働く女性484名調査で判明。実家暮らしの6割は「出る予定なし」、一方で結婚相手には6割が「一人暮らし経験」を求める矛盾も

女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』が働く女性484名を対象に実施した「実家暮らし」についてのアンケート調査から、若い世代を中心に実家暮らしを選択する人が増えている実態が明らかになりました。経済的な理由が背景にある一方で、実家暮らしの満足度は高いという結果も出ています。

約4割が実家暮らし、20代30代は4割超

現在実家で暮らしているか聞いたところ、「はい」36.8%、「いいえ」63.2%で、およそ3人に1人が実家で暮らしていることが分かりました。

年齢別で見ると、20代と30代は4割以上の人が実家で暮らしていることが判明。年齢が上がるにつれて実家暮らしの割合は減っていきますが、40代と50代も2〜3割の人が実家で暮らしている現状が見て取れます。

居住地別では、東京在住の人は「実家暮らし」18.9%、「実家暮らし以外」81.1%と、実家で暮らしている人は少数派でした。一方で東京以外に在住の人は「実家暮らし」40.9%、「実家暮らし以外」59.1%と、東京在住の人と比べると実家暮らしの人が2倍近くになっています。

実家暮らしの6割は「出る意思なし」

実家で暮らしている人に今後実家を出る予定があるか聞いたところ、「はい」41.0%、「いいえ」32.0%、「わからない」27.0%でした。「はい」が最も多い結果でしたが、「いいえ」と「わからない」を合わせると、およそ60%の人が実家を出る意思がないことが分かります。

実家暮らしの理由1位は「自立できるお金がない」

実家で暮らしている理由を聞いたところ、「自立できるお金がない」34.8%が最多となり、「貯金、節約したい」30.9%、「趣味や旅行にお金を使いたい」21.9%と、お金に関係する理由が上位を占めました。

その他のコメントとしては「職場が家の近くだから」「ペットがいるから」などがありました。

過去の調査「節約してる?」(2024年10月実施)でも約9割の人が「節約を意識している」と回答しており、その理由として「収入が少ない・上がらない」「物価が上がっている」「生活に余裕がない」などが挙げられていました。多くの人が経済的な理由で実家暮らしを選択している様子が見て取れます。

実家暮らしの約3割が「お金を入れていない」

実家に入れているお金を聞いたところ、「お金を入れていない」33.1%が最も多い結果でした。次いで「3万円〜5万円未満」24.2%、「5万円〜10万円未満」21.3%となり、3万円以上のお金を入れている人は半数程度でした。

実家での家事をどれくらい負担しているかについては、「1〜2割」32.6%が最も多く、次いで「3〜4割」22.5%、「まったく負担していない」14.6%という結果に。一方で「すべて負担している」4.5%、「8割〜9割」6.2%と、家事のほとんどを負担している人は少数派だということが分かりました。

興味深いことに、職場の昼食用として親にお弁当を作ってもらうことがあるか聞いたところ、「作ってもらうことはない」74.7%が最も多かったものの、「ほぼ毎日」14.6%、「週に数回」5.1%を合わせると19.7%になり、5人に1人は日常的に親にお弁当を作ってもらっている状況が見て取れます。

結婚相手には6割が「一人暮らし経験」を求める

もし結婚する場合、相手に一人暮らし経験を求めるか聞いたところ、「強く求める」28.9%、「少し求める」37.4%と、6割以上の人が一人暮らし経験を求めることが分かりました。

実家暮らしの人に絞ると、「強く求める」19.1%、「少し求める」32.6%で、求める派は5割程度。一方で実家暮らし以外の人では、「強く求める」34.6%、「少し求める」40.2%と、求める派は7割以上になり、実家暮らし以外の人の方が結婚相手に一人暮らし経験を求める傾向が強いことが分かりました。

金融資産は実家暮らし以外の方が多い

現在の金融資産(預貯金、株式、投資信託など)について聞いたところ、「10万円未満」が最も多く、割合としては実家暮らし30.9%、実家暮らし以外22.9%と、実家暮らしの方が8%多い結果でした。

一方、100万円以上の割合は、実家暮らし44.9%、実家暮らし以外54.0%と、実家暮らし以外の方が9.1%多くなっています。また金融資産の平均額も、実家暮らし275万円、実家暮らし以外360万円と、実家暮らし以外の方が85万円程多いことが分かりました。

実家暮らしの人の方が生活満足度は高い

今の暮らしに満足しているか聞いたところ、全体では「大変満足」8.9%と「やや満足」35.7%を合計した満足派が44.6%、「やや不満」34.3%と「大変不満」15.3%を合計した不満足派が49.6%で、不満足派の方がやや多い結果でした。

実家暮らしの人と実家暮らし以外の人で比較すると、満足派は49.4%と41.8%で、実家暮らしの人の方が満足度が高い結果となりました。家族やペットと一緒に過ごせる、家事を家族と分担できるなど、実家暮らしのメリットも影響しているかもしれません。

「今回の調査は、働く女性の約4割が実家に暮らしており、その6割が実家を出る意思はない、または固まっていないという結果でした。主な理由は、『自立できるお金がない』『貯金、節約したい』という金銭的な理由です。一方、今の暮らしの満足度については、実家暮らしの人の方がやや高いこともわかりました。『女の転職type』が行ってきた過去の調査のほとんどで、転職理由1位は『年収アップ』です。住む場所はどこであれ、自分らしい暮らし方、生き方を叶えるために仕事選びは重要です」
- 女の転職type編集長・小林佳代子氏

調査概要
調査内容 第113回「実家暮らしについて」/データで知る「女性と仕事」
調査期間 2025年8月7日〜8月22日
有効回答数 484名
調査対象 女の転職type会員
調査方法 Web上でのアンケート
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。
※本調査は「女性」と性自認している方を対象に調査を行っております。

詳細な調査結果はこちらからご覧いただけます。
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-113/