東レインターナショナル株式会社は東レグループが定める「サステナビリティ・イノベーション事業」の推進を目的として、2024年6月より廃棄物削減を目指してアップサイクルブランド「TSUTSU(ツツ)」を立ち上げ、そのプロダクトの第一弾となるアンブレラ製品の販売を開始。発表会が開催され参加してきたのでレポートします。

現場から発案された事業

発表会当日は東レインターナショナル株式会社 代表取締役社長 片岡 智彦氏が登場し、次のように語ります。

「このアンブレラ製品はまさに現場から発案されたものです。企画の提案を受けた時に弊社の全社方針でもある『つなぐ、創る、つき抜ける』が盛り込まれていると思い、やってみようということで今日に至りました」

アップサイクルの具体的な背景とは

その後に東レインターナショナル株式会社 アパレル製品第2部 事業開発課長 山口氏がプロダクトについて説明。

アップサイクルの具体的な背景としては、ダウンウェアやレインウェアなどで使われる東レインターナショナル株式会社の「ナイロン6」が生産や生地の流通段階で余剰生地や廃棄があるため、その部分を活用してアップサイクル製品がつくれないかとスタートしたと話します。そうすることで「ナイロン6」の廃棄が減ります。

加えて、「ナイロン6」はケミカルリサイクルで、かなりの確率でリサイクルできると見込んでいて、傘の布部分を回収して再度リサイクルも検討中と説明しました。また、傘地部分が古くなったらユーザーが簡単に取り替え可能な仕様にもなっていて、永く使えるロングライフ設計にもなっています。

今回、なぜ傘になったかというと、日本人の年間傘消費量が8000万本以上で、そのほとんどがビニール傘。日本では傘は使い捨てアイテムとして定着してしまっているためです。

高機能でありながら軽くて持ち運びにも便利

このアンブレラ製品は「折り畳み傘以上、長傘未満」サイズのオリジナルのデザインを展開し、軽量・高強度・高耐久であるカーボンファイバーを傘骨に採用。8本骨でしっかりしてますが重量は約230gです。高度な微細コーティング技術により優れた撥水性で実用的でありながら持ち運びにも便利とデザインも工夫されています。

傘の先端は壁に立てかけられる先端キャップになっていて、広い面積で安全性にも配慮されています。また、パラシュートランナーでスムーズで滑らかな開閉感です。

特に便利だなと思ったのは手に馴染むハンドル部分に穴が空いていて、カラビナなどつけてベルトに通したり、カバンにつけたりできること。

カバーも防水仕様で雨で濡れた傘を入れてさっとどこかに取り付けたら、傘をなくすことも減りそうです。また両手が開くのも便利ですよね。

クラウドファンディングスタート

販売に関しては、CCCグループのクラウドファンディングサービス「GREEN FUNDING(グリーンファンティング)」にてプロジェクトを開始。また二子玉川にある蔦屋家電+や代官山TSUTATA書店でもポップアップによる展示を行い、自由に傘を触ってもらい使用感を感じてもらえる場をつくっていきます。

https://greenfunding.jp/lab/projects/7814

ビニール傘大国日本ではありますが、サステナブルな社会や環境について考えた時、このような傘が登場したことで、少しずつ変わっていくきっかけになるかもしれませんね。