自然と建築が溶け合う、村野藤吾の世界
1978年に開業した「ザ・プリンス 箱根芦ノ湖」。その設計を手がけたのが、日本建築界の巨匠 村野藤吾氏。村野氏がこの地にホテルを建てる際に大切にしたのは、「自然と建築が争わないこと」。敷地に元々生えていた木々は、一本たりとも伐採せずに設計を進めたといわれています。建物を“自然の中に置く”のではなく、自然の形に合わせて建築をそっと寄り添わせる—その思想が、今もホテルの随所に息づいています。
ロビーに漂う“森と建築の調和”
ザ・プリンス 箱根芦ノ湖のロビーから客室へと続く動線は、村野藤吾氏が“自然と人の歩みが調和するように”と丁寧に設計したもの。光が柔らかく差し込み、足元に落ちる影がゆらぐその空間は、
まるで結婚式のヴァージンロードのような荘厳さと清らかさに満ちています。天井が高くみえるように、テーブルや椅子は特注で低めに作られています。
リスを模したデザインの絨毯
裏側までみせる美学
階段や動線にも宿る、村野氏の美学
村野藤吾氏の建築は、階段や廊下といった“移動の時間”にも美しさを感じられるよう設計されています。階段の手すりの曲線はよくみると、樹脂やスチールなど使用する素材もかえて、フリーハンドで描かれた曲線を見事に実現し、柔らかく流れるようなラインは、まるで自然の枝や風の動きを写し取ったかのようで、建物の中にいながら、森のリズムを感じるような心地よさがあります。
建築を“使う”のではなく、建築を“体験する”という感覚が味わえるのが、村野建築の魅力です。
自然と共に生きる建築
48年の時を経ても色あせないのは、自然を尊重し、自然と共にあることを前提に作られた建物だからこそ。湖、森、光、風。そのすべてが建築の一部となり、訪れる人の心をそっとほどいてくれます。
訪れたのは3月初め
桜の木の下で、満開を想像しながら楽しむお散歩時間
“時代に左右されない美しさ”を持ち、訪れるたびに新しい発見があるのが村野建築の魅力です。ふとした瞬間に“ここはホテルなのか、美術館なのか”と錯覚するほどの静かな品格と芸術性に包まれます。ホテルでありながら、建築そのものが“作品”として存在している—そんな特別な空気が漂っています。
桜色のフレンチディナーとお花見ヨガ
東京では桜が散り始める頃、箱根・芦ノ湖畔にはようやく春の気配が訪れます。
今回ご紹介するのは、そんな“遅れてやってくる春”を贅沢に味わえる特別な滞在プラン。桜色を映したフレンチディナーに始まり、翌朝は満開の桜の下で深呼吸するように楽しむお花見ヨガ。湖と富士山を望む景色の中で、ふっと心が軽くなる “私時間” をくれる、ご褒美ステイです。
桜をイメージしたフレンチコースで春の夜を味わう
夕食は、村野藤吾建築の美しさが息づくレストラン「ル・トリアノン」にて。桜の形にカットされた野菜や、春色のソースが添えられた前菜など、コース全体が“春の物語”のように構成されたフレンチが並びます。
雑誌に掲載されたアフリカ女性から着想を得た照明、インド砂岩の壁——まるで美術館のような村野藤吾建築
朝は“絶景ロイヤルブレックファスト”でスタート
トマトと彩り野菜のサラダ ビーツのアクセントで 2種類のドレッシングで
柑橘風味のドレッシング 曾我の梅ドレッシング
【お好みのジュースを以下より選べます】
◆シュガートマトジュース/佐久協同(長野)
◆サンつがる リンゴジュース/La Mela(長野)
◆温州みかんジュース/谷井農園(和歌山)
本日のポタージュスープ
チーズフレンチトースト
クロワッサン
丹那全乳ヨーグルト フルーツ添え
朝食は、芦ノ湖と富士山を望むテラス席が人気。風の音、波の音、鳥のさえずり…自然のすべてがBGMになる、贅沢な朝のひとときです。
【選べるメインプレート】
プレーンオムレツ箱根西麓牛のミートソース富士湧水ポークハムステーキ
【選べるメインプレート】
ウフ・ムーレット箱根芦ノ湖トリアノンスタイル ベーコンと温野菜添え
珈琲は、目の前で丁寧にサイフォンで淹れてくれます。“旅の朝にふさわしい特別感”が漂います。
桜の下で深呼吸。芦ノ湖を望む「お花見ヨガ」
【開催時間】 7:45A.M.~8:30A.M.
このプラン最大の魅力が、ホテル中庭で行われる「お花見ヨガ」。芦ノ湖と富士山を正面に、満開の桜の下でゆっくり体を伸ばす時間は、まるで心の奥まで洗われるような心地よさ。ヨガマットやウェアの貸し出しもあり、手ぶらでも参加しやすいのが嬉しいポイント。
選べる客室は「レイクビュー」or「フォレスト」
レイクビューツイン
フォレストツイン
こちらのプランは2つの部屋タイプから選べます。
- 芦ノ湖を望むレイクビューツイン
- 森の静けさに包まれるフォレストツイン
どちらも大きな窓が印象的で、“自然の中に泊まる”という感覚を味わえる落ち着いた空間です。
今回、滞在したのは、フォレストツインタイプ。窓の外には、“深い森の緑”が広がり、木々の呼吸に合わせて心がゆっくり整っていくような静けさがあります。
都会の喧騒から離れ、“ただ、森の中で深呼吸する”という贅沢を味わえる空間でした。
芦ノ湖を望む温泉「蛸川温泉 箱根 湖畔の湯」
源泉は敷地内の自家源泉「蛸川温泉」を使用
宿泊者専用の温泉は、湯船につかりながら芦ノ湖を眺められる開放的なロケーション。朝の光にきらめく湖、夕暮れに染まる水面…時間帯によって表情が変わる景色も魅力です。
近隣観光おすすめスポット
今回の滞在では、ホテルのレンタサイクルを利用して近隣のパワースポット巡りを楽しみました。(ザ・プリンス 箱根芦ノ湖および龍宮殿にご宿泊のお客さま限定貸出 1時間以内¥1,500)
九頭龍神社本宮
ホテルからは徒歩20分。電動アシスト自転車で10分。湖畔の道は車通りも少なく、風が頬をかすめるたびに気持ちがすっと軽くなるような心地よさ。芦ノ湖のきらめきを横目に走る時間は、まるで“箱根の春を独り占めしている”ような贅沢があります。
参道が公園になっていて、お散歩しながら強運に!
絶対行くべきおすすめスポットです。
箱根神社
参拝後は、ホテルの前を通り、関東屈指のパワースポットとして知られる由緒ある箱根神社へ。創建は奈良時代と伝わり、山・湖・森が交わるこの地に鎮座する姿は、まさに“自然と神が共にある”という言葉がぴったり。
境内は深い緑に包まれ、湖に向かって立つ「平和の鳥居」は、芦ノ湖と富士山を背景にした圧巻の景色で、旅の記憶に残る一枚が撮れるスポットです。湖に立つ「平和の鳥居」の前には写真を撮るための小さな行列ができていました。撮影する方の次の方が撮影して、、、とそんな 暗黙のルール ができていて、みなさんが気持ちよく順番を守りながら楽しんでいるのが印象的でした。
九頭龍神社 新宮
箱根神社の境内には、縁結びの神様として知られる「九頭龍神社 新宮」が祀られています参拝しやすいように境内に新宮が建てられており、ここでもしっかりご利益をいただけると人気。箱根神社で心を整え、そのまま九頭龍神社 新宮へと手を合わせる—この“二社参り”が、箱根旅の定番になっているのも納得です。 *筆者は、本宮参拝後ではありましたが、こちらも参拝。
箱根元宮
箱根神社、九頭龍神社 新宮と合わせて訪れたいのが、駒ヶ岳山頂に鎮座する「箱根元宮(はこねもとみや)」。箱根神社の“奥宮”にあたる存在で、古くは山岳信仰の聖地として崇められてきた場所です。箱根元宮は、箱根神社の起源ともいえる場所とされ、古代から山岳修験者たちが祈りを捧げてきた歴史があります。社殿は、華美ではないのに圧倒的な存在感があり、訪れるだけで心がすっと整うような不思議な力があります。
ロープウェーで山頂へ向かうと、視界が一気に開け、芦ノ湖、箱根の山々、そして晴れた日には富士山まで見渡せる絶景が広がります。その静けさは、まるで天空の神域―空に浮かぶ神域に足を踏み入れたよう。
筆者はホテルでレンタサイクルを返却してから訪問。ロープウエー乗り場まで徒歩数分という好立地なので、ぜひ足を運んでほしい場所のひとつです。
いつもの温泉が「2倍楽しくなる」温泉探求ツアー【箱根湯の花プリンスホテル】
チェックアウト後は、送迎バスで姉妹ホテルの【箱根湯の花プリンスホテル】へ。“温泉をただ楽しむだけではなく、科学して学ぶ”という新しい体験型ツアー「知的好奇心を満たす、サステナブル温泉探求ツアー」に参加しました。
なぜこのツアーが生まれたのか
37年にわたり、自家源泉の蒸気をグリーンエネルギーとして活用してきた同ホテル。その取り組みを学びながら、箱根の3つの温泉を科学的に比較するという、まさに 「知的好奇心を満たす」 冬限定の特別企画です。
箱根湯の花プリンスホテルは、1988年の開業時から自家源泉の蒸気を暖房・冷房・給湯に活用し、
2023年には神奈川県初のバイナリー発電設備も導入。箱根の温泉地の中でも、サステナブルな取り組みを先駆けて行ってきたホテルだからこそ実現したツアーです。
ツアーの見どころ
① グリーンエネルギーの仕組みを学ぶ「ゆのはな湯学」
ホテルが37年間続けてきた“自家源泉の蒸気をエネルギーとして活用する仕組み”を、スタッフがパネルでわかりやすく解説。実際に湯ノ花沢温泉の湯畑へ足を運び、お湯を攪拌する体験もできるという、ちょっとワクワクする内容です。
② 箱根の3つの温泉を科学的に比較する「温泉テイスティング」
(協力:神奈川県温泉地学研究所)
箱根エリアの3つの温泉
- 湯ノ花沢温泉
- 芦之湯温泉
- 蛸川温泉
を、色・におい・pH・全硬度などの視点から科学的に調査。
温泉を“飲む”のではなく、“知る”体験です。
温泉の違いを科学的に理解することで、「この温泉はなぜ肌がつるつるするのか」
「どうして色が違うのか」といった疑問がスッと解け、
いつもの温泉が2倍楽しくなるのが魅力。
「知的好奇心を満たす、サステナブル温泉探求ツアー」の概要
【期 間】2026 年3 月7 日(土)~2026 年3 月28 日(土)毎週土曜日
【お電話にてお問合せください】*好評につき会期延長されました。
【場 所】箱根湯の花プリンスホテル
【時 間】3:00P.M.~4:00P.M. ※悪天候時は内容を変更してご案内いたします。
温泉探究ツアー
【体験料金】¥1,500
(別途宿泊料または日帰り入浴料が掛かります。ツアーのみの参加はできません)
【タイムスケジュール】
2:45P.M. ホテルフロントにて受付
3:00P.M. 温泉探求ツアー スタート
4:00P.M. 温泉探求ツアー 終了
4:10P.M. 「いつもの温泉が2 倍楽しくなる」 湯浴みへ
今回の「サステナブル温泉探求ツアー」は、宿泊者限定ではなく、日帰りでも参加できるのが嬉しいポイント。箱根湯の花プリンスホテルが37年続けてきた“自家源泉×グリーンエネルギー”の取り組みを学び、3つの温泉を科学的に比較するという貴重な体験を、気軽に楽しめるようになっています。
温泉好きはもちろん、サステナブルな旅や学びのある体験を求める方にもぴったり。冬の箱根で、ちょっと知的で特別な時間を過ごせるツアーです。
非日常体験を箱根芦ノ湖畔で
天気がいいと荘厳な富士山の景観も楽しめます。
小田原駅から無料送迎バス(所要時間50分)
フォレストツインで迎える静かな朝、湖畔を走るレンタサイクルの爽快感、箱根神社や九頭龍神社で感じる清らかな空気、そして“温泉を科学する”という新しい学びの体験。
ホテルで過ごす時間も、観光で出会う景色も、温泉探求ツアーで得られる知識も、
すべてがひとつにつながって、「箱根って、こんなに奥深いんだ」 と心がほどけていく旅でした。
* ホテル中庭:オオシマザクラ、マメザクラ
* 箱根園(ホテルより徒歩5分):オオシマザクラ(湖畔の一本桜)、マメザクラ
* 箱根九頭龍の森(ホテルより徒歩20分):シダレザクラ、オオシマサクラ、マメザクラ
宿泊でも、日帰りでも楽しめる箱根の魅力。次の休日は、ふっと肩の力が抜けるような“知的で、心地よい箱根時間” を過ごしに出かけてみませんか。
自然に囲まれた癒しの湖畔散歩 ザ・プリンス箱根芦ノ湖
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