推し活をきっかけに働く女性の「6割がビジネススキルや勉強を開始したい/4割以上がリモートワーク開始や職場・職種の変更など働き方を変えた」と回答/推し活がリスキリングやキャリアチェンジのきっかけになる「推し活からお仕事」へのトレンド実態が判明

女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」では、11月4日の「いい推しの日」を前に、働く女性500名を対象に「働く女性の推し活実態調査」を実施しました。

今や、「推し」や「推し活」という言葉はわたしたちの生活に浸透し、8,000億円規模と言われる推し活市場も年々右肩上がりで伸長しています(※)。さらに、推し活は単なるモノ・コトの消費活動だけでなく、二次創作やファンアートに代表されるように、個人やコミュニティを巻き込みながら参加・表現する多様な活動も見られ、今後もますます多様化・拡大化すると予想されます。そのような「推し活」を牽引する存在である「働く女性」は現在、どのような推し活を実践し、推し活が働く生活や仕事にどう影響しているのか。その実態を把握するため、働く女性500名を対象に推し活に関する消費・時間の使い方・キャリアや仕事との関係性などの実態について、アンケート調査を行いました。
※株式会社矢野経済研究所:『オタク』市場に関する調査(2023年)

■ 調査概要
調査目的:はたらく女性と推し活に関する行動や意識、キャリアへの影響の実態を把握するため
調査方法:一般+SHE会員へのWebアンケート調査
調査対象:20〜50代の有職女性 (20代 42%, 30代 47%, 40代 10%, 50代 1%)
回答者数:n=500(一般女性300名、SHElikes受講生200名)
調査期間:2024年10月18(金)〜10月22日(火)
※調査結果は小数点以下第2位を四捨五入しています。

【働く女性の推し活の有無】

働く女性の半数以上が推し活を実践中 働く女性の推しの対象はアイドルがトップ

働く女性に「推し活をしているか」を聞くと、約6割の59.0%が「推し活を実践している」と回答。推し活を実践している方に「推しの対象は何か」を聞くと「アイドル」が全体の18.8%でトップ、次いでアーティスト、アニメ・漫画という順番になりました。「その他」の回答にはスポーツ選手や競走馬、棋士、クリエイターなどの回答が目立ちました。

【働く女性の推し活と消費】

働く女性の推し活に関する消費は1万円以下が6割以上
推し活で最もお金を使うことは「グッズ購入」

働く女性に「月平均の推し活にかける出費」を聞くと、5,000円以下がトップで29.5%、次いで5,000円〜1万円が26.2%でした。全体を見ると働く女性の推し活にかける出費は、1万円以下が66.4%と6割以上になっています。さらに推し活にかける収入の割合を聞いたところ、「1割未満」の回答が46.4%と最も高く、働く女性の推し活にかける消費活動が収入に対して堅実であることが読み取れます。また、「推し活にかける出費で最も割合が多いもの」を聞くと、「グッズ購入」が41.1%がトップで、次いで「イベント参加(遠征費を除く)」が27.5%、「遠征費(交通費・宿泊費)」が26.5%でした。

【推し活で身につけたスキル・実施した勉強】

推し活をきっかけに、3人に1人の働く女性がスキル獲得や勉強を実施
写真撮影・SNS運用・デザインなど推し活に直結する表現スキルが人気

働く女性に「推し活をきっかけに身に着けた・勉強したスキルの有無」を聞くと、34.0%と3人に1人が何かしらのスキル獲得や勉強を実施したと回答。「身につけた・勉強したスキルの内容」を聞くと、トップは「写真・カメラ」が28.4%でトップ、次いで「ブログやSNSの運営・運用」「デザイン」「語学」がそれぞれ23.9%と同率でした。推し活をきっかけに身につけるスキルとして、写真撮影やSNSの活用、デザインなど、ブログやSNS、二次創作など推し活に直結する表現スキルが人気であることがわかりました。

また、推し活で身につけたスキルの具体的な活用方法として、

・ライブの遠征のvlogの動画編集などしやすくなった(20代会社員)
・動画編集やライティングのスキルで、推し活の思い出を形に残せるようになった(20代会社員)

など、思い出に残したり情報発信したり、推し活に関するアウトプットに役立ったという声のほか、

・推し活に活かしたいスキル(動画編集、ライティング、Instagram運用、デザイン(バナー制作など))を身につけ、副業(動画編集)獲得にも繋がった(30代パート・アルバイト)

といった、推し活がきっかけで身につけたスキルが仕事にも活きたという声もみられました。

【今後、推し活で身につけたいスキル・実施したい勉強】

推し活をきっかけに、今後スキル獲得や勉強を実施したい働く女性は約6割
身につけたいスキルのトップは動画編集

働く女性に「今後、推し活をきっかけに身に着けたい・勉強したいスキルの有無」を聞くと、59.0%と約6割が何かしらのスキル獲得や勉強を実施したいと回答。「身につけたい・勉強したいスキルの内容」を聞くと、「動画編集」が18.2%でトップでした。SNSやVlogなど動画コンテンツが気軽に発信できる時代となり、より一歩踏み込んだ専門的スキルである「動画編集」を身につけて発信したいと考える方が増えていると考えられます。

【推し活と仕事の両立と推し活の課題】

推し活を実践している働く女性の約9割が「仕事と両立できている」と回答
一方で、「お金と時間の不足」「仕事の融通が効かない」ことが推し活の課題に

働く女性に「仕事と推し活の両立ができているか」を聞くと、9割近くの87.4%が両立できていると回答。一方で、「推し活をする上で課題に感じていることや悩み」を聞くと、最大の課題は「お金が足りない」が38.7%でトップでした。次いで「時間が足りない」が28.5%、「仕事の融通が効かない」が16.0%と続きました。金銭的な悩みの他、「時間が足りない」「仕事の融通が効かない」の合計は44.5%と、時間に関する悩みも大きな課題であることが判明しました。

【推し活とキャリアチェンジ】

推し活をきっかけにキャリアチェンジ実施・実施予定の女性は4割以上
収入アップより、仕事時間の削減や自分でスケジュールコントロールできる働き方への変更が上位

働く女性に「推し活をきっかけに働き方や職種・職場を変えた、もしくはこれから変える予定はあるか」を聞くと、「はい」と「これから検討している」と回答した人の合計が40.1%と、4割以上が推し活をきっかけにキャリアチェンジを実施・実施予定であることが分かりました。さらに「どのような働き方に変えたか・変える予定であるか」を聞くと、「在宅ワーク・リモートワーク」が29.3%でトップでした。次いで「フレックスなど業務時間の融通が効く働き方にした」が22.0%、「休みが取りやすい職種・職場に転職」が14.6%と続きました。

推し活を実践している働く女性は、収入を増やす転職や副業よりも、自分で業務時間や勤怠をコントロールできるキャリアチェンジを希望する・実践している方が多いことが分かりました。

まとめ

⚫︎ 推し活が多様化し、学びや自己投資の源泉に
これまで「推し活」の主な活動はグッズや音源、メディアなど関連商品を購入するモノ消費、イベントやライブ、オフ会などに参加したり、遠征したりするコト消費がメインでした。今回の調査では、推しを対外的に知ってもらうための応援活動や創作活動、推し活そのものを高品質に残したり、SNSなどで対外的に訴求したりするためのアウトプットなど、推し活を表現・発信する「スキル獲得・勉強」のための「自己投資」にも消費意識が向いています。自己投資の内容として、撮影スキルやデザインスキルの他、今後はSNSやVlogなどの動画メディアが発達し、気軽に発信できるようになったことで、より一歩踏み込んだ専門的なスキルである「動画編集」のスキル獲得に意欲的であることがわかりました。

⚫︎ 推し活を生活の軸としたキャリアデザイン、ライフデザインの出現
これまで「推し活」はプライベートを最大限楽しむための趣味やエンタメの延長として消費される存在でした。今回の調査では、推し活をより充実させるためにキャリアチェンジを実践・検討したり、先述した推し活をきっかけとした自己投資をスタートさせたりするなど、より推し活は個人の生活に根ざす存在となっています。調査で判明した「推し活実践者の4割が、推し活がきっかけでキャリアチェンジを実施・検討している」というデータが表すように、推し活はキャリア選択にも関わるほど、個人の生活に欠かせない存在になっていることが読み取れます。

特にキャリアチェンジで優先されるのは「時間が足りない・仕事の融通が効かない」という推し活の課題を起点とした、「自分で時間がコントロールできる働き方」を希望する人が多いことがわかりました。具体的にはリモートワークや在宅ワークができる職種やフレックスなど時間の融通が利きやすい職場への転職などが挙げられます。特に直近では通勤・出社への回帰も増えた ことから、これまで推し活への時間の使い方も代わり、より悩みや課題が顕著に現れる要因になっていると考えられます。

「働く女性と推し活」座談会|推し活 × 推しごと 実践者インタビュー

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働く女性が実際どのように仕事と推し活を両立させているのか、働き方を変えることで推し活にどのような影響があったのか、また逆に推し活が仕事にどう活きてくるのかなど、3名のSHE受講生から「推し活と働く」ことについてインタビュー取材を実施しました。気になる方はぜひチェックしてみてください!