”足立区=治安が悪い”イメージは過去のこと。刑法犯認知件数は、平成13年のピーク時には16,843件でしたが、令和3年には3,212件と8割も減少しています。それに伴い「治安が良い」と思う区民の割合も当時の11%から59.5%まで上昇しています。しかし、区外から見た足立区の“イメージ”はいまだに昔のままで「足立区が治安が良いと思う」と答えた区外在住者はわずか7.4%。いまだに足立区に対するマイナスイメージは変わっていません。しかも、マイナスイメージを持った理由は実体験によるものではなく、「なんとなく」「メディア等の情報」との回答が約7割を占めています。足立区の今と区外から持たれているイメージとのギャップを解消し、根強く残るマイナスイメージを払拭するため、足立区は区外へ向けたシティプロモーションを本格始動します。

「足立区マイナスイメージ払拭プロモーション発表会」を開催

5月某日に足立区千住旭町にある東京電機大学で「足立区マイナスイメージ払拭プロモーション発表会」を開催されました。

足立区のリアルな“今”

発表会では、まず区から足立区のリアルな“今”と今回のプロモーションに至る経緯を説明しました。

マイナスイメージの最大の要因であった刑法犯認知件数は大幅に減り、治安は改善。加えて、千住エリアを中心に大学誘致に成功し、現在6つの大学が集まる学生のまちとしても取り上げられるようになりました。また、令和4年には悲願であった大学病院(東京女子医科大学附属足立医療センター)がオープンするなど、マイナスの改善だけでなくプラスの変化も次々と起こっています。今後も綾瀬・北綾瀬エリアの再開発など、まちの変化は続いていきます。

まちの大きな変化に伴い、大型マンションの建設等により若い世代の転入者が増え、今後もこの状況は継続する予想。未来へのポテンシャルを持ったまち、それが現在の足立区です。

一方で未だに区外からは「治安が悪い」というイメージが持たれています。このままの状態を放置すれば、自分の住むまちに誇りが持てなくなり、まちの活気や魅力が失われる恐れも。これでは足立区が長年かけて区民のみなさんと一緒に取り組んできた努力が水の泡になってしまう。

そこで、足立区の今とイメージとのギャップ解消へ動き出しました。

区外からのマイナスイメージを逆手にとったコンセプト「ワケあり区、足立区。」

発表したコンセプトは「ワケあり区、足立区」

足立区は良くも悪くも知名度自体はとても高い、これを活かさない手はないと考え、マイナスイメージを逆手にとったコピーにこだわりました。あえてネガティブにもとれる「ワケあり」という言葉を使い、目にとめてもらったところで、ポジティブな「ワケ」を発信していく。これが「ワケあり区、足立区」というコピーの狙いです。

足立区では、このコピーを携えたポスターを作成し、東京23区や足立区の近隣自治体在住の20~40代の方をターゲットに、足立区の今=リアルが掲載されている区ホームページ内の「特設サイト」へと導くため、交通広告やSNSを活用していきます。

マシンガンズ滝沢秀一さんと足立区シティプロモーション課長のトークセッション

続いて、足立区出身の人気芸人 マシンガンズ滝沢さんと足立区シティプロモーション課長 栗木 希とのトークセッションを行いました。3歳から22歳まで足立区で過ごしたという滝沢さん。幼少期の頃の足立区は本当に治安が悪かったとのこと。現在とのギャップを知った滝沢さんはとても驚き、足立区が治安改善のため、ビューティフル・ウィンドウズ運動(※1)でまちをきれいにする取り組みをしていると聞いた滝沢さんは、「ゴミ集積所を見るだけでそのまちの状況がわかる」とゴミ清掃員ならではの視点で話されていました。

また、足立区では給食を美味しくして、食べ残しを大幅に減らしたと聞いた滝沢さんは、「食品ロスについて考えていますが、給食の食べ残しを減らすために基本に返って美味しくするというのは大事ですね。」と足立区の取組みを評価いただきました。さらにシティプロモーション課長から、「足立区の学校はすべて自校調理で、化学調味料は一切使わず天然だしを使っており、子どもの頃から『絶対音感』ならぬ『絶対味覚』を養っている。」と伝えると、滝沢さんは「食育はとても大事だと思います。給食に力を入れているということは大人として安心する。」と話されました。

最後に滝沢さんから「足立区は23区のSECOND(※2)だなと思いました。足立区大丈夫?って言われるけれど、良い面がたくさんあって頑張っている人がいる。SECONDも売れてないけれど頑張っている面白い芸人が見直される大会。もう一度見直して、良いところを見よう。僕は足立区は未来に向かう区だと思う」と語っていただきました。

※1 「美しいまち」は「安全なまち」をキーワードに、まちをキレイにすることで犯罪を抑止する運動。1990年代にニューヨーク市で、治安改善に成果を上げた「割れ窓理論」(割れた窓ガラスを放置するような軽微なことから地域全体が改廃し、犯罪も増加するという理論)から着想を得た足立区独自の取り組み。

※2 「THE SECOND~漫才トーナメント」2023年より開催された、芸歴16年以上の漫才師による大会

「ワケあり区、足立区」特設サイトをオープン!

「足立区マイナスイメージ払拭プロモーション発表会」を皮切りに、6月から北千住駅構内へのポスター掲示や鉄道車内広告、SNSの発信など、本格的な区外へ向けたシティプロモーションが始まります。

それに先立ち、足立区のリアル=“今”を区外の方に知っていただくために、足立区ホームページ内に区の魅力や先進的な施策を足立区の「ワケ」としてまとめた特設サイトをオープンしました。サイト内には、足立区でイキイキと活動している方々のインタビューを掲載した「足立区のワケありな人々」、足立区の先進的な取り組みをまとめた「足立区が住みやすいワケ」のほか、足立区の特徴がひと目でわかる「足立区ってどんなまち?」、区外へ向けたプロモーションに至る経緯が書かれた「ワケあり区を始めるワケ」など盛りだくさんの内容になっています。

ぜひ固定概念を持たずにのぞいてみてくださいね!