「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」とは
多くの女性が毎月向き合う「生理痛」。実はその約9割が“我慢”しているという実態があります。つらい生理痛に速くよく効く「ロキソニンS プレミアムファイン」の発売に合わせ、2023年3月に「みんなの生理痛プロジェクト」を始動しました。「生理痛と正しく向き合える社会へ」をコンセプトに、石原さとみさんを起用したブランドメッセージ広告をはじめとして、性別を問わず一人でも多くの方に生理痛と正しく向き合っていただくための活動に取り組んでいます。
調査の結果、生理痛の経験がある高校生の7割弱が「⽣理痛が学校⽣活に⽀障をきたしたことがある」と回答し、そのうち、96.7%がその症状を「我慢をしたことがある」と回答しました。
2024年3月には、生理痛を経験する高校生の多くが、学校生活に支障をきたしながらも痛みを我慢している実態を受け、ティーン世代がなるべく早い段階で生理・生理痛の正しい情報に触れることを目的に「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」を始動。高校生や教員、保護者の方に向けた授業・ワークショップの実施や保健教材の制作など、ティーン世代が生理痛を我慢しない環境を後押しするための活動を行っています。
生理痛の“正しい理解”からサポートの一歩がはじまる
みんなの生理痛プロジェクト for TEEN 「養護教諭向けセミナー・ワークショップ “生理痛会議”」が開催され、中学・高校の養護教諭約300名(対面・オンライン)が参加しました。
産婦人科医 高尾美穂先生
第一部では、産婦人科医 高尾美穂先生が登壇し、生理・生理痛の基本的なメカニズムから、月経困難症やPMS(月経前症候群)といった不調の具体的な症状、そして学校生活に支障をきたすケースの多さについて話されました。
なかでも印象的だったのが、生理痛が生じる場合、器質性月経困難症の原因として考えられる”子宮内膜症”や”子宮筋腫”などが将来、発生するリスクが高くなるという事実。しかも実際に気がつくまでにはじめての生理から10年ほどの歳月を要すため、なかなか気が付きづらいのだそう。
かくいう筆者も、生理痛がひどく、痛み止めをたまに摂取するぐらいでほぼ何も対処もしなかったために、子宮筋腫ができてしまいました。みんなこれぐらいの生理痛はあって我慢しているのだと勝手に思い込み、誰にも相談することなく、今のようなインターネットもないので調べることもできずに過ごしてきた代償は大きいものとなりました。39歳のときに当時勤めていた会社から婦人科検診を受けるようにいわれたことで子宮筋腫が発覚したのです。
痛みの背景に病気が隠れていることもあるのだという事実をもっと早く知っていたら。
“つらさを言葉にできる環境づくり”こそが生徒を守る第一歩です。
生徒にとって「相談できる存在」であるために
第二部では学校教育における生理・生理痛との向き合い方に関する参加者同士のディスカッションも実施。保健室にナプキンをとりにきてくれるような生徒には、メッセージカードを添える、では、保健室にこない生徒に対してはどう対応するべきか。保健だよりやこの日に配布されたリーフレットを読んでもらう、外部の講師を招いて生理についてセミナーを開催して生理について正しい知識を学ぶ場を設けるなど、日々生徒と向き合う養護教諭だからこそ共有できる悩みや工夫、サポートの実例などが語られ、現場で活かせるヒントを得られる場となりました。
今回の“生理痛会議”は、医師や専門家から生理痛の正しい知識やケア方法を学び、養護教諭が正しい知識を持ち、生徒に寄り添うサポートを実現するために、どう寄り添えるかを考える機会となりました。「ただの痛み」と見過ごされがちな不調に、もっと光をあてるきっかけになりそうです。
ティーン世代に届けたい「我慢しない」メッセージ
生理痛やPMSは、誰もが“同じ”ではなく、症状も度合いもさまざま。「生理痛=ガマンするもの」という固定観念を壊してくれる、とても心強い取り組み。「痛みをガマンし続けなくていい」「相談できる人がいる」そんなメッセージを、まずは学校現場から広げていくのがこのプロジェクトの大きな目標。一人で抱え込まず、専門家や周囲に相談することがとても大切です。もし学生時代にこうしたサポートを受けられていたら、どんなに安心できたでしょう。大人になった今だからこそ、「未来の女の子たちがもっとラクに過ごせるように」という想いに共感し、私たちもできることから参加していきたいです。
生理痛に悩む子はもちろん、痛みがない子にとっても“正しい理解”を深めることが社会を変える第一歩になります。
今回のようなプロジェクトを通して、学校だけでなく社会全体で「生理痛のつらさを共有できる空気」が広がっていくことを願ってやみません。