顧客レビューをリアルタイムで収集し、トレンドを即商品化。クマ出没という社会課題を背景に、EC発の新製品開発が進んでいます。

近年、全国各地で相次ぐクマの出没。こうした社会課題を背景に、「クマ避けグッズ」の需要が高まっています。そんな中、ECプラットフォーム「Temu(テム)」に集まる口コミをヒントに、新製品開発を進める園芸用品企業の動きが注目されています。

兵庫県小野市で園芸用品の企画・販売を行うComcon(コムコン)では、野良猫対策として販売している超音波スピーカーを応用し、「クマ避け仕様」の新製品を検討中。春の発売を視野に、開発を本格化させています。

Temuの口コミを活用した商品開発が加速

今回の開発の大きな特徴は、「Temu」をはじめとするECサイト上の顧客の声をリアルタイムで収集し、商品企画に反映している点です。

ソーラー動物撃退機

背景には、ホームセンターでクマ避け製品が品薄となっていることや、既存の「野良猫避け商品」を代替的に使用するユーザーが増えている実態があります。センサーで反応し、超音波や大音量で動物を遠ざける仕組みは共通しており、一定のニーズが確認されているといいます。

「売れるヒント」はユーザーのレビューにあり

同社のTemuストアには、園芸にまつわるアイデアグッズが目白押しに並び、しゃがまなくても草むしりができるレーキや、溝の中に生えた植物も楽々にお手入れできる取手の曲がったハサミなど、園芸を楽しむ傍ら作業を楽にしてくれるグッズがリーズナブルな価格で提供されています。また日々多くのレビューが寄せられています。これらの口コミは単なる評価にとどまらず、「売れる商品」のヒントとして活用されています。

実際のレビュー例では、以下のような声が寄せられています。

・「高齢の両親でも立ったまま草刈りができ、作業時間が大幅に短縮された」
・「これまで使ってきた中で一番使いやすく、コスパも良い」
・「刃の角度が変えられて便利。すぐ届いたのも助かる」

こうした具体的な使用感やニーズをもとに、改良や新商品のアイデアが生まれています。

Temuでの口コミ一部抜粋

Temu出店3カ月で売上急伸、若年層にもリーチ

同社は2019年から園芸用品のEC販売をスタートし、コロナ禍以降に事業を拡大。Temuへの出店後は、わずか3カ月で5,700点以上を販売し、複数ある販売チャネルの中でも上位に食い込む結果となりました。また、調査によるとTemuユーザーの約2割が20代とされ、これまでリーチしにくかった若年層の獲得にもつながっています。広告費をほとんどかけずに売上を伸ばせている点も特徴で、競争が激しいEC市場の中で「ブルーオーシャン」としての可能性を感じているといいます。

社会課題をビジネスチャンスに変える動き

クマの出没は、人口減少や耕作放棄地の増加といった地域課題とも密接に関わっています。こうした背景を踏まえ、「消費者の困りごとをビジネスで解決する」という視点で商品開発が進められています。過去には、防犯ニーズの高まりを受けてセンサーライトの売上が急伸するなど、社会情勢と商品の売れ行きが密接に連動するケースもありました。

ECの口コミデータを活用した商品開発は、スピードと柔軟性が求められる現代の市場において、有効な手法の一つといえます。クマ避けグッズという新たなニーズに対し、どのような製品が誕生するのか。ユーザーの声から生まれる次のヒット商品に、今後も注目が集まりそうです。

※イメージ

www.pexels.com

▼Temu
https://www.temu.com/jp