竹久夢二、そして、京都のアール・デコとも称され、未だ謎多き幻の画家・小林かいちの作品を60点以上展示し、描かれたモダンガールが愉しめます。実際にはキラキラしたインクがきらめき、光沢感や紙の質感など肉眼でみるとより、作家を近く感じます。写真でみるのとでは、全く異なるのでぜひ近くでじっくりみてくださいね。
みどころ3.文化財「百段階段」をモチーフにした加藤美紀氏の新作を初披露
レトロな世界観や空想上の生き物など多様なモチーフや表現を駆使し、伝統や信仰、風土、そこに込められた想いをくみ取りながら、現代を生きる女性を描く加藤美紀氏が、今回のために書き下ろした作品を初披露。背景のモチーフになったのは、展示会場である頂上の間へつながる長い階段廊下で、加藤美紀氏と東京都指定有形文化財「百段階段」とのコラボレーションが実現しました。作品に描かれたアンティーク着物のコーディネート(スタイリング:大野らふ)も同時に展示しております。また、昭和初期、少女雑誌「少女の友」の人気画家として一世を風靡した中原淳一の複製画も展示し、大正から昭和にかけて現れたモダンガールから、現代を生きる女性画までをつなぎます。
モダンガールの資格十ケ条
十ケ条の中の第四条の中にある「洋酒と名のつくものは一通り飲んで、しかも名前を憶えなければならない」を体現できるバースペースが出現!実際にお酒の提供がないのが残念なものの、まるでタイムスリップしたかのような没入感が味わえます。
昨年開催の「懐かしく新しいニッポンの風景」で登場した「旅亭 雅楼(りょてい みやびろう)」という架空の旅館の名前がついたボトルがおいてあります。こういった伏線がイベントをまたいではられているなんて主催者側の遊び心が感じられて粋ですね。
今回知った新事実!
これまで数十回と訪れている東京都指定有形文化財「百段階段」。窓のさんにはコウモリや桜など部屋によって異なるデザインが施されています。今回、取材の際に教えていただき、新発見!こういった建物そのものの細部もご覧になっていただくとより楽しめます。
「昭和モダン×百段階段 ~東京モダンガールライフ~」開催概要
【期間】2024年3月23日(土)~ 6月16日(日)
【時間】11:00~18:00(最終入館17:30)※4月9日(火)は16:30まで(最終入館16:00)
【会場】ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
【料金】[当日券]一般 ¥1,600 / 大学・高校生 ¥1,000 / 小・中学生 ¥800※未就学児無料
【販売】ホテル雅叙園東京(一般入場券)/ 公式オンラインチケット(一般入場券、グッズ付)
【主催】ホテル雅叙園東京 【お問合せ】03-5434-3140(イベント企画 10:00〜18:00)
今回もみどころたくさん。東京都指定有形文化財「百段階段」の時代とマッチしていることから没入感がすごいイベントでした。GWのおでかけリストにいれてみてくださいね。