歴史を守り、未来へつなぐ保存修理
旧三笠ホテルは、1906年創業の純西洋式木造ホテル。日本人技術者のみで建てられた希少な建築として、1980年に国の重要文化財に指定されました。今回の修理では、耐震補強に加え、漆喰壁の塗り直しや車寄せの復元など、当時の姿を丁寧に再現。
ロビーの腰壁には皮付き丸太が等間隔に並び、クラシカルな空気が漂います。
スイートルームの奥にあります
館のなかで一番古い現存する椅子
当時からのガラスと今回新たに入れなおしたガラスではできる影も異なります。
ポール・ジャクレーのポスター展示(期間限定)
展示室でたどる、軽井沢とホテルの物
当時の荷物タグ、マッチ、三笠焼き
新たに発見されたタイルやリノリウム
耐震補強の柱
しっくい壁の構成
色調の変遷
展示室では、ホテル創業から令和の大改修に至るまでの歴史を紹介。工事中に床下から発見されたリノリウムや開業当時の屋根材など、貴重な資料も公開されています。音声ガイドや映像資料も導入され、より深くホテルの物語に触れることができます。
カフェ・貸室・ショップで、文化を味わう
リニューアル後は、来場者がより快適に過ごせるよう、エレベーターや多目的トイレを新設。
創業レシピを味わう、クラシカルカフェでひと休み
リニューアル後に新設された館内カフェでは、旧三笠ホテル創業当時のレシピを再現したメニューが楽しめます。カレーやアップルパイ、マドレーヌチーズバーガーなど、どこか懐かしくも新しい味わい。クラシカルな空間で、旅の余韻をゆっくりと味わえるひとときです。
旧三笠ホテルオリジナルブレンド珈琲 800円
ココア(アイス)800円
マドレーヌチーズバーガー 650円
おすすめは窓から建物がみえる8番席
レトロドレスで撮影も、貸室で文化体験
新設された貸室は、ウエディングの前撮りや座談会などにも利用可能。
レトロドレスに着替えて撮影できる貸衣装サービスもあり、まるで明治の鹿鳴館時代にタイムスリップしたような体験が叶います。文化を“身にまとう”という新しい楽しみ方も魅力のひとつ。
旧三笠ホテルの記憶を持ち帰る、ミュージアムショップ
約30種のオリジナルグッズが並ぶショップでは、ホテルの歴史や建築美をモチーフにしたアイテムが揃います。レトロなポストカードや、創業レシピにちなんだ食品など、旅の記憶をそっと閉じ込めたようなラインナップ。文化を持ち帰る、そんなお土産選びが楽しめます。
文化を醸す場所へ、ようこそ
当時の鎌倉彫
旧三笠ホテルは、軽井沢の“鹿鳴館”と呼ばれた美しき遺産。旅の締めくくりに、歴史と美意識を感じるひとときを過ごしてみませんか。文化を醸す場所として、旧三笠ホテルはこれからも静かに、そして力強く、時代をつないでいきます。
重要文化財旧三笠ホテル(長野県軽井沢町大字軽井沢1339番342)
■交通アクセス
〇公共交通機関でお越しの場合:
JR北陸新幹線軽井沢駅から草軽交通北軽井沢方面行きバス約10分「三笠」下車 徒歩約1分
または、タクシーで約10分
〇お車でお越しの場合:碓氷軽井沢ICから 約14km (約30分)
<専用駐車場/駐輪場> (北佐久郡軽井沢町大字軽井沢1368番地4)
乗用車: 26台、大型バス: 1台
車いすの方専用駐車場: エントランス門前2台
駐輪場: エントランス門前 30台