中学生の夏休みといえば、部活動やレジャー、塾通いなどで毎日があっという間に過ぎていきます。一方で、多くの保護者が悩んでいるのが「勉強への集中力」と「学習習慣の維持」です。塾選びサービス『塾選』が、保護者100名を対象に実施した調査によると、中学生の64%が夏休み中に“自宅外”で勉強しているという実態が明らかになりました。
では、なぜ今「自宅外学習」が選ばれているのでしょうか。その背景や人気の学習場所、保護者の声を通じて、中学生の夏の学習スタイルを探ります。
なぜ「家以外」で勉強するのか?保護者の声に見る7つの理由
1. 誘惑を断つため
テレビ、スマートフォン、ゲームなど、自宅には集中を妨げる誘惑が数多く存在します。保護者の多くは「自宅だと集中できない」と感じており、誘惑の少ない場所を選んでいます。
2. 静かで集中できる環境を求めて
家族の生活音や兄弟姉妹の存在が学習の妨げになることも。冷房が効いた静かな環境として図書館や塾の自習室が選ばれています。
3. 兄弟姉妹への配慮
特に下の兄妹がいる家庭では、遊び声や騒がしさを避けるために自宅外を選択するケースが目立ちました。
4. 気分転換とモチベーション向上
同じ環境での長時間学習は集中が続きにくいもの。学習場所を変えることで、リフレッシュしながら意欲を高める工夫がなされています。
5. 友人と一緒に学ぶため
「わからないところを教え合える」「仲間がいるとやる気が出る」など、友達と一緒に学ぶことが刺激となっている様子がうかがえます。
6. 塾や学校の学習スペースを活用
塾の自習室や学校の開放教室など、専門的なサポートを受けられる場所も人気です。先生に質問ができる安心感も理由のひとつです。
7. 子どもの安全対策として
共働き家庭などでは、自宅に子どもを一人にしておくことへの不安から、図書館などの大人の目がある場所を選んでいる家庭も多く見られました。
中学生に人気の学習場所とその理由
図書館
最も多くの支持を集めたのが図書館です。静けさ、空調、資料の充実といった環境面での評価が高く、「誘惑が少なく集中できる」との声が多数寄せられました。一方で、席の確保の難しさや、質問ができない点はデメリットとして挙げられています。
塾の自習室
講師にすぐ質問できる環境や、学習に対する意識が高い空間であることから、多くの生徒が利用しています。ただし、利用時間の制限や、友人とのおしゃべりが集中を妨げる懸念も。
友達の家
リラックスした環境で学習できる一方で、つい遊びに流れてしまうことへの懸念も見受けられました。勉強と遊びのバランスが問われる場所とも言えそうです。
学校の自習室
誘惑が少なく、先生にも質問しやすい点で評価されています。ただし、開放日時の制限や、友人との交流による学習効率の低下といった課題もあるようです。
カフェ・ファストフード店・フードコート
気分転換や飲食の自由度が魅力ですが、費用がかかることや、周囲の騒音が気になるという声も一定数ありました。
勉強場所の使い分けと、家庭内ルールの工夫
学習効率を高めている中学生たちは、その日の気分や勉強の目的に応じて、場所を使い分けている傾向があります。「一人で集中したい日は図書館、友達と学び合いたい日はカフェ」といった柔軟な活用が特徴的です。
また、自宅外での学習を安心して行うために、保護者との間で以下のようなルールの取り決めもなされています。
・行き先や帰宅時間を事前に共有する
・暗くなる前に帰宅する
・スマートフォンの使い方や公共マナーを守る
・飲食代や利用費に上限を設ける
これらのルールは、安全対策であると同時に、子どもの自律性を育てるうえでも大きな役割を果たしているようです。
自宅でも集中できる!家庭での学習を支える工夫
調査では「自宅のみで学習している」と答えた家庭も36%ありました。そこで、自宅での学習を成功させるための工夫として、次のような声が寄せられています。
静かな学習環境の整備:「リビングのテレビを消す」「弟と一緒に勉強する」など
誘惑の排除:「スマートフォンの電源をオフにする」「必要最低限の物だけを机に置く」
時間のルール化:「午前中は勉強、午後は自由時間」「夕食前には勉強を終える」
これらの工夫により、自宅でも効果的な学習が可能になることがわかります。
中学生の夏休み学習、キーワードは「環境選び」と「ルーティン化」
今回の調査を通じて見えてきたのは、「どこで勉強するか」が集中力やモチベーションに大きく影響するという事実です。ただ単に家以外に出るのではなく、自分に合った環境を選び、それを習慣化することが、夏休みの学習をより実りあるものにする鍵となります。
自宅でも外でも、それぞれの環境に合わせた工夫を重ねることで、夏休みの過ごし方はぐっと充実したものになるはずです。保護者としては、子どもの学習スタイルや性格に合わせて、最適なサポートを提供していきたいものですね。
アンケート調査概要
調査対象:中学2年生・3年生の子どもを持つ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年6月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「中学生の勉強場所」についての調査
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