第一三共ヘルスケア株式会社の解熱鎮痛剤ブランド「ロキソニン」は、「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」の活動の一環として、広尾学園高等学校の高校1-2年生を対象に「生理痛について“学び・考える授業”」を実施しました。

生理痛と正しく向き合える社会へ

アンケート結果から生理痛のときに我慢した経験があると答えた人は91.7%と多いのが現状です。そのような中、「みんなの生理痛プロジェクト」とは「生理痛と正しく向き合える社会へ」をコンセプトに、性別を問わず一人でも多くの方に生理痛と正しく向き合っていただくための活動です。「生理痛について“学び・考える授業”」として2023年秋には埼玉県立大宮南高等学校の教員と生徒を対象に、2024年夏には品川女子学院の保護者を対象に、授業・ワークショップを開催しています。

教育機関でも生理・生理痛が原因で普段の授業や試験を欠席した際の取り扱い方が変わってきていて、文科省からは公立高校入試 生理の体調不良も追試験対象と全国に通知を出しています。

クイズを交えて和やかに授業がスタート

今回の授業は男性1名、女性2名の生徒3名がティーンの目線を交えて授業の内容をプロデュースし、当日はファシリテーターとして進行役も務めました。

広尾学園高等学校の事前アンケート結果を見てみると、生理についてもっと周囲に理解してほしい・気軽に話せるようになってほしいという意見は意外と多いことがわかります。

「生理痛が学校生活に悪い影響を与えたことがありますか?」という問いに対しては76%が「はい」と回答。その人のうち、「学校生活に悪い影響を与えたと感じた時、その症状を我慢したことはありますか?」という問いに100%が「はい」と答えました。

生理についてのクイズが出されて、それぞれのグループで話し合います。「生理は毎月同じ日に始まるものである」という問いには教室にいた全員が正解の✖️を上げたものの、事前に行われた生徒へのアンケートでは非経験者の半分は⚪︎と答えていました。

「生理痛で鎮痛薬を何度も飲むと薬が効かなくなる」という問いに、教室では意見も割れましたが、事前アンケートでは不正解の⚪︎も多く、生理痛で鎮痛薬を飲み続けることに不安がある人も多そうです。

産婦人科医から直接、話を聞ける機会

産婦人科医 高尾美穂先生が講師として登壇し、生理や生理痛について、どういうものか仕組みなどを丁寧に解説してくれました。それについては、以前の記事でもまとめているのでこちらを参考にしてください。

妊娠のために用意した赤ちゃんのベッド、子宮内膜が今回は使われなかったと、剥がれて体の外に出ていくことが生理。生理は妊娠のために準備されているという考え方を持つことがいいでしょうと先生は今回も説明しました。

生理のとき、経血を排出するために子宮が収縮。この力が強いと生理痛としてお腹や腰に痛みを感じます。腹痛、腰痛、頭痛と人ぞれぞれ感じ方が違う不調ですが生理に随伴した起こる病的症状で、日常生活に支障をきたす状態であれば月経困難症となります。

病名がついているということは対策方法を見つけた方がいいということでもあります。子宮内膜症などの将来的な病気にも起因することがあるので、たかが生理痛と思わずに不安なことがあれば婦人科に相談してくださいと高尾先生は話しました。

鎮痛剤についてはちょっとお腹が痛い、痛くなりそうだという早めのタイミングで服用することが痛みを和らげるポイント。そして決められた用法・用量を守って使えば効きづらくなることはないため、1日3回なら朝・昼・晩、しっかり飲んでくださいとアドバイスもしていました。

「生理中に肩こりが辛いのはなぜか?」「生理で勉強に支障をきたすため、受験時にピルを使用して生理を止めることは、将来の妊娠に影響がないか?」など、質疑応答の時間には次々に質問が上がり、高校生が感じている生理中の不安や疑問も直接、先生に聞ける機会となったようです。

グループワーク

最後はグループワークとしてお題が投げかけられ、生理痛で辛そうにしている人に対してどのようにするか?ということについてグループで話し合いの時間がもうけられました。

「先ずは大丈夫と声をかけて、カイロをわたす」
「ひどいようなら保健室に行くのはどうかとアドバイスして、その時の授業欠席についても不安だろうからプリントを見せるなどサポートする提案の言葉もかける」
「男性のため気まずさもあるかもしれないから、自分では声をかけないけれど、近くの人に具合が悪そうといってサポートしてもらう」など女性だけではなく、男性のグループからの意見もあり、それぞれの考えが伝わりました。

それを聞いた高尾先生も「何も知らないでアクションを起こすのと知ってからアクションを起こすのでは違いますよね。今日みたいに正しい知識を持つことで、相手を気遣い、自分なりの寄り添い方ができると思います」とおっしゃっていました。

10代から産婦人科医の先生から直接話を聞ける機会を持ち、生理について知識を身につけて話あうことは進学した時、そして社会人になってからも考えた行動ができるきっかけとなります。これが性別問わずに、どんどん広がると生理や生理痛と正しく向き合える社会になっていくことでしょう。不安も先生に直接、聞けるので無理をしないようになったり、周りも気遣いができるようになったり、ピルなどの選択肢も広がると思います。10代に向けてこのような授業が増えるといいですね。