福岡県大川市は、日本有数の家具産地として知られています。その地で三代続く家具製造企業から、2018年に誕生したブランドが「CANOW(カナウ)」です。家業を継いだ三代目の犬丸浩一氏は、伝統的な木工技術と職人の精神を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに合わせた家具づくりを続けてきました。
しかし、2019年以降の新型コロナウイルスの影響により、実店舗の来客数は激減し、半年間ほぼ無人という状況に直面しました。この環境変化の中、犬丸氏は大きな決断を下します。それは「実店舗を閉じ、オンライン販売へ全面シフトする」というものです。
「CANOW」家具ショールーム
「店舗を閉じることは、消費習慣の変化に対応するための選択でした。オンライン化を加速させることでこそ、新しい成長の機会をつかめると考えたのです。」と犬丸氏は語ります。
その後、CANOWは国内主要ECプラットフォームでの販売を開始し、売上は伸びたものの、新たな課題にも直面しました。広告費の高騰や管理システムの複雑さ、そして小規模ブランドとしての認知度不足です。こうした課題を解決するために選ばれたのが、急成長を遂げるECプラットフォーム「Temu」でした。
Temu出店で新たな顧客層を開拓
Temuは世界中のセラーやブランドを消費者とつなぐオンラインマーケットで、2022年に米国でサービスを開始、翌年には日本市場に参入しました。効率的なサプライチェーンと手頃な価格を武器に、日本でも急速にシェアを拡大しています。
「Temuは出店コストが低く、広告運用もシンプル。製品力で勝負できる私たちにとって最適なプラットフォームでした。」と犬丸氏は話します。
2025年4月、CANOWはTemuでの販売を正式にスタート。第一弾として発売した約2万円(税込)の板式ベッドは、初月で400台以上を販売し、その後も売上は倍増。シンプルな構造と簡単な組み立て、手頃な価格が若年層や小規模世帯に支持され、新たな顧客層の獲得につながりました。
最新調査によると、Temuのユーザーは20代を中心とした若年層で、子育て世帯や比較的高所得層が多いとされています。CANOWのすのこベッドは、実用性と経済性を兼ね備えた製品として、ニーズに合致しました。
ユーザーの声を活かした製品改良
Temuを通じてCANOWはユーザーの声や購買データをダイレクトに収集し、製品改良を進めています。ネジ構造の再設計や説明書の図解強化、梱包サイズの圧縮などにより、「一人でも簡単に組み立てられる」をコンセプトに全体を再構築。組み立て時間を約30%短縮し、環境負荷やコスト削減にも成功しました。
「以前は対面販売で価値を伝えていましたが、今はTemuでデザインと細部へのこだわりを評価していただいています。」と犬丸氏は語ります。
次のステージへ ブランド進化の計画
今後CANOWは、Temuのデータ分析や運営サポートを活用し、ソファやダイニングテーブルなどラインアップを拡充する計画です。中長期的には「国内大手家具ブランドと肩を並べる存在」を目標に掲げています。
人気のすのこベッド
「Temuは単なる販売の場ではなく、新しいライフスタイルを理解し、ブランドを進化させるための舞台なのです。」と犬丸氏は言います。
CANOWの取り組みは、日本の伝統製造業がデジタル時代に挑戦する象徴的な事例といえるでしょう。Temuという新しいプラットフォームを通じて、職人の精神と現代の暮らしをつなぐCANOWの挑戦は、これからも続いていきます。
■Temuについて
Temuは、消費者の皆様と世界中の数百万の販売事業者、メーカー、ブランドをつなぐオンラインマーケットプレイスです。世界90以上の市場で事業を展開し、手頃な価格で高品質な製品を提供することで、消費者の生活向上を支援しています。2022年9月に米国でサービスを開始したTemuは、消費者の皆様と販売事業者が夢を実現できるよう、最も手頃な価格で質の高い商品を提供することに取り組んでいます。日本では2023年7月にサービスが開始され、効率化されたサプライチェーンによって実現された豊富な商品選択と価格の手頃さが、消費者から好評を得ています。
※イプソスの調査によると、Temu利用者の約7割がポジティブな感想を持ち、最多の声は「コストパフォーマンスの良さ」。特に20~40代で高い満足度が見られる。
▼Temu公式サイト
https://www.temu.com/