JR東海が展開する京都の観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」
今年のテーマは「初夏のしつらえ」をテーマに、京町家や寺院など京都の伝統的空間で、季節の移ろいや日本の美意識を体感できる特別な観光プランを展開しています。
今回、初夏の京都ならではの“しつらえ”を感じるスポットに足を運んできました。京町家のたおやかな時間の流れや、瑞々しい新緑、しっとりと美しい苔庭など……王道の京都観光コースとはひと味違う、魅力あふれるとっておきの場所をご紹介します!
初夏を涼やかに迎える杉本家住宅の「しつらえ」
京都の中心部、四条烏丸からほど近い新町通に所在する杉本家住宅。ここは、江戸時代に呉服商「奈良屋」として創業した旧家で、明治3年に再建された建物は、国の重要文化財にも指定されています。一歩足を踏み入れた瞬間から、外の喧騒が嘘のように遠ざかり、そこには時が止まったような静かで美しい空間が広がっていました。
「そうだ 京都、行こう。」のCMにも登場した庭園の端正な美しさは、まさに圧巻の一言。座敷庭はもちろん、玄関庭、店庭、露地庭、坪庭、さらには屋内の通路兼作業場である「走り庭」まで、邸宅全体が「京町家の庭」として国の名勝に指定されているんです。
杉本家住宅では、季節の移ろいに合わせて建具や調度品を変える「しつらえ」の文化が今もなお残っています。初夏から夏にかけては、葦戸(よしど)や葦簀(よしず)に変えることで、日を遮りながら風通しを良くし、涼やかで過ごしやすい空間をつくるという工夫がなされています。
茶室や座敷には、座るとひんやりとした網代編みの座布団が置かれ、目や肌、香りなど五感で涼を感じる仕立てに。
通常の京都観光では得られない、京都の日常の丁寧な営みと人々の知恵、美意識を肌で感じることができました。
京町家・杉本家住宅
京都市下京区綾小路通新町西入ル矢田町116番地
Tel: 075-344-5724
https://www.sugimotoke.or.jp/
※取材のため特別な許可を得て撮影しています
※二次利用及び転載禁止
初夏の天球院で過ごす、癒やしの時間
妙心寺の塔頭のひとつ、妙心寺 天球院。通常は非公開のお寺ですが、特別公開時のみ拝観可能なのだそう。
門をくぐり参道を抜けていくと、鮮やかな緑の葉でいっぱいに染まっていて、まるで緑の海のよう!雨粒をうけてキラキラと輝く青もみじは、見ているだけで心が洗われるようでした。
天球院の中でも特に感動したのは、方丈を彩る狩野山楽・山雪による水墨画や金碧画の数々。部屋ごとに異なるテーマで描かれた花鳥風月の世界に、思わずため息がこぼれました。
大胆な構図で描かれた「竹に虎図」は、虎の鋭い眼光や竹のしなやかさが今にも動き出しそうな迫力!
よく見てみると、毛の一本一本まで繊細に描かれていて本物の毛並みのように見えるほどのリアルさに驚いてしまいました。
どこを切り取っても、まるで一枚の絵画のような庭園の美しさも魅力の一つです。初夏の天球院は、新緑のエネルギーと静けさに包まれた、まさに癒やしのパワースポット。賑やかな観光名所とは一線を画す、大人のための隠れ家的な場所です。
8月末まで、「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンに合わせて特別拝観のプランも販売中ですので、ぜひチェックしてみて。
妙心寺天球院
京都市右京区花園妙心寺町46
Tel:075-462-9041
※取材のため特別な許可を得て撮影しています
※二次利用及び転載禁止
青もみじと苔庭の眩い緑に癒される 嵐山エリアの常寂光寺
小倉山の中腹にひっそりと佇む常寂光寺。紅葉の名所として名高い常寂光寺ですが、実は初夏の新緑の時期も、その美しさは格別。竹林を抜けて目に飛び込んでくるのは、一面鮮やかな緑に包まれた、静かで心安らぐ空間です。
常寂光寺の魅力は、なんといってもその緑豊かな景観。初夏の光を浴びて輝く木々の葉は、深い緑から瑞々しい若葉色まで、息をのむようなグラデーションを作り出していました。
頭上を覆うようにひしめく青もみじのトンネルは、まるで緑のカーテンのよう。ふわりと風が通り抜けるたびに、葉がさわさわと揺れる音が心地よく、五感で癒しを感じることができました。
常寂光寺を訪れたら、ぜひ注目してほしいのが青々と美しい苔庭。
境内には、まるで緑の絨毯を敷き詰めたかのように、様々な種類の苔が生き生きと茂っています。特に、雨上がりの苔は、水滴をまとってキラキラと輝き、その美しさに思わずうっとり。
「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンとして、9月29日までに対象の旅行商品を購入した方に今回ご紹介した常寂光寺を含めた、苔庭が美しい6つの寺院を拝観できる「苔庭めぐりパスポート」を用意。
※通常は表面に利用可能日が記載されます
「苔庭めぐりパスポート」を片手に、京都ならではの奥深く美しい、苔の世界へ繰りだしてみてはいかがでしょうか。
常寂光寺
京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
Tel:075-861-0435
https://jojakko-ji.or.jp/
いかがでしたでしょうか?「初夏のしつらえ」の旅は、王道の観光スポットとは一味違う、奥深い京都の美意識や、京都ならではの涼の工夫を感じる旅でした。今年の夏は、京都で“涼”を感じる特別な旅を計画してみてはいかがでしょうか。きっと、忘れられない素敵な思い出が作れるはず。