パルシステムは、9月30日より、オリジナル商品「こだわり酵母食パン」の原料小麦をすべて国産に切り替えます。長年愛されてきたこの食パンは、利用者からの「国産小麦で作ってほしい」という声を受け、3年かけて実現したこだわりの一品。パルシステムは、利用者の期待に応えるため、国内小麦の調達と安定供給に向けて、努力を重ねてきました。

パルシステムのパン製造工場、国産小麦比率が70%に

今回の取り組みにより、パルシステム独自商品を手がけるパン製造子会社(株)パルブレッドにおいて、国産小麦の使用比率は2024年度実績で70%以上に達する見込みです。これは、地元の農家との連携を強化し、安全でおいしい国産小麦の使用を徹底している結果です。

原料確保と製造スキルの確立で

「こだわり酵母食パン」で使用する原料の小麦は、これまで使用していた外国産(アメリカ・カナダ産)から国産(現時点では北海道産)に切り替えます。国内における小麦生産の拡大と製造ノウハウの蓄積で実現しました。

(株)パルブレッドの工場における発酵のようす

国産小麦への切り替えは、利用者からの要望を受けて3年ほど前から製パンの研究を開始し、国産小麦に適したスキルを積み重ねながら、安定生産に向けた準備を進めてきました。あわせて小麦の産直産地や製粉会社、メーカーと、作柄や作況などの情報を共有しながら、パンに適した国産小麦の確保をすすめ、価格、安定的な生産を検討し、商品化に至りました。

ホシノ天然酵母でじっくり発酵。焼き上げまで2日間かかります。

国産化に苦労したのは、扱いのむずかしいホシノ天然酵母を使っていることも理由です。ホシノ天然酵母は、豊かなうまみや香りを引き出すことができるうえ、お米由来の酵母ならではのやさしい甘みが魅力。ですが、1日足らずでパンが完成するイースト酵母に対し、生種起こしから発酵、焼き上げまで丸2日かかります。生地を膨らませるのにも時間がかかるので、原料の小麦粉には外国産のような“膨らみやすさ”が必要。そこで、小麦のできに左右されずに品質を保てるよう、北海道産を中心とした国産小麦粉のオリジナルブレンドを開発し、国産化の実現につなげました。

トーストしてバターを乗せていただきました。噛めば噛むほど、小麦の香ばしさが広がり、サクサクとした歯ごたえがあり、これまでに経験したことのないパンの味わいに感動しました。

40年以上愛されるロングセラー

「こだわり酵母食パン」は、発売から40年以上にわたり支持されてきたロングセラーです。原料に小麦粉、ホシノ天然酵母パン種、砂糖(PB「花見糖」)、食塩(同「海はいのち」)のみを使用し、仕込みから焼き上がりまで約2日かけてほぼ手作業で製造します。利用者からも「小麦本来の味がする」「ずっしりとした質感」「トーストしたときの食感と香りがいい」と好評です。

パルシステムは、これからも国産素材にこだわり、安心・安全な食材を提供し続けます。国産小麦のやさしい風味を感じられる新しい「こだわり酵母食パン」を味わってみませんか?