いよいよ夏本番。強い紫外線、汗、冷房による乾燥…。肌にとっては過酷な環境が続くこの季節、しっかりと対策できていますか?

今回は、美容皮膚科医で心療内科の知見も持つハナビューティークリニックの古賀愛子院長が、夏の肌悩みに効くセルフケア術を解説。外出時の“うっかり日焼け”から、寝苦しい夜の肌トラブル予防まで、今すぐ実践できるアドバイスを紹介します。

「汗をかけば肌はキレイになる」って本当?

夏の汗は一見、毛穴を掃除してくれるように思われがちですが、放置すると雑菌の繁殖や炎症の原因に。汗をかいた後は、やさしく拭き取る・洗い流すケアがマストです。

【夏のスキンケア①】皮脂・乾燥・紫外線への“三重ケア”がカギ

▼皮脂コントロールにはビタミンB群・亜鉛を
過剰な皮脂には、アゼライン酸やレチノール入りのスキンケアがおすすめ。食事やサプリでビタミンB群や亜鉛を摂取するのも◎。

▼冷房による“インナードライ”には水分重ね付け
化粧水は“さらっと”したタイプを3~5回重ねづけ、軽めの乳液で水分を閉じ込めるのが正解です。

▼紫外線対策は「塗り直し」が命
2~3時間おきに塗り直し。メイクの上からは乳液タイプ+UVパウダーやスプレーで仕上げましょう。

【夏のスキンケア②】海・プール・レジャーに向けた「事前・事後ケア」

・PA/SPF値の高いウォータープルーフタイプを選び、こまめな塗り直しを
・水分・ビタミン・トラネキサム酸で内側からもケアを
・日焼け後は冷却+保湿。レチノール系はしばらくお休みを

【夏のスキンケア③】“夜の肌荒れ”はナイトルーティンの見直しから

蒸し暑さで眠れない夜が続くと、肌の修復力も低下。以下のケアを取り入れてみてください。

・ぬるめの湯船に10〜20分浸かり、汗や皮脂を流す
・冷蔵庫で冷やした化粧水やパックで保湿
・就寝中の乾燥対策に加湿器を活用

さらに、ミネラル・ポリフェノールが豊富な“麦茶”は、肌にやさしい「飲むスキンケア」としてもおすすめです。

夏の“うっかり日焼け”を防ぐために…

顔だけでなく、耳・うなじ・手足の甲など細かい部位まで日焼け止めを塗りましょう。また、紫外線は「目」からも入ります。サングラス・帽子・日傘の併用を忘れずに。

自宅でできる「セルフ毛穴ケア&スキンケアの順番」

朝:泡洗顔 → 化粧水 → 美容液(VitC) → 乳液 → 日焼け止め → メイク
夜:クレンジング → 泡洗顔 → 化粧水 → 美容液(レチノール系など) → 乳液・クリーム

ピーリング石鹸やアゼライン酸などを上手に使って、毛穴づまりも予防。肌に負担のかかる“指で角栓を押し出す”などはNG!

夏の“美肌を育てる”食事法

食べるべき:タンパク質・ビタミンC・ビタミンE・オメガ3・発酵食品・食物繊維
避けたい:糖質多めのお菓子、トランス脂肪酸、塩分過多の加工食品

食事からのアプローチで、内側から肌コンディションを整えましょう。

「肌の不調には、内面のストレスや睡眠不足が隠れていることも。セルフケアを丁寧に積み重ね、肌も心もリセットできる“夏美容”を楽しんでください」
ー 美容皮膚科医・古賀愛子院長

【監修】
古賀 愛子(こが あいこ)
ハナ・ビューティークリニック院長
熊本大学医学部医学科卒業。
国立国際医療研究センターにて初期臨床研修を修了後、東京大学医学部附属病院で心身医学を専攻。内科専門医および心療内科専門医の資格を取得。心と体のつながりに深く向き合う医療に従事するなかで、美容医療がもたらす前向きな変化に着目し、2021年より大手美容外科に勤務。年間数千件におよぶ患者様の診療を行いながら、美容医療の技術と知識を磨く。院長職や技術指導医としての経験も積み、若手医師の育成にも携わる。
2024年より新宿・ハナ・ビューティークリニック院長に就任。
患者様一人ひとりの「こうなりたい」という想いに寄り添い、医学的な根拠に基づいた美容医療を通じて、内面からも輝ける美しさを引き出すことを目指している。
クリニックHP:https://hana-beautyclinic.com/
Instagram:https://www.instagram.com/