国内チェーン店で居酒屋、焼鳥屋として多くの人が利用する「鳥貴族」。10月1日よりこれまでチェーン店では下処理に時間がかかり商品化が難しいと言われ、使用されてこなかった“未使用部位”である鶏の希少部位を使用した「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」の提供を開始しました。今回はそれに伴う発表会に参加し、実際に試食もしてきたのでレポートします。

税込370円均一の「鳥貴族」

税込370円均一のお手頃価格で美味しい焼鳥が楽しめると人気の鳥貴族。国内での客単価は2,300円前後で20代〜40代を中心に、会社員や友人同士などでの来店が多いです。創業は39年目を迎え、今では国内だけではなく、台湾、韓国と海外にも店舗を拡大しています。

左下:もも貴族焼き(タレ)、 右下:鶏くりから串の蒲焼~バターソース~、 左上:チキン南蛮、 右上:とり釜めし

こだわりは国産鶏肉を使用し、自社で手づくりしているタレです。また、焼鳥の素材に合う塩の研究を行い、焼鳥の旨みを感じる「岩塩」を取り入れています。名物は「貴族焼」で1本90gのボリュームがあります。2024年人気串メニューランキングは1位「もも貴族焼き(タレ)」、2位「砂ずり(岩塩)」、3位「つくねチーズ焼」、4位「かわたれ」、5位「せせり(岩塩)」です。その他、とり釜めしやチキン南蛮も人気。どの料理もボリュームたっぷりで370円とは驚きですよね。

期間限定の「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」

今回、期間限定で登場する「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」は10月1日より国内チェーン店初となる鶏の希少部位を使った串としてスタートします。また、同じく10月1日よりグランドメニューにも新商品3品の追加と、人気メニュー3品をリニューアルし、提供を開始します。

「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」は、希少部位「鶏ムネのすじ肉」を使用。程よい脂とコリコリした食感が特徴です。うなぎを串に巻いて焼いた料理「くりから焼き」から着想を得て、鳥貴族らしく、鶏肉を使いアレンジした逸品。串にポテトフライでおなじみの、大人気バターソースを添えて提供します。バターソースを付け、お好みで山椒をかけて食べるのもおすすめです。

実際に食べてみると、お肉にはしっかりと弾力があり食べ応えがあります。胸肉よりもしっとり脂がのっていて美味しいです。こちらにバターソースをつけると甘しょっぱさが加わり濃厚な味わいになります。

筆者は山椒をかけてからバターソースにディップする食べ方が、ピリッと味が引き締まって美味しくて好きでした。

試行錯誤を重ねて完成したメニュー

今回の発表会では株式会社鳥貴族 代表取締役 真門 洋平氏から「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」のメニュー化に込められた想いや商品開発に至る背景、開発秘話などが語られました。鳥貴族では焼鳥に関してのメニュー開発をずっと続けてきました。その中で新しい部位を開発しようとなり、今回のメニュー開発に至ったと話します。

「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」に使用しているのは、ほぼ出回っていない部位「鶏ムネのすじ肉」。最初は1羽から10gしか取れない希少部位でした。基本の焼き鳥に使用される部位は1羽から40g~50g取れるので、とても少ないことがわかります。10gではメニューには使用できないため、鶏肉を供給している会社の現場に赴き、「どうしたらもっと、グラム数が取れるのか?」とカット方法を一緒に試行錯誤したことにより、1羽から20gが取れるようになり、今回の新メニューに使用できるようになったと真門さんは説明しました。また、この部位は小骨も多いので熟練したスタッフが手作業で丁寧に小骨を取って、1本1本串打ちしています。

新しい部位への好奇心や珍味としての開発でもありますが、未使用部位を使用することで、フードロスにもつながり、ベンダーやお客様、社会にとってもいい影響のある取り組みとなっていると話しました。

今回の「鶏くりから串の蒲焼~バターソース~」はレギュラーメニュー化はまだ未定で期間限定メニューとなっています。気になる方はお早めに食べてみてくださいね。