8月21日、東京都内で、「静岡市×Aホールディングス 包括提携式・調印式」が行われました。

亜臨界水総合システム特許技術により次世代型水テクノロジーによる環境汚染ゼロ社会を目指す株式会社Aホールディングスと静岡市が連携協定を締結することで、国内外のPFAS汚染問題解決を静岡市から世界に発信していきます。

静岡市×Aホールディングス連携協定の背景

イベントではまずはじめに、静岡市長 難波喬司氏が登壇。昨年秋、静岡市清水区のある工場が、過去にPFASを使用していたことが判明したと説明しました。市が、ただちに工場周辺や市内主要河川のPFAS濃度の調査を実施した結果、当該工場の正面に位置する「三保雨水ポンプ場」で国の暫定基準値を大幅に超える高濃度PFASが検出されたそうです。

そのような状況下、Aホールディングスは「亜臨界水総合システム」による汚染除去技術を静岡市に提案し、最大88.7%の汚染除去に成功。静岡市とAホールディングこの結果を受けて、「環境中のPFAS除去・無害化に関する取り組みの推進およびSDGs環境先進都市を実現する『亜臨界水総合システム』社会実装のための連携協定」を締結するに至ったと言います。

※PFASは有機フッ素化合物の総称で、分解されにくいことから「永遠の化学物質」とも呼ばれ、人体への悪影響も指摘されるなど世界各国で問題視され、規制が進んでいます。PFAS汚染除去のための抜本的な解決策を見出すことは容易ではなく、静岡市では、活性炭を使った浄化装置の設置など問題解決の可能性を模索してきました。

「亜臨界水総合システム」とは

続いてAホールディングスが、亜臨界水総合システム特許技術について紹介。

亜臨界水総合システムとは、従来の亜臨界水処理技術を応用したAホールディングス独自の次世代装置。Aホールディングスは、システムを構成する亜臨界水処理装置、各種発酵装置、加圧浮上分離装置という三つの装置のうち、加圧不浄分離装置によってPFASを大幅に除去することができると考えました。

Aホールディングス 代表取締役社長粟井 英朗氏は、「PFASによる環境汚染問題は日本全国で被害が報告されています。当社は静岡市と連携し、静岡市の課題解決のための亜臨界水総合システムの社会実装化を行うとともに、更には静岡市を拠点として、全国のPFAS汚染問題の解決に向けた取り組みに挑戦します。本技術により、日本のみならず、世界中の皆様が安心して暮らせる水と地域を取り戻すことを実現します。」と意気込みを語りました。

さらなる「亜臨界水総合システム」の社会実装、SDGs先進都市の実現へ

さらに、Aホールディングスの「亜臨界水総合システム」は、PFASの汚染水からの分離除去だけでなく、PFASを無害な分子レベルまで分解することが可能とのこと。この技術は、トリチウムなど放射性物質の除去、産業廃棄物処理におけるCO2やダイオキシンの排出削減(ゼロ化)にも応用が可能。Aホールディングスは静岡市と連携し、この「亜臨界水総合システム」の機能を多角的に活用するための研究開発も推進し、SDGs先進都市・静岡市の実現はもちろん、山梨県、静岡県とも連携し、広域的なSDGsのモデル都市づくりを目指していくことを宣言しました。

今後は、Aホールディングスが新法人を設立し、静岡市がそれに参画することで、この「亜臨界水総合システム」の機能を多角的に活用するための研究開発が推進されていくと言います。新法人は、SDGs先進都市・静岡市の実現をはじめ、山梨県、静岡県とも連携し、広域的なSDGsのモデル都市づくりに貢献していくとのことです。