株式会社電通総研は2024年8月に発表した「電通総研コンパスvol.12『ケアに関する意識調査』」をもとに、同志社大学大学院の岡野八代教授監修のもと、日常に溢れるケアを見つける展示会を下北沢BONUS TRACKで開催します。
ケアリングノーベンバー
11月11日は介護の日。毎年11月の1ヶ月間、BONUS TRACKでは「ケアリングノーベンバー」と題して、“ケア”イベントを開催しています。2021年から開催し、今年で4回目。“ケア”は人によって捉え方が異なる意味の広い言葉です。だからこそケアリングノーベンバーでは“ケア”という言葉を定義せず、さまざまな視点を持った方々といっしょに複数のイベントを行うことで、曖昧な輪郭をかたちづくろうとしています。
介護や育児に留まらない「ケア」の広い意味を探る
11月22日(金)〜11/28(木)、BONUS TRACK GALLERYで開催される「みる、みつける、ケア展 〜ちいさなケアのみつけ方〜」は無料でどなたでも来場可能。この展示では介護や育児に留まらない「ケア」の広い意味を探ります。今回、扱う「ケア」は、介護や育児に留まらない、「他者のニーズ(してほしいこと、必要なこと)を気にかけ、配慮し、世話する」ことという、幅広い意味を持つものです。
ふとした時にケアしたりケアしてもらったりしているけれど、日常に埋もれてしまって気が付きにくい。そんなケアをみつけられるようになることが、展示の大きなテーマです。
会場では、さまざまな分野で活躍する下記、20人に聞いた「あなたにとってケアとは何か?」や「ケアした・された経験」が展示されます。
展示参加者一覧(五十音順・敬称略)
浅田智穂(インティマシー・コーディネーター)
安達茉莉子(作家・文筆家)
池田勝彦(ヤマザキショップ代田サンカツ店主)
大沢かずみ(シモキタ園藝部員・イラストレーター)
小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)
大日方邦子(パラリンピック金メダリスト)
尾山直子(訪問看護師・写真家)
栗本凌太郎(日記屋月日 店長)
小林涼子(俳優・AGRIKO代表取締役)
金野千恵(建築家)
杉田協士(映画監督)
静電場朔(アーティスト)
妹尾正教(社会福祉法人仁慈保幼園 理事長)
ナカダリオ(クリエイター)
永井玲衣(哲学研究者)
haru.(クリエイティブディレクター)
堀口こみち(ぬいぐるみ病院理事長)
百瀬文(美術家)
山口祐加(自炊料理家)
和田彩花(アイドル)
また、全国3,500人に聞いた「ケアした経験/された経験」を時系列に並べた展示も見られます。さらに、誰がどのくらいケアを担っているのかを調査結果に基づき展示。来場者には、同調査と同じ設問で「ケアした経験/された経験」を書いてもらう企画も実施されます。
他にも、BONUS TRACK GALLERYの2階の本屋B&Bでは、先にあげた20人それぞれが選ぶ「あなたにとってのケアの本」を展示するブックフェアも同時開催。
自分だけではない、他者目線や価値観で"ケア"について考えられる展示です。
トークセッションを開催
11月30日(土)19:00〜21:00には「みる、みつける、ケア展 -ちいさなケアのみつけ方-」の展示・本屋B&Bと連動企画として、ケアを語り合うトークセッションを開催。トークセッションには、このイベントの調査・展示の監修を担当されたケア研究の第一人者、同志社大学大学院の岡野八代教授と政治思想やミシェル・フーコー研究の専門家である明治大学重田園江教授をゲストに迎え、ケアについて多角的な視点から語り合います。
【イベント内容】
●二人の考えるちいさなケアのみつけ方・展示の意義や感想等
●誰かのニーズを気にかけ、配慮し、世話することの意義
●2024年1月19日に発売された
『ケアの倫理 フェミニズムの政治思想』の反響
●今改めて、『ケアの倫理』のポイントを解説
●フーコーとケアの関わりについて
●介護など具体的なケアと政治の関わりについて
このトークセッションにはチケットの予約が必要です。気になる方は下記をチェックしてください。
このような展示やイベントを通して、自分のまわりに溢れるケアについて、改めて考える機会となることでしょう!