社会にいると、つい周りの意見に合わせてしまったり、強い人の意見に流されてしまったりしてモヤっとすることもあるかもしれません。そんな日本の世の中に残る同調圧力=「#ブラックルーティン」全国調査の結果を「FRISK」が公開しました。今回はそんな調査結果をレポートします。あなたはどう感じるでしょうか?

88.4%が「ブラックルーティンは無くなってほしい」

調査結果によると88.4%が「ブラックルーティンは無くなってほしい」、86.6%が「ブラックルーティンにストレスを感じる」と回答。また、全年代女性の方が「ブラックルーティン」を感じていることが明らかとなりました。しかも30代以上の人が特に感じている傾向にあります。

同調圧力による「ブラックルーティン」を感じる具体的場面について自由回答形式で聞いた結果を、シーン別で分類して集計したところ、オフィスシーン 57.7%と圧倒的多数な結果に。様々な価値観がある人が集まり、上司や部下と上下関係がはっきりしているオフィスでは自分を貫くことや意見の伝え方も難しいところがありますよね。

続いて 20 代~50 代の有職男女 2,400 人にオフィスシーンでの同調圧力による「ブラックルーティン」を伺ったところ、もっとも「ブラックルーティン」だと感じるシーンは「長期休暇は言いだしにくい」54.5% 。ついで、「職場の飲み会は断りにくい」53.0% 、「会議が長引いても抜けづらい」52.8% 、「上司より先に帰りにくい」52.0% 、「上司が出社だとテレワークしにくい」51.3%となりました。その他にも、もっとも「ブラックルーティン」だと感じる場面を聞いた回答の中には、「私服出社 OK でも、みんながスーツだと着ざるをえない。(20歳・女性)」」「上司に合わせて休みをとるしかない。本当は自由にとりたい。(27歳・男性)」「上司や周りに合わせて意見を変えてしまい、あとでモヤモヤ。(23 歳・男性)」といった声も見られました。

続いて年代別にオフィスでの同調圧力による「ブラックルーティン」を見てみたところ、「ハラスメントに気を遣われすぎていると感じる(20 代 47.0%/30 代 43.0%/40 代 38.0%/50 代 30.8%)」、「ハラスメントに配慮して、上司/先輩からあまり注意されないと感じる(20 代 43.7%/30 代 38.7%/40 代 32.2%/50 代 25.0%) 」に関して、20 代の約半数が「ブラックルーティン」と感じていることが明らかとなりました。この結果から、上司から部下への過剰なハラスメントへの配慮が20代若手社員にとって、逆に「ブラックルーティン」として捉えられていることがうかがえます。若者がこう感じている反面、最近ではハラスメントを意識して若手社員を注意しずらいという上司の声も聞くので、どちらも、もどかしさを感じているのかもしれませんね。

結婚・出産の話題にも「ブラックルーティン」

未婚の学生含む 18 歳~59 歳に「独身だと親や親戚、身近な友人などから心配される(50.7%)」について「ブラックルーティン」だと思うか聞いたところ、学生 53.8%、20代 50.7%、30代 56.5%、40代 49.5%、50代が 43.0%と、30代以下の方々が特に「ブラックルーティン」と感じていることが明らかとなりました。さらに、既婚かつ子どもがいない 30~50代に、「結婚していて、子供がいないことを伝えると、妊活について聞かれる(全体 57.7% /女性 67.7%/男性 47.7%)」、「結婚していて、子供がいないことを伝えると、子供を持たない理由を聞かれる(全体 56.0% /女性 66.7%/男性 45.3%) 」について「ブラックルーティン」だと感じるか伺ったところ、いずれも半数以上の方がブラックルーティンだと感じると回答。「結婚しているのが普通」「結婚したら出産」という無意識の価値観が「ブラックルーティン」につながっているのかもしれません。

「SNS」世代で生まれた“令和の「ブラックルーティン」 ”

また古い価値観による「ブラックルーティン」だけではありません。「SNS」があるからこその同調圧力もあるんです。

学生男女 200 名、20 代有職者男女 600 名に絞って「ブラックルーティン」を見ていくと、「SNS でみんなが叩き始めると、冷静な意見を挟みにくい」49.8%がトップに。次いで「友達は多い方がいいという空気がしんどい」49.6%、「みんなが流行りのコンテンツを見ている前提の会話が苦手」48.8%、「仲間外れにならないために、SNS はやめられない」47.6%、「マニアックな推しは、なんとなく言いづらい」 46.6%となった。SNS の利用拡大に伴い、SNS シーンでの「ブラックルーティン」が多くを占めました。

「SNSでみんなが叩き始めると、冷静な意見を挟みにくい」に関して年代別に見たところ、若い世代ほど「ブラックルーティン」と感じており、中でも学生の多くが「ブラックルーティン」と感じています。多様化が叫ばれ、若い世代を中心に様々な固定概念や同調圧力、悪しき慣習が払拭されつつある一方で、SNS という新たなツールを巧みに使いこなす Z 世代だからこその “令和の「ブラックルーティン」”が発生してしまっていることが推察できます。この結果からSNSが生まれたからこそ、同調せざるおえない場面も増え、少し窮屈に、そして生きづらくなっている人も増えているのかもしれません。

その他、若い人の中でもっとも「ブラックルーティン」だと感じる場面を具体的に聞いた回答の中には、「推し活してないと無趣味と思われるから、とりあえず推す。」(18 歳・女性)」「お金や時間をかけていないと趣味だと周りに言いにくい。(18 歳・女性)」といった、推し活や趣味にまつわるもの。「恋愛をしたことがある前提で話されるから、恋愛経験ないって言えない。(18歳・女性)」「「彼氏いないの?」「彼女いないの?」って、恋人の性別を決めつけられるとモヤモヤ。(19 歳・女性)」といったジェンダーにまつわるもの、「パーソナルカラーや顔タイプ診断など分類わけされると、押し付けられた気持ちになる。(19 歳・女性)」といったカテゴライズ化の風潮に対する声が多くみられ、時代の変化や価値観の多様化から新たな「ブラックルーティン」が生まれている状況がわかります。

この調査結果を見て、みなさんはどう思われたでしょうか?今まであげた結果や意見を「ブラックルーティン」と思うか思わないかはその人、それぞれ次第ではあるものの、調査結果より年代や場面、時代が移り変わっても異なる同調圧力を感じている人がいるのは事実です。自分の環境や意見の参考にしてみてくださいね。