2005年に熊本県でスタートした桜十字病院は、いまや全国へと展開するヘルスケアグループに成長しました。医療・介護・予防医療を柱に、これからの「人生100年時代」に向けた、新たな社会づくりに挑戦し続けています。グループの根底にあるのは、「人は、生きること自体がストーリーである」という考え方。身体的な健康だけでなく、心の満足感や社会とのつながりにも目を向けて、「生きるを満たす」ための事業を次々に展開しています。

ウェルビーイングとは、幸せを感じながら生きること

2005年、桜十字グループは、熊本県の民間病院の中で最大の病床数を有する「桜十字病院」から始まりました。今では病院のみにとどまらず、医療・介護・予防医療のヘルスケア領域において、社会に必要な様々な事業やサービスを全国に展開しています。

桜十字病院ロビー”まってるラウンジ”

そんな桜十字グループが今力を入れているのが、「WELL-BEING FRONTIER(ウェルビーイング・フロンティア)」という新たな取り組みです。2025年4月には、公式サイト内にウェルビーイング特設ページもオープンしました。

注目なのは、医療や福祉にとどまらず、「生きる喜び」を支える多角的なプロジェクトの数々。たとえば、「口から食べるプロジェクト」では、単に栄養を摂ること以上に、“食べること”そのものが人に喜びや自信を与えることを重視しています。

専門的な立場から患者さまに向き合い「口から食べる」ためのアプローチを実践するために、多職種からなるチーム医療で総合的にサポート

「口から食べる」ことは、生命維持のための栄養・水分補給だけでなく本来的な欲求に基づく行為です。精神面の安定にもつながり、「生きる力」となります。同院では、患者さまに食べる喜びを取り戻していただくとともに、生活の質を向上したいという思いから、病院を挙げて活動しています。

全国の郷土料理をメニューに取り入れた「故郷の味」シリーズや、旬の食材をおいしく効果的に食べる「四季の味」シリーズなど、食べたくなるお食事づくりに力を入れています。

調査対象: 2017年4月~2017年9月の期間中に退院された方で調査協力が得られた73例(N)(回復期リハビリテーション病棟および地域包括ケア病棟を退院)
平均年齢: 80.38歳

口から食べることは、入院生活の先に待つ在宅復帰、社会復帰に繋がります。その際、患者さんへの支援において桜十字が大切にしていることは「役割」を持ってもらうこと。また、桜十字病院が退院後の患者さんへの調査をおこなったところ、「退院後も何らかの役割を持っている人ほど、BI(日常生活動作の評価指標)のスコアが高い」という結果が出ており、社会とのつながりが心身に与える影響の大きさも浮き彫りに。まさに、身体・心・社会の3方向から“しあわせ”を科学するのが、桜十字の医療なのです。

病院であることを忘れる、まるで“ホテルラウンジ”のような空間デザインの魔法

『まってる。』 文:デヴィッド・カリ / 絵:セルジュ・ブロック / 訳:小山薫堂

”まってるラウンジ”には小山薫堂氏のプロデュースによるインテリアデザインが施され、「待つ」時間を豊かに捉える温かな空間が広がり、病院という空間に”時間の豊かさ”と“人との関係”をデザインとして吹き込んだ、インテリアまでもウェルビーイングを取り入れています。

フランス絵本『まってる。』(小山薫堂氏翻訳)を軸に、「待つ時間」そのものを肯定し、内省や希望を育むデザイン を採用し、白を基調に赤い糸のモチーフを散りばめ、患者さんや家族に温かみと静謐さを届けています 。

心がほどける「居場所」の多様性

【VOLCAFE(ヴォルカフェ)】
Bリーグのプロバスケットボールチーム「熊本ヴォルターズ」をコンセプトとしたカフェ。応援を通じて人と人とが繋がり、笑顔が広がる温かい場所を目指しています。

【シェアルーム(完全予約制)】
自宅のリビングのようなみんなの部屋。ご家族での誕生日会や友人との同窓会、スタッフの会議など自由に使えます。

【まってるライブラリー】
ブックディレクター幅允孝氏プロデュースによる「明日が楽しみになる本」をテーマにセレクトした、11カテゴリーの本が並びます。

【まってるポスト】

大切な人に、未来の自分にお手紙を書いてみませんか?万年筆や色鉛筆、インクペン、お手紙を飾るスタンプなど、手紙を書くのが楽しくなる文房具もあります。

人生100年時代の“サクセスフルエイジング”をサポート

熊本空港、羽田空港に設置された目を引く看板

「治す医療」から「支える医療」へと時代がシフトする中で、桜十字は「生きる」ことの中身に向き合います。ただ長生きするのではなく、“どんなふうに生きるか”。その問いに対して、医・食・住・運動・交流といったあらゆる面からアプローチし、「生きていてよかった」と思える時間を増やしていく─それが『生きるを満たす』というスローガンです。

推し活✕リハビリ!? 新しいアクティブエイジングのかたち

熊本駅前に「桜十字グループ」が手掛けた画期的な施設があります。その名も「Let’s ヴォルリハ!」

店舗名:Let’s ヴォルリハ!熊本駅店
所在地:熊本市西区春日3丁目24番1号JR熊本春日北ビル2階

熊本・福岡・東京など全国に55店舗以上を展開するデイサービス「Let’s リハ!」が、地元のプロバスケットボールチーム「熊本ヴォルターズ」とのコラボで、新たなデイサービスを2024年7月にオープン。スポーツの力を使ったアクティブエイジングを実施しています。

筋力が上がるだけではなく「動きが変わる」ことを目的とした機器を選出

スポーツが高齢者の心と身体に与える好影響は想像以上。応援する楽しみや、一体感、非日常の感動は、認知機能の改善や気持ちの前向きさにまで繋がるのだそう。

2024年10月19日(土)20日(日)熊本県立総合体育館開催の熊本ヴォルターズ×神戸ストークスの試合にて、ご利用者様参加の観戦ツアーと始球式を実施。試合観戦に参加のために、体調を整えたり、その後も外出意欲が促進される効果も!

www.lets-reha.jp

「熊本をもっと元気にしたい」という共通の想いから始まったこのコラボは、日本でも前例のない試み(※同社調べ)。試合に勝ったときに踊る「おてもやんサンバ」や、オリジナルの介護予防体操「ヴォルさく体操」など、推し活の要素がたっぷり詰まった新しいデイサービスとして注目されています。

AI評価機器で「今の自分」を見える化

リハケア:体力,姿勢,歩行状態を最新の動作解析システムとAIにて分析。
今の姿勢を分析し、老年期の姿勢もシミュレーション可能。

もちろん、機能訓練の面でも最先端。「Let’s ヴォルリハ!」では、ただ筋力をつけるだけでなく、「動き」を改善することに特化した最新のマシンを導入。さらに、AIによる動作分析機器を導入することで、現在の身体の状態を“見える化”。セラピストの目だけに頼らず、客観的なデータで一人ひとりに合ったメニューを提案してくれます。

「自分の“今”を知る」ことは、今後の変化や成長を楽しむための第一歩。前向きな気持ちで取り組める環境が整っているのも「Let’s ヴォルリハ!」の魅力です。

【熊本初!】スペースワンダー:転倒リスク0で行うゴム吊り下げ式

www.lets-reha.jp

スポーツがくれる高揚感と、仲間と一緒に体を動かす楽しさ。リハビリのイメージをガラッと変えてくれる、まさに“これからの介護”を象徴する施設です。試合会場に来たかのような高揚感を味わうことができ、綺麗でおしゃれな場所で運動することは、精神面でもプラス効果をもたらし、アクティブエイジングにまた一歩近づくことができます。

医・食・住のヘルスケアテーマパーク「メディメッセ桜十字予防医療センター」

大型ショッピングセンター”サンリブシティくまなん”の3階に2024年7月に誕生した「メディメッセ桜十字予防医療センター」は、”公園”のように気軽に立ち寄れる、医・食・住を融合させた“ヘルスケアテーマパーク”です。“健診もライフスタイルの一部”という考えのもと、ポジティブに健康と向き合える空間が整っています。

従来の健診施設の約10倍という圧倒的な広さを誇り、県内最大規模の内視鏡検査やレディースエリア、VIPルームまでを完備。徹底的にリラックスできる環境づくりで、「病院に行く」という感覚を良い意味で裏切ってくれます。

Medical「医」 ~カラダの声に耳を傾けよう~

一般健診から、企業向け健康診断、人間ドック、エグゼクティブドック、生活習慣病予防健診、脳ドック(MRI検査)など、幅広い健診メニューを提供。

Daylight Cycle[めぐる日の光を感じる]をテーマに、人間ドック、定期健診、レディース検診、
内視鏡検査を受けられる方それぞれのエリアごとに“日の光”や“森林”“月夜”など自然のテーマでデザインされた空間が広がります。

最新鋭の設備を備えながら、ぬくもりを感じる有機的な空間で自分のカラダの声に耳を傾ける時間が過ごせます。

Food「食」 ~カラダの調子を内側から整え、ココロも満たされるひととき~

九州初上陸!本場イタリアでジェラート世界チャンピオンに輝いた柴野大造氏が現地製造を監修するジェラートショップ『MARUTUS GELATO』を併設。「ココロもカラダもまるっと満たす」をコンセプトに五感で感じるジェラートを目指します。

マスカルポーネ オレンジバニラ(2015年日本ジェラートマエストロコンテスト優勝作品)
グランピスタチオ(2014年イタリアンジェラート世界大会課題部門ピスタチオ入賞作品)

シングル400円/ダブル550円/トリプル650円 *受賞作品ジェラート +100円

世界大会の受賞フレーバーはもちろん、熊本県産の旬の果物や野菜だけでなく、全国各地のその時いちばん美味しいものを集め、メディメッセ内のラボで製造。毎日つくりたて、出来立てを提供。

この日も店内には、途切れることなく多くのお客様が訪れていました。年齢や性別を問わず、思い思いにジェラートを楽しむ姿があちこちに見られ、その様子からもこのお店の人気ぶりと、誰にとっても居心地のよい場所であることが伝わってきます。

『SAKURAJYUJI KITCHEN(桜十字キッチン)』

「健診後のごはんが楽しみ!」そんな声が多く寄せられる桜十字。その理由は、ただ健康に配慮されているだけではない、“おいしさ”へのこだわりにあります。病院食という枠を軽やかに飛び越え、出汁の香りや季節感、彩りにまで心を配ったメニューは、「毎日でも食べたい」と思えるクオリティです。そんな桜十字の人気ごはんが、「健診を受ける人だけのもの」という枠を越えて、地域の人々にも開かれることに。サンリブでの買い物帰りに、ふらっと立ち寄って一汁三菜の定食を楽しむ。そんな新しい“日常の寄り道”が、ここから始まります。

サバの幽庵焼きゆず卸しソース 
本日の薬膳”人参とトマトの補陰養心スープ”

ランチタイムに提供されるのは、桜十字の管理栄養士が監修した一汁三菜の定食。日替わりで内容が変わるため、毎日通っても飽きません。

人間ドックや大腸内視鏡検査を受けた方限定の専用食事エリアも設けられています。

『SAKURAJYUJI DINING(桜十字ダイニング)』

SAKURAJYUJI DINING(桜十字ダイニング)」では、人間ドック後の空腹を癒す優しい味わいの定食を落ち着いた空間でゆったりと堪能できます。

『SAKURAJYUJI LOUNGE(桜十字ラウンジ)』

また、「SAKURAJYUJI LOUNGE(桜十字ラウンジ)」では、大腸内視鏡検査の結果説明までの待ち時間も快適に過ごせるよう、体にやさしい薬膳スープやマルタスジェラートのデザート、ドリンクを提供。

どちらも“食を楽しみながら健康になれる”という桜十字の哲学が息づいた空間です。

Living「住」 ~「気づき」 「学び」 「整える」 日常の時間をより豊かにする場所~

COCOROOM:公園のように気軽に立ち寄れるレンタルスペース

広々とした会議室・セミナールームが24名〜54名収容、Wi‑Fi・プロジェクター・音響完備。カフェ併設で、会議やサークル、子育てグループ、地域イベントなど、さまざまな目的で利用可能です。平日9〜18時営業。

COCOON LAB.:生活データ×医療ビッグデータの研究拠点

40代からの健康課題に着目し、データ解析を通じて「健康寿命+10年」を目標に取り組む研究ラボ。健診データや日常生活データを解析し、地域医療に還元するプラットフォームです。

ウェルネス&サポート:日常の“見る・知る・選ぶ”を後押し

健康測定器や体組成計が揃い、スマートに自分の身体コンディションをチェックできます。オーガニックグッズや健康茶、キッチンスタジオ連携のレシピ紹介など、ライフスタイルに寄り添う商品展示・販売も展開。親子で楽しめるキッズスペースもあり、ワークショップなどの交流の場にぴったりです。

「生活と予防医療をつなぐ」をコンセプトに、通いやすく使いやすい場づくりを進める同施設。医療だけでなく、“学び”、“体験”、“交流”を通じて、自分らしく健やかな毎日を育むための新しい拠点です。

幼児期からの“100年ボディ”を育む、新習い事「UGOKKO」スタート!

予防医療の視点から、2025年5月1日より「こどもウェルネスジム UGOKKO(うごっこ)」を開講しました。医師・理学療法士・管理栄養士などの専門家がチームとなり、0~6歳の小さな体と心をトータルにサポートする新しい習い事として注目を集めています。

スポーツ競技の要素と36の基本動作を取り入れた「カラダ」の機能と動きを高めるMeza★meru(メザメル)クラス

ugokko.jp

調査によると、現代の子どもたちは“走る・跳ぶ・投げる”などの基本動作が苦手な割合が高く、「こどもロコモティブシンドローム」問題が浮上中。文科省の体力調査では、かつての水準に比べ著しく低下傾向にあることが明らかに。

スキャモンの発達・発育曲線(1928年)

脳や脊髄など神経系の発達が、6歳までに80%成長することを示す。

そして、0〜6歳という“神経発達のゴールデンタイム”に、運動・栄養・睡眠をバランスよく整えることは、その後の「動ける体」の基盤づくりに不可欠なのです。クラスは年齢に合わせ2つ。0~3歳の「Haji★meru」、4~6歳の「Meza★meru」で、それぞれの成長段階に沿ったプログラムが設定され、「できた!」の積み重ねが子どもたちの自信も育てます。

生活のなかにあるウェルビーイング

ウェルビーイング・フロンティアは、これからの医療に求められる「しあわせの再定義」に挑戦するビジョン。これまでの「治す医療」から一歩進んで、「人生を豊かにする医療」へと進化することを目指しています。その根底にあるのは、「病気を診るのではなく、人を診る」という視点。これは医療の未来だけでなく、誰もが豊かに年齢を重ねる社会のあり方に対するヒントにもなるかもしれません。そして「生きるを満たす」という言葉には、人生を“治療”や“予防”といった医療的アプローチに閉じず、もっと自然に、もっと楽しく、生活に溶け込む健康と幸福を実現していきたいという願いが込められています。

  • 健診の後に出てくる、管理栄養士が考えた美味しくてヘルシーな食事。
  • ゆったりと過ごせるラウンジで、身体だけでなく心まで整うひととき。
  • お子さまの未来の健康を育む「こどもウェルネスジム UGOKKO」。
  • 地元チーム「熊本ヴォルターズ」とのコラボでスポーツの楽しさと元気を届ける「Let’s ヴォルリハ!」。

こうした一つひとつが、医療の枠を超えた「生きるを満たす」ための取り組みです。

医療に期待される役割が変化するいま、桜十字が提案するのは“生きることそのものに向き合う医療”。このやさしい医療のかたちが、やがて日本全国へと広がっていく―そんな未来の実現を願ってやみません。