世界屈指のラグジュアリーホテルブランド、ザ・リッツ・カールトン。宿泊はもちろん、そこでしか味わえない美食も、誰もが憧れる体験の一つです。この度、国内6つのザ・リッツ・カールトンで、日本を旅するように味わうキャンペーンがスタート。その一つを体験させていただきました。

ザ・カリナリー・ジャーニー・キャンペーン「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味」

ザ・リッツ・カールトン東京は、鉄板焼アフタヌーンティー⁉

今回はその一つ、ザ・リッツ・カールトン東京で提供中のMemories from My Childhood 鉄板焼アフタヌーンティーを、体験させていただきました。伺ったのは、お天気が良ければ富士山まで見渡せるという、45階の日本料理「ひのきざか」。落ち着いた和の雰囲気と、スタイリッシュなデザインが融合する、居心地の良い空間です。

こちらでいただけるのが、茶懐石の発想を重ねて仕立てた鉄板焼アフタヌーンティー。アフタヌーンティーと聞くとスイーツのイメージですが、鉄板焼料理長 大江シェフが繰り出すのは、鉄板焼と高級茶とのペアリングを楽しむコーススタイル。目の前で繰り広げられる鉄板焼のライブ感と共に、日本各地から厳選されたお茶の新たな魅力を味わう、他にはないアフタヌーンティーです。

10席限定というプレミアム感あふれる鉄板焼コーナーに座ると、まず目につくのが美しいお盆に乗せられた茶畑の風景。京都の石寺の茶畑の風景と共に、日本茶アドバイザーの資格を持つ矢野さんのご挨拶が。ここから旅の物語が始まります。

ほどなく本日の食材たちがお目見え...!!美しい霜降りの土佐あかうしや、大きな椎茸「天恵菇」、秋を感じさせる柿やさつまいも、いちじくに、みずみずしいシャインマスカット。そして香り高いトリュフまで!シェフが各地から厳選した豪華食材が並びます。

お弁当を開ける、あのワクワク感を、贅沢に

そんな珠玉の食材を使って、最初に登場するのが、今回のテーマ”駅弁”をオマージュした藍色の包み。そう、あの駅弁を開くときのワクワク感を、鉄板焼でも楽しめるんです…!

ドキドキしながら包みを解くと、美しい二段のお重が。実はこのお重も、今回のコースのために特別に作ったものだとか…!蓋の細工の繊細さに、思わず開けずにしばらく見入ってしまいます。

そして箱の中には、大江シェフの幼い頃の思い出をイメージした、各地の土地のものが生きたお料理が沢山。シェフの思い出である、高知のおばあさまのお家からの帰路を旅するように、高知・徳島・奈良・京都・静岡・山梨・東京と、各地から集められた食材を用いた7品が並びます。

爽やかな甘みを感じる柿なますに、土佐あかうしを高知のお米「ニコマル」と味わう贅沢な手まり寿司、一口できのこの旨みが口いっぱいに広がる「天恵菇」のデュクセル。散らされたエディブルフラワーが可愛らしい生春巻きに、弾ける甘みのシャインマスカットの白和え、のどぐろの西京焼きに、とろける東京Xの豚角煮。素材の味わいを一つずつ楽しみながら、まさに旅するように味わう可愛らしい7品は、確かにアフタヌーンティーのよう!

合わせるお茶は、最初に置かれた写真の石寺の茶畑で生まれた、純煎茶「やぶきたブレンド」。それぞれに味の異なる7品のお重のお料理を楽しむ中で、この煎茶の優しい渋みがスッとお口をリセットしてくれました。

お茶の提供温度も味わいのポイントだとか

ここからは目の前の鉄板が賑やかに。立ち上る香りや弾ける音、そしてプロの料理人の無駄のない動きを眺めながら、お料理を待つ時間も楽しみの一つですね。

和茶の概念が変わるかも...!!ティーペアリングは驚きの連続

高知県宿毛湾から直送の金目鯛は、胡桃味噌と合わせて朴葉焼きに。山形県産雪降り和牛のしゃぶしゃぶは、秋を感じる温かな菊花餡をかけて。そんな季節を感じるお料理と共に、こだわりのティーペアリングが提供されます。

金目鯛の朴葉焼きと合わせるのは、玉露ほうじ茶「KAHO」。ワインボトルに入ったROYAL BLUE TEAの手摘み茶は、ふわりと香るほうじ茶の香ばしさと優しい甘みが、朴葉焼きにもぴったり。
黒毛和牛のしゃぶしゃぶには、京都の玉露「ごこう」を合わせて。ひと口目は出汁のような味わいに驚かされるのですが、これが菊花餡のしゃぶしゃぶと合わせると、まさにお料理を引き立てる名わき役に…!お食事と合わせることで、お茶の味わいも全く変わる…ここでしかできない体験です。

メインは、目の前の鉄板でジューシーに焼き上げられた黒毛和牛のつみれバーガー。甘みあふれるトマトソースをまとわせた後、仕上げには黒トリュフをたっぷりかけて、和風タルタルと共にいただきます。爽やかなトマトの甘みに、黒毛和牛のジューシーな脂の旨味、そしてそれを引き締めるいぶりがっこのタルタルが絶妙に合わさる、贅沢が詰まったミニバーガーです。

そんなバーガーに合わせるのは、高知県の後発酵茶、「碁石茶」。お漬物のように2回発酵されていて、茶葉もまるで碁石のように固まっているからこの名がついたそう。この塊だけでも鼻を近づけると、海苔の佃煮のような熟成した香り…その香りと対照的に、味わいはとってもまろやか。黒毛和牛のしっかりした味わいを、ワインのように支えてくれる、お茶のポテンシャルを感じる一杯です。

ここからはスイーツ。白葡萄と有機ハーブの氷菓と、爽やかなエルダーフラワーのハーブティーでお口直しをした後に、大きなお鍋が登場しました。

蓋を開けると、雲海の中にぷるんぷるんと揺れるのは、なんとキャラメルブランマンジェ。もちろんお店の自家製です。ブランマンジェには季節を感じる和梨のコンポートが添えられ、柿スムージー紅はるか最中の優しい甘みにもほっこり。

鉄板焼料理長ながら、デザートまで考えるという大江シェフ。そのアイデアはどこから?と伺うと、同じリッツカールトン東京の星付きレストランのペストリーシェフ、小堀さんに相談することも多いのだとか。ホテル内のシェフ同士、アイデアを共有できるのはとても素敵ですよね。

本当に美味しかったブランマンジェ

最後はお店で毎日仕込むというわらび餅を季節のフルーツとともに。あわせるお茶は宮崎県五ヶ瀬町の「三年番茶」。実はこちら、わらび餅など和菓子を食べる時に使う“黒文字”をブレンドしているそう。茶葉を見せていただいたのですが、本当に木の枝が入っていてびっくり!でもこれがとても芳ばしく、もちもちのわらび餅のきな粉の香りを引き立てます。最後は馴染み深い和菓子で終わるところも、日本料理らしくて嬉しい…♡

大江料理長と、日本茶アドバイザー矢野さんによる、珠玉のペアリングを楽しめる鉄板焼アフタヌーンティー。お料理それぞれの美味しさはもちろん、計算しつくされたペアリングは驚きの連続で、自分のお茶の飲み方、選び方、そして淹れ方をちょっと変えてみようかな、と思わせる素敵な体験でした。

「吾、唯足るを知る」(=満ち足りている、の意)を表した龍安寺のつくばい

鉄板焼とともに楽しむ日本の旅。カウンター越しに生産者さんの話を聞くと、そこへ足を運んでみたくもなりますね。

今回はザ・リッツ・カールトン東京へ伺いましたが、全国6か所のザ・リッツ・カールトンで、各料理長がそれぞれに「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味」を表現しています。
日光や大阪ではディナーコース、京都ではランチ会席のほか、テイクアウトの鯖寿司も。福岡では、伝統工芸「博多曲物」のお弁当箱を自分で作った後、そこに地元食材の特製弁当を詰めていただけるというスペシャルなワークショップが。沖縄でいただく、和と琉を味わえる小会席仕立てのお弁当も魅力的ですね。